山ゆり幼稚園が大切にする“心の根っこ”の育ち
東京都町田市の閑静な住宅街に佇む「山ゆり幼稚園」は、地域に根ざしながら、子ども一人ひとりの心に寄り添うあたたかな保育を行っています。大切にしているのは、「心の根っこ(非認知能力)を育てる」という理念。
見た目の成長や結果よりも、子どもたちの内側にある「自分らしさ」や「生きる力」をじっくりと育んでいく──そんな教育を続けてきました。
「見えない力」こそが人生の土台になる
幼児教育において、学力やスキルといった“目に見える成長”はもちろん重要ですが、私たちがもっとも大切にしているのは「非認知能力」と呼ばれる、心の成長です。
たとえば、困ったときに助けを求められる力、自分の気持ちを伝える力、人と違っても自分を信じる力──そうした力は、人生のあらゆる場面で支えになってくれます。
この力は、一朝一夕には身につきません。だからこそ、日々の生活の中で、丁寧に、時間をかけて育てていく必要があるのです。
私たちは、子どもたちの小さなつぶやきにも耳を傾け、「その子らしい芽」が伸びていくよう、寄り添い続けています。
家庭的であたたかな空気が子どもの挑戦を支える
園全体に流れているのは、どこかほっとするような、家庭のような温もりです。園児は90名ほどと少人数で、一人ひとりの個性や変化を見逃すことなく、きめ細やかな関わりができる環境があります。
3年前に私が園長として着任してからも、この雰囲気は何より大切に守ってきました。
子どもにとって、安心できる大人がいることは、何よりの土台です。
「失敗してもいい」「挑戦してみよう」と思えるのは、心が安定しているからこそ。
大人の目を気にして正解を探すのではなく、子どもたち自身が心から「やってみたい」と思えるような場を、私たちは日々つくっています。
五感で学ぶ「本物体験」が、人生の原体験になる
子どもたちは、体験を通じて世界を学びます。当園ではさつまいも掘りにでかけたり、自然の中で昆虫を探したり、様々なその道のプロのパフォーマンスを見たり、といった「本物体験」を積極的に取り入れています。
私たちは、その経験がその子の「生きる力」になっていくと信じています。
大人になってからもきっと、心のどこかでその体験が息づいてくれる。そう思いながら、日々の保育に取り組んでいます。
未就園児も安心して関われるあたたかいプログラム
初めての集団生活は、保護者の方にとってもお子さまにとっても、不安がつきものです。そこで、山ゆり幼稚園では未就園児向けにさまざまな取り組みを行っています。
たとえば、園では定期的に親子参加イベント「親子DE遊ぼう」を行っています。
また、0〜3歳の親子が自由に遊べる「たまご広場(室内開放)」や「園庭開放」では、予約不要で園の雰囲気を気軽に体験できます。
「ピヨピヨ教室」では、週1~2回の通園を通じて、少しずつ集団生活に慣れていけるよう工夫しています。
「園の雰囲気がすごく自然で、先生方がみんな子どもに目を配ってくれているので安心しました」というお声をよくいただきます。無理なく、少しずつ。
「幼稚園って楽しい」と子ども自身が思えるようになるまで、私たちは一緒に歩んでいきます。
一人ひとりの「今」と「これから」に向き合う
私たちの保育のゴールは、「いい子」を育てることではありません。「その子がその子らしく、幸せに生きていけること」。それが、私たちの願いです。
園で過ごす数年間は、決して長くはありません。でも、その中でたくさんの出会いと経験があり、心が大きく成長していく姿を、何人もの子どもたちを通して見てきました。
これからも私たちは、一人ひとりの「今」にしっかりと向き合いながら、「これから」へとつながる学びを支えていきます。