大学受験の数学の超効率的な勉強法を解説します。
共通テストの数学で9割取るための勉強法から大学受験の東大や京大など志望校別の数学の勉強法から実際にやってよかった勉強法を解説します。
また数学の勉強法の実践におすすめの参考書やおすすめの勉強法の順番も合わせて解説します。

【この記事の監修者:逆転合格特化塾塾長「竹本明弘」】
これまでオンライン予備校「逆転合格特化塾」の塾長として早慶に現役生および浪人生を含めて合計で300人以上の合格者を輩出してきました。
その中で共通テストの数学で満点を取った生徒もたくさんおり、実際に指導する中でゼロからでも数学の偏差値70まで到達した大学受験対策の数学の勉強法やおすすめの参考書およびやってよかった数学の勉強の順番を解説したいと思います。
いきなり最終結論!偏差値30から70になる数学の勉強法TOP3を徹底解説!
結論から述べると数学の偏差値を30から70に上げるための勉強法は以下の3つです。
第1位は基礎問題精講や黄色チャートを使って解法パターンを完璧に暗記することです。数学が苦手な人ほど解説がわかりやすい参考書を選ぶことが合格への最短ルートになります。基礎問題精講は解説が丁寧でつまずきにくく初学者でも独学で進められる構成になっています。
第2位は苦手分野を徹底的に潰すことです。確率や微積分など特定の単元が弱いまま放置すると偏差値は頭打ちになります。単元ごとに期限を決めて取り組むと自分の弱点が明確になり効率的に対策できます。
第3位は初見の問題を数多く解いて解法選択の判断力を鍛えることです。基礎が固まったら標準問題精講や過去問を使ってどの解法を使うべきか瞬時に判断する訓練が必要です。この訓練によって入試本番での得点力が飛躍的に向上します。
大学受験対策におすすめの数学の勉強法の順番
大学受験対策におすすめの数学の勉強法の順番を解説します。
基礎レベルの例題を通じて、解法パターンのレパートリーを広げていきましょう。学校で配布されている参考書、もしくは入門問題精講や基礎問題精講(旺文社)、チャート式解法と演習数学、通称黄色チャート(数研出版)などを使用します。
学校で配られている数学の参考書がご自身にとって解説が理解しやすいと感じているのであれば、その教材を活用していただいて構いません。ただし、東京大学に毎年数十人の合格者を輩出するような進学校でない限り、大半の学校で使われている数学の参考書は解説が十分でないケースが多いです。授業後に先生に質問したり、授業を通して理解を深めていく形式になっていることが多いため、入門問題精講および基礎問題精講(旺文社)やチャート式解法と演習数学(数研出版)、Focus Gold(新興出版社啓林館)の使用をおすすめします。
また黄色チャート(数研出版)やFocus Gold(新興出版社啓林館)などを進めていく際の注意点ですが、学校の数学の授業をあまり聞いていなかったという人は、わからない問題が出てきた場合には必ずTry ITもしくはスタディサプリといった映像授業を視聴しながら進めることをおすすめします。たとえば数学1・Aの確率が理解できなかったという場合には、その範囲の映像授業を見て理解を深めていくことが効果的です。
最初の段階で数学が苦手な人には、とにかく解説がわかりやすい参考書を選ぶことが何よりも大切です。特に数学が苦手という人には初めから始める数学シリーズ(マセマ出版社)の1・Aから取り組み始めるのもおすすめです。
基礎の徹底強化期間として、数学1・Aおよび2・Bの例題に登場する解法を8割程度は暗記できている状態にしましょう。
基礎問題精講(旺文社)およびFocus Gold(新興出版社啓林館)もしくはチャート式基礎からの数学、通称青チャート(数研出版)を1冊完璧にできるのが理想的ですが、青チャート(数研出版)は問題量が多すぎる参考書なので、基礎問題精講(旺文社)を解いて苦手だったセクションのみ青チャート(数研出版)を解くような進め方をしていきましょう。
数学は特にFocus Gold(新興出版社啓林館)や基礎問題精講(旺文社)を1冊完璧にできたかどうかが非常に重要です。その後の数学の偏差値がどれだけ伸びるかに繋がってくるので、できれば3周はしたいところです。1周目は特に解けることには拘らずに、きちんと理解して2回目に解いた時に何も見ずに解けるように自分なりの要点整理を大事にしましょう。メモ書きでも良いので、解き方のポイントを自分の言葉で整理するイメージです。
最後に受験で差がつくポイントとして、自分の苦手な分野を把握しているかどうかということがあります。そのため、ただ毎日何ページやるという目標よりも何日までに確率の単元を全て終わらせるというような形で取り組むことをおすすめします。そうすると確率の漸化式だけはなかなかできないなあなどと苦手分野が見えてきやすくなります。
応用力強化期間として、どの解法を使うべきかの判断力を特に強化できるようにします。そのための演習を重視しましょう。
数学の標準問題精講(旺文社)や文系の数学の実戦力向上編(河合出版)を使って、この問題の場合どの解法を使うべきかについてこれまで覚えてきた解法のレパートリーの中から解法を選んで解けるようにしていきましょう。そのためには初見の問題を解いた回数が非常に重要になってきます。数学は基礎固めについては苦手分野を埋めることが大事ですが、基礎が固まったら初見の問題をとにかく解き続けることが重要です。
もし数学の問題の解き方の考え方を習得したいという方でまだ時間があるという人は入試問題を解くための発想力を伸ばす解法のエウレカ(学研)は非常におすすめの参考書です。そしてこの参考書を使って良いのは基礎問題精講(旺文社)やチャート式基礎からの数学(数研出版)、Focus Gold(新興出版社啓林館)を3周以上取り組んでおり、基本的に見た瞬間例題の解法は思いつく状態になっている人限定です。なぜなら解法のレパートリーがない中で考え方だけ身についても仕方がないからです。
過去問演習も含めて志望校合格に必要な分析と最後の応用レベル強化です。苦手の分析と志望校の頻出分野の両方が重なる部分は特になくしましょう。
文系数学の良問プラチカ(河合出版)や理系数学の良問プラチカ(河合出版)などが必要かどうかは正直、残りの勉強時間および勉強期間がどれだけあるかによって大きく変わってきます。解法暗記の期間が終わり、問題を分析した上でどの解法で解くかどうかの判断力を鍛える上では初見の難易度の高い問題を解く回数を上げることが一番効きます。だからこそ時間がある人はたくさん難易度の高い問題を解き続けていきましょう。
早慶以下のレベルの人についてはこの時点でもう過去問に入って、過去問の頻出分野を見つけることと過去問を解いていく上で自分の苦手な傾向の強い単元を見つけていきましょう。10年分から15年分はどの志望校を目指すにしろ必ず解くことをおすすめします。


共通テスト対策におすすめの数学の勉強法
共通テスト対策におすすめの数学の勉強法を解説します。
共通テスト対策におすすめの勉強法(基礎編)
共通テスト数学で6割を確実に取るための基礎固めは教科書レベルの完全理解から始めます。
共通テストは基本的な公式や定理の理解を問う問題が全体の60%を占めています。
そのため学校で使用している教科書の例題や章末問題や基礎問題精講の例題を繰り返し解くことが最も効果的です。特に数学が苦手な人ははじめから始める数学シリーズを使うと公式の成り立ちから理解できます。
基礎固めの期間は最低でも3ヶ月は確保することをおすすめします。この期間中は解ける問題を増やすことよりも1つ1つの解法を確実に理解することを優先してください。わからない問題が出たらスタディサプリやトライイットの映像授業を活用して視覚的に理解を深めることが効果的です。
またセンター試験の過去問も共通テスト対策として非常に有効です。センター試験と共通テストは出題形式は異なりますが基礎力を測る問題という点では共通しているため基礎固めの段階で活用できます。
共通テストで9割取れるおすすめの勉強法(応用編)
共通テストで9割取れるおすすめの勉強法を解説します。
共通テスト数学において高得点を狙うには、まず教科書レベルの基礎内容をしっかり理解することが不可欠です。全ての学習範囲を一通り確認しながら、それぞれの解き方がなぜそうなるのかという理由を重点的に学んでいきます。使う教材としては、はじめからはじめる数学1・A・2・Bや入門問題精講がおすすめです。
数学に苦手意識がある受験生は、Try ITやスタディサプリといった映像授業で知識を深めていく方法が効果的です。理解できない単元が出てきたらすぐに補強していきましょう。この段階での目標は、基礎レベルの例題を見れば内容を理解できる状態まで持っていくことです。
学校の参考書でも構いませんが、解説が不十分な場合は基礎問題精講や黄色チャート、Focus Goldといった市販の参考書を使うほうが効率的です。共通テストで求められる基礎力をこの期間でしっかり固めていきます。
共通テスト数学では、典型問題を素早く正確に処理する能力が試されます。基礎問題精講や黄色チャートを活用して、各単元の基本問題を繰り返し解いていきます。1日2時間のうち30分を解法の復習に使い、残り90分を問題演習に充てるのが理想的です。
間違えた問題には印をつけて、2回目や3回目で必ず正解できるようにします。共通テストでは解答スピードと正確性が同時に求められるため、自分の力だけで再現できることが必須です。数学1・Aおよび2・Bの例題に出る解法を8割程度は暗記できている状態を目指しましょう。
基礎問題精講やFocus Goldを1冊きちんと仕上げられたかが、共通テスト数学の成績向上に直結します。できれば3周は取り組みたいところです。1周目は理解を優先し、2回目に何も見ずに解けるよう自分なりに要点整理します。
この段階から共通テスト本番を意識した時間配分の訓練を開始します。Focus Goldや基礎問題精講を使いながら、特に苦手な確率や数列、ベクトルといった分野を優先的に潰していきます。1つの問題を丁寧に解いて、なぜそう解けるのかを自分の言葉で説明できるようにすることが大切です。
共通テスト数学は誘導形式の問題が多いため、設問文を丁寧に読み取る練習も重要です。時間を計りながら演習を行い、80分の試験時間でどこに時間をかけるべきか感覚をつかみましょう。この時期から共通テスト本番を想定したスピード強化を意識します。
演習に多くの時間を割いて、実際に手を動かして問題を解く回数を増やしていくことが大切です。単に解法を覚えるだけでなく、共通テスト本番で使いこなせるレベルまで習熟度を高めていきます。
第4段階では共通テストの過去問演習を中心に進めます。共通テスト過去問研究の数学1A・2Bを使い、年度ごとに通しで解いていきます。1日90分のうち60分を演習に使い、30分を解説確認に充てて、間違えた問題の原因を分析します。
共通テストは処理能力とパターン認識が重要なため、同じミスを繰り返さない意識を持ちましょう。得点戦略としては、難問に固執せず確実に取れる問題を落とさないことが9割達成の鍵です。共通テスト特有の問題形式に慣れることで、本番での対応力が格段に上がります。
ミスの原因を計算ミスか時間不足か理解不足かに分類して、それぞれに適切な対策を立てます。共通テストでは解く順番の戦略も重要なので、自分に合った時間配分を確立していきましょう。
最終段階では共通テスト本番を想定した実戦演習を中心に行います。共通テスト実戦模試や共通テスト総合問題集を活用して、実際の試験と同じ80分で解く練習を繰り返します。本番環境の再現と復習の徹底がポイントです。
間違えた問題の原因を分類し、本番直前は共通テスト頻出の整数や確率、数列、ベクトルを優先的に復習します。共通テストで9割を目指す場合は、基礎から標準レベルの問題を確実に得点することが最優先です。最終目標は本番でいつも通りの力を発揮できる状態に仕上げることです。
実際にやってよかった数学の大学受験対策の勉強法3選
実際にやってよかった数学の勉強法を3つ紹介します。
1つ目は解法パターンの自分なりの要点整理です。
問題を解いた後にどのポイントに気づけば解けたのかを自分の言葉でメモすることで記憶に定着しやすくなります。この作業により2回目に同じ問題を解く際の再現性が格段に上がります。
ノートやルーズリーフに簡単なメモ書きで十分なので解法の核心部分を言語化する習慣をつけてください。
2つ目は単元ごとに期限を設定して学習することです。
ただ毎日何ページやるという目標ではなく何月何日までに確率の単元を完成させるという期限を決めることで集中力が高まります。この方法により確率の漸化式が苦手などの具体的な弱点が見えてきて効率的に対策できます。
3つ目は苦手分野と志望校の頻出分野が重なる部分を最優先で潰すことです。
過去問を10年分以上解いて志望校の出題傾向を分析し自分の弱点との重なりを見つけてください。この重複部分を集中的に対策することで合格可能性が大きく高まります。
▽実際に使ってよかった数学の参考書一覧はこちら

分野別におすすめの大学受験対策の数学の勉強法
分野別におすすめの大学受験対策の数学の勉強法を解説します。
文系数学の大学受験対策におすすめの勉強法
文系数学で求められるのは高度な応用力よりも標準的な問題を確実に解く力です。
そのため基礎問題精講を3周以上繰り返して解法パターンを完璧に暗記することが最優先です。文系の場合は数学に割ける時間が限られるため効率的に得点源にできる確率やベクトルから固めていくことをおすすめします。
応用力を高める段階では文系の数学実践力向上編や標準問題精講を使用してください。これらの参考書は文系の入試頻出分野に特化しており無駄なく実力を伸ばせます。
東大や京大などの難関大学を目指す場合は文系数学の良問プラチカまで手を広げると万全です。
また文系数学では証明問題や論述問題の配点が高い大学も多いです。答案の書き方や論理展開の訓練も並行して行うことで得点率が安定します。
理系数学の大学受験対策におすすめの勉強法
理系数学では数学3の微積分が最重要分野になります。数学3は計算量が多く慣れるまで時間がかかるため早めに着手することが必要です。FocusGoldや青チャートの例題を使って基本的な計算力を徹底的に鍛えてください。
青チャートは問題数が多いため基礎問題精講で全体を固めてから苦手な部分だけ青チャートで補強する方法が効率的です。
基礎が固まったら理系数学の良問プラチカや大学への数学シリーズで難問に挑戦してください。理系の場合は初見の問題をどれだけ多く解いたかが実力の差になります。
特に東大や京大などの最難関大学を目指す場合は入試問題を解くための発想力を伸ばす解法のエウレカも有効です。ただしこの参考書は基礎問題精講を3周以上終えて解法パターンが身についている人だけが使うべきです。
また理系数学では複数分野の融合問題が頻出です。微積分とベクトルや確率と整数など異なる分野を組み合わせた問題に対応するため過去問演習を15年分以上解いて実戦力を養ってください。
大学受験対策のノートを使った数学の勉強法
結論から述べると、ノートを活用した数学の勉強法では、問題の解き方を自分の言葉で整理することが最も重要です。
数学のノートは単なる計算スペースではなく、解法のパターンを身につけるための学習ツールとして活用することで成績を大きく伸ばすことができます。
数学のノートを作る際には、まず参考書の例題を解いた後に、どのような考え方で解いたのかを自分の言葉でメモすることから始めましょう。このとき、式の変形だけを写すのではなく、なぜその解法を選んだのか、どこがポイントだったのかを言葉で説明できるようにすることが大切です。
特に間違えた問題については、どこで間違えたのか、正しい考え方は何だったのかを赤ペンで書き加えることで復習の効率が格段に上がります。
また、ノートを分野別に整理することも効果的な方法です。確率なら確率、微分積分なら微分積分というように、同じ分野の問題をまとめて管理することで、その分野特有の解法パターンが見えてきやすくなります。さらに、苦手な問題には付箋を貼っておくなどして、後から見返しやすくする工夫も重要です。
志望校別におすすめの大学受験の数学の勉強法
志望校別におすすめの大学受験の数学の勉強法を解説します。
東大志望の大学受験生におすすめの数学の勉強法
結論として、東大の数学で合格点を取るためには、標準レベルの問題を確実に解ける力と難問に対する粘り強い思考力の両方が求められます。東大数学の特徴は、単なる解法暗記では対応できない思考力を問う問題が出題されることです。
東大志望者は、まず基礎問題精講や青チャートを完璧にすることから始めましょう。
東大の問題は難しいと思われがちですが、実は標準的な解法をしっかり理解していれば部分点を積み重ねて合格点に到達できる試験です。そのため、最初の3ヶ月から4ヶ月は基礎固めに徹底的に時間をかけることが重要になります。
基礎が固まったら、標準問題精講や1対1対応の演習を使って、初見の問題に対する対応力を鍛えていきましょう。東大の数学は試験時間に対して問題数が多いため、どの解法を使うべきかを素早く判断する力が求められます。また、解法のエウレカなどを活用して、問題の本質を見抜く力を養うことも効果的です。
過去問演習は遅くとも試験の4ヶ月前から始めることをおすすめします。東大の数学は25年分以上解くことで、出題傾向や頻出分野が見えてきます。特に整数問題や確率、微分積分の応用問題は頻出なので、これらの分野については重点的に対策を行いましょう。
京大志望の大学受験生におすすめの数学の勉強法
結論から言うと、京大の数学では、問題の本質を見抜く洞察力とそれを論理的に記述する力が最も重視されます。
京大数学は東大と比べて問題数が少ない代わりに、1問1問の難易度が高く、深い思考力が求められる試験です。
京大志望者も基礎固めは東大と同様に重要ですが、その後の学習では特に記述力の養成に力を入れる必要があります。基礎問題精講を終えたら、できるだけ早い段階から標準問題精講やスタンダード演習に取り組み、答案の書き方を学んでいきましょう。京大の数学では、途中式を省略せずに論理的な流れを明確に示すことが高得点につながります。
また、京大の数学は整数問題や図形問題など、発想力を問う問題が多く出題される傾向があります。そのため、解法暗記だけでなく、なぜその解法を使うのかという本質的な理解を深めることが大切です。新数学演習や理系数学の良問プラチカなどの難易度の高い問題集にも積極的に取り組んでいきましょう。
過去問は最低でも15年分、できれば20年分以上解くことをおすすめします。京大の数学は年度によって難易度の差が大きいため、多くの年度を解くことで様々なタイプの問題に慣れておく必要があります。特に完答できなかった問題については、模範解答を読み込んで、どのような発想で解くべきだったのかを理解することが重要です。
早稲田大学志望の大学受験生におすすめの数学の勉強法
結論として、早稲田大学の数学は学部によって難易度や出題傾向が大きく異なるため、志望学部の過去問分析が合格への鍵となります。特に理工学部は難問が多い一方で、商学部や社会科学部は標準的な問題が中心となっています。
早稲田志望者は、まず黄色チャートか基礎問題精講を使って基礎を固めることから始めましょう。早稲田の数学で合格点を取るためには、標準レベルの問題を確実に得点することが最も重要です。特に計算ミスをしないように、日頃から途中式を丁寧に書く習慣をつけることが大切です。
基礎が固まったら、文系数学の実践力向上編や標準問題精講を使って演習を重ねていきましょう。早稲田の数学は時間に対して問題量が多いため、素早く正確に解く力が求められます。そのため、制限時間を意識しながら問題を解く練習を積むことが効果的です。
過去問は志望学部のものを最低10年分、できれば15年分解くことをおすすめします。早稲田は学部ごとに出題傾向が異なるため、自分の志望学部の頻出分野を把握することが合格への近道です。また、併願する他学部の過去問も解いておくことで、様々なタイプの問題に対応できる力がつきます。
慶應義塾大学志望の大学受験生におすすめの数学の勉強法
結論から述べると、慶應義塾大学の数学は学部による難易度差が非常に大きく、医学部や理工学部は最難関レベル、経済学部や商学部は標準からやや難レベルとなっています。そのため、志望学部に合わせた適切な対策が必要です。
慶應志望者も基礎固めとして、まず基礎問題精講や黄色チャートを完璧にすることから始めましょう。特に慶應の数学は誘導が少ない問題が多いため、自分で解法を組み立てる力が求められます。基礎的な解法のパターンをしっかり身につけておくことが、応用問題を解く際の土台となります。
理工学部や医学部を目指す場合は、標準問題精講を終えた後に理系数学の良問プラチカなどの難易度の高い問題集にも取り組む必要があります。これらの学部では、難問でも部分点を積み重ねて合格点を確保することが重要になります。一方、経済学部や商学部を目指す場合は、標準問題精講レベルまでを完璧にすることに集中しましょう。
過去問演習は遅くとも試験の3ヶ月前から始めることをおすすめします。慶應は学部によって出題形式が大きく異なり、マークシート方式の学部もあれば記述式の学部もあります。そのため、志望学部の形式に慣れておくことが非常に重要です。最低でも10年分は解いて、時間配分や解く順番などの戦略を立てておきましょう。
数学の大学受験対策におすすめの参考書
数学の大学受験対策におすすめの参考書を解説します。
Focus Gold
Focus Goldは数学の基礎から応用まで幅広くカバーしている網羅系参考書です。この参考書の最大の強みは解説の詳しさにあり、独学で数学を進めていきたい受験生には特におすすめできる一冊となっています。学校の参考書の解説がわかりづらいと感じている人は、Focus Goldに切り替えることで理解がスムーズに進むでしょう。
Focus Goldは問題数が豊富であるため、基礎的な解法のレパートリーを増やしていく段階で非常に役立ちます。ただし収録されている問題が多いので、全ての問題を解くのではなく、苦手な単元を中心に取り組むという使い方も有効です。この参考書を3周以上繰り返すことで、見た瞬間に解法が思いつく状態まで持っていくことができます。
青チャート
青チャートは数学の参考書の中でも特に有名で、多くの受験生に支持されている定番の一冊です。この参考書は基礎から応用まで幅広い難易度の問題が収録されており、入試で必要な解法を一通り学ぶことができます。ただし青チャートは収録されている問題数が非常に多いため、全ての問題を完璧にするには相当な時間が必要になります。
そのため青チャートを使う際には、基礎問題精講などの別の参考書で基礎を固めた後、苦手なセクションだけを青チャートで補強するという使い方がおすすめです。青チャートを一冊完璧にできれば難関大学の入試にも対応できる力がつきますが、量が多すぎて挫折してしまう受験生も少なくありません。自分の残り時間と相談しながら、計画的に取り組むことが大切です。
基礎問題精講
基礎問題精講は数学の基礎を固めるのに最適な参考書で、解説が非常にわかりやすいことが最大の特徴です。この参考書は問題数が厳選されており、青チャートやFocus Goldと比べて取り組みやすい分量となっています。数学が苦手な人や、効率よく基礎を固めたい人には特におすすめできる一冊です。
基礎問題精講を使う際のポイントは、最低でも3周は繰り返し解くことです。1周目は解けることにこだわらず、解法をしっかり理解することに集中し、2周目以降で何も見ずに解けるようにしていきます。この参考書を完璧にできたかどうかが、その後の数学の偏差値の伸びに大きく影響してくるため、丁寧に取り組むことが重要です。
文系数学のプラチカ
文系数学のプラチカは応用力を強化するための問題集で、基礎が固まった後に取り組むべき一冊です。この問題集は入試レベルの初見問題が豊富に収録されており、どの解法を使うべきかの判断力を鍛えることができます。
基礎問題精講や青チャートで解法のレパートリーを増やした後に、プラチカで実戦力を磨いていくという流れがおすすめです。
ただしプラチカが必要かどうかは、残りの勉強期間や志望校のレベルによって変わってきます。早慶以下のレベルを目指す場合は、プラチカに取り組む時間があれば過去問演習に時間を使った方が効率的な場合もあります。自分の現在の実力と志望校までの距離を考えて、プラチカに取り組むかどうかを判断することが大切です。
解法のエウレカ
解法のエウレカは数学の問題を解くための発想力を伸ばすことに特化した参考書です。この参考書は単に解法を暗記するのではなく、問題を見たときにどのように考えればよいのかという思考プロセスを学ぶことができます。
ただし解法のエウレカは基礎が完璧に固まった人だけが使うべき参考書であり、基礎問題精講や青チャートを3周以上取り組んでいることが前提となります。
解法のレパートリーがない状態で考え方だけを身につけても意味がないため、まずは基礎的な解法を見た瞬間に思いつく状態にすることが先決です。基礎が固まった後に解法のエウレカで発想力を鍛えることで、初見の難しい問題にも対応できる力がつきます。時間に余裕がある人や、さらに上のレベルを目指したい人にはおすすめの一冊です。
▽大学受験対策のおすすめの数学の参考書ルート

期間別におすすめの大学受験対策の数学の勉強法
期間別におすすめの大学受験対策の数学の勉強法を解説します。
夏休みにおすすめの大学受験対策の数学の勉強法
夏休みは数学の基礎力を徹底的に固める最適な期間です。
この時期は1日3時間から4時間程度の学習時間を確保できるため、苦手分野の克服と解法パターンの習得に集中することができます。
特に重要なのは教科書レベルの基本問題から標準レベルの例題まで確実に解けるようにすることです。
夏休み前半では数学1A2Bの全範囲について基礎的な解法を習得していきます。学校で配布されている参考書や黄色チャート、基礎問題精講などを使って例題レベルの問題を繰り返し解くことが効果的です。
解説を読んでも理解できない場合は映像授業を活用して理解を深めることをおすすめします。
夏休み後半では前半で学んだ解法の定着度を高める反復練習に取り組みます。 1周目で理解した内容を2周目では何も見ずに解けるかどうか確認し、解けなかった問題には印をつけて3周目で重点的に復習します。
この時期に基礎を固めておくことが秋以降の成績向上につながります。
冬休みにおすすめの大学受験対策の数学の勉強法
冬休みは受験直前期であり過去問演習と弱点補強に集中する時期です。この段階では基礎的な解法はすでに身についているはずなので、志望校の出題傾向に合わせた実践的な演習を重ねていきます。特に冬休みの2週間は集中的に過去問に取り組める貴重な期間となります。
冬休み前半では志望校の過去問を5年分から10年分解いて出題傾向を分析します。頻出分野を把握することで残りの期間でどの単元を重点的に学習すべきか明確になります。また過去問を解く中で自分の苦手な問題パターンを発見し、その分野の参考書に戻って復習することも重要です。
冬休み後半では時間配分の練習と苦手分野の最終確認を行います。本番と同じ時間設定で過去問を解き、どの問題にどれだけ時間をかけるべきか体感的に理解することが大切です。
また解けなかった問題については解法のポイントをノートにまとめて試験直前まで見返せるようにしておきます。
定期テスト対策におすすめの数学の勉強法
定期テスト対策におすすめの数学の勉強法を解説します。
定期テストの2週間前になったら、数学の試験対策をスタートさせる時期です。まず最初に取り組むべきことは、試験に出る範囲全体をしっかり把握することになります。授業で使ったノートや配布されたプリント類を丁寧に見返して、どの分野から問題が出されるのかをはっきりさせておきましょう。
自分が苦手だと感じている単元をリストアップして、どこから優先的に復習を進めていくべきかを決めておくことが大切です。数学の定期テスト対策において最も重要な方針は、教科書や学校教材に載っている例題をすべて解けるようにすることです。もし解けなかった例題があれば、参考書を活用して理解できるまで取り組む必要があります。
定期テストで思うように点数が伸びない受験生の多くは、解説を読んでもよく分からないまま放置してしまっているケースが目立ちます。授業中に先生が説明していた考え方の流れを自分で再現できるように、やさしい高校数学や入門問題精講といった教材を使って思考プロセスを整理していきましょう。
学校で配られた教材で行き詰まってしまった箇所については、教科書ガイドやFocus Goldのような詳しい解説が載っている参考書で補うとよいでしょう。どうしても理解が難しい単元に関しては、try itやスタディサプリなどの映像授業を活用して短時間で確認することをおすすめします。
分からない部分はその日のうちに必ず理解を完成させることを心がけてください。この時期の1日あたりの数学の学習時間は60分から90分程度を目安に設定するとよいでしょう。前半の時間では公式や定理の意味を自分の言葉で説明できるレベルまで深く理解し、後半では学校ワークの基本問題を丁寧に解いていきます。
途中の計算式を省略せずにしっかり書き残して、ミスをした原因をノートにメモしておくと同じ間違いを繰り返さずに済みます。この段階で試験範囲の7割程度を理解しておくことができれば、後半の問題演習にゆとりを持って取り組むことができます。
テストまで1週間となったら、理解した内容を実際の得点につなげていく段階に入ります。ここでは解けない問題をゼロにすることと、応用問題や類似問題にもチャレンジすることの2つを柱として意識してください。
最初のステップとして、1回目で間違えてしまった例題を解説を見ずにもう一度解き直していきます。どの部分で迷ってしまったのか、なぜその公式を選ぶことができなかったのかを自分なりの言葉で分析して、ミスの原因をはっきりさせましょう。
同じ問題を何度も繰り返し解くことで、解き方を反射的に思い出せるレベルまで定着させることが重要です。2回以上間違えた問題には目印をつけておいて、試験直前に見直すための解き直しノートを作成しておくと効果的に復習できます。
解き直しノートには間違えた問題の解法を自分なりの表現でまとめておくと、後から見返したときに理解しやすくなります。試験範囲の例題がスムーズに解けるようになってきたら、章末に載っている問題や類似問題に範囲を広げて練習していきましょう。
同じ範囲の問題でも出題の形式が変わった新しい問題に対して、学んだ解法の手順を当てはめていくことで応用力が身についていきます。この時期までに教科書に掲載されている試験範囲の例題を2周以上終わらせておくことができれば、出題されるパターンをほぼすべて網羅できて、本番の試験でも自信を持って臨むことができます。
学年別に高校生におすすめの数学の勉強法
学年別に高校生におすすめの数学の勉強法を解説します。
高校3年生におすすめの数学の勉強法
高校3年生は受験本番まで残り時間が限られているため効率的な学習計画が必要です。春から夏にかけては基礎固めと解法パターンの習得、秋からは応用問題演習と過去問対策という流れで進めていきます。特に4月から8月までの5ヶ月間でどれだけ基礎を固められるかが合否を分けるポイントとなります。
4月から6月は基礎問題精講やフォーカスゴールドを使って例題レベルの解法を完璧に習得します。この時期は解ける問題数を増やすことよりも1問1問の解法を確実に理解することを優先します。自分の言葉で解法のポイントをメモにまとめながら進めることで記憶に定着しやすくなります。
7月から9月は標準問題精講や文系数学の実践力向上編を使って初見問題への対応力を養います。問題文を読んでどの解法を使うべきか判断する訓練を重ねることで応用力が身につきます。10月以降は過去問演習を中心に志望校の出題傾向に特化した対策を進めていきます。
高校2年生におすすめの数学の勉強法
高校2年生は受験勉強の基礎を築く最も重要な時期です。この学年では焦らずに数学1A2Bの全範囲を丁寧に学習し、基本的な解法パターンを確実に身につけることが目標となります。
定期テストと並行しながら受験に向けた準備を進めていくバランス感覚が求められます。
学校の授業進度に合わせながら教科書の例題と章末問題を確実に解けるようにします。
授業で理解できなかった部分は放置せずにその日のうちに映像授業や参考書で復習することが大切です。また定期テスト前には試験範囲の問題を最低3回は解き直して完全に理解した状態にします。
夏休みや春休みなどの長期休暇は受験用の参考書に取り組む絶好の機会です。
基礎問題精講や黄色チャートの例題を1日5問から10問程度のペースで進めていきます。この時期に数学1Aの全範囲を一通り終わらせることができれば高校3年生になってから大きなアドバンテージとなります。
高校1年生におすすめの数学の勉強法
高校1年生は中学数学から高校数学への移行期間であり学習習慣の確立が最優先です。この時期は受験を意識しすぎずに目の前の授業内容を確実に理解することに集中します。特に数学1Aの基礎をしっかり固めることが今後の数学学習全体の土台となります。
日々の授業では先生の説明をよく聞いてノートをとり、その日のうちに教科書の問題を解いて理解度を確認します。わからない問題があれば翌日すぐに先生や友達に質問して疑問を残さないことが重要です。また定期テストでは平均点プラス20点以上を目標に設定して基礎力の定着を図ります。
長期休暇には苦手分野の復習と予習を組み合わせて進めます。特に数学1の二次関数や数学Aの場合の数と確率は多くの生徒がつまずきやすい単元なので時間をかけて丁寧に学習します。はじめから始める数学シリーズのような解説が詳しい参考書を使うことで独学でも理解を深めることができます。
まとめ
数学の大学受験対策におすすめの勉強法を解説しました。全体の要点まとめは下記になります。

