「失敗を恐れず挑戦できる環境で生徒の潜在能力を開花させる」茨城県立竹園高等学校の教育への取り組み

「自律・進取・友愛」を教育理念に掲げ、生徒の主体性を重視した教育を実践している茨城県立竹園高等学校。

つくばという恵まれた立地を活かし、生徒たちが互いに刺激し合いながら成長できる環境を提供しています。

主体性を育みながら、新しいことへの挑戦をサポートする同校の取り組みについて、中島 達也先生にお話を伺いました。

教育理念と学校の特色

ー御校の教育理念や特色について教えていただけますか?

中島先生:本校は「自律・進取・友愛」という校訓を掲げ、生徒の自律を重視し、主体的に活動できるような場を意識して用意しています。

つくばという立地もあり、ポテンシャルの高い生徒さんが多く入学される状況がありますので、それをきちんと伸ばしてあげられるよう意識しています。

多くの生徒が大学進学を前提に入学してくるため、進学指導における学力の伸長と自身の適性を知るといったキャリア教育を両輪として支援を行っています。

生徒に身につけてほしい力

ー生徒の皆様にはどのような力を身につけてほしいとお考えですか?

中島先生:この社会の担い手、より良い社会の作り手になってほしいという想いがあります。

そのために、国際性やコミュニケーション能力とともに、自分を知り他者を知ることによって多角的な知見を持って問題解決が図れる力を身につけられるように指導しています。

受験指導の基本方針と進路実現への支援

ー御校の受験指導の基本的なお考えについてお聞かせください。

中島先生:年内入試も増えてきている中で、探究活動では総合型選抜などに結びつけられるような要素を増やしていきたい気持ちがあります。

しかし、基本的には学力、つまり一般入試に対応できるような力を伸長していくことです。

具体的にはまず基幹教科である国数英の3教科に力を入れ、そのうえで理社を充実させて入試に臨んでいく形式をとっています。

なお、本校では積極的に授業改善に取り組んでおり、本校の授業のみで十分に難関大学の希望を実現できるようなカリキュラムが用意されています。

ー受験期の生徒さん達の成長をどのように支援されていますか?

中島先生:本校では面談にかなり力を入れて実施しています。

担任との面談がメインになりますが、年間の行事予定にも面談週間があり、授業を5分短縮して、放課後の時間帯に面談を充実させられるような期間を年3回設けています。

もちろんその期間外にも面談は行われますので、中には、担任との面談が年間7、8回以上になる生徒もおります。

このように面談を通して生徒の現状を理解し、適切なアドバイス・助言ができるよう、生徒の状況を把握しながらサポートする取り組みが全校で共有されています。

ー生徒さん一人一人の進路希望にどのように対応されていますか?

中島先生:面談の中で、生徒を含めた個々のご家庭のニーズをしっかり汲み取って、最適な支援、提案をしています。

生徒の希望をいかに実現できるかが大切だと思いますので、それをきちんと把握して指導しています。

学習指導以外で重視していることとメンタルケア

ー学習指導以外で特に重視していることはありますか?

中島先生:文化祭や体育行事では、生徒たちに可能な限り任せ、主体的に行事を運営するようにしています。

エラーアンドラーンを繰り返しながらにはなりますが、社会に出た時にその経験が活かせるよう、良い意味で生徒に委ねることを意識しています。

ー受験期には特有の不安やストレスを感じる生徒さんもいらっしゃるかと思います。ケアで工夫されていることはありますか?

中島先生:受験期にメンタルが辛くなってしまう生徒も少なからずおりますので、担任に限らず、学年団で話を聞いたり、スクールカウンセラーの協力を得ることもあります。

とにかく1人ではなく、皆で受験に向かうという集団化を意識しています。

1人では不安になって難しいことも、みんなでやろうという意識付けによって、多少は緩和される部分があると感じています。

探究活動の充実

ー御校の取り組みで、最近変化したことはありますか?

中島先生:探究活動は本校でも以前から取り組んでいたのですが、進路に結び付けられた生徒は限られていました。

全ての生徒が探究活動を通じて、自分の適性や志望するに対する興味関心を高め、受験のモチベーションに繋げてほしいと考えています。

そのために探究活動を一つの柱として、進路実現を図る取り組みを始めました。

以前は探究と進路を別々のものとしていたのですが、これらを一体化させて、共に高め、充実させていこうという形を近年は意識しています。

そのために3年間でどの時期にどのような活動を体験し、どのような力を身につけていくことで、高校で学んだ後にどのような進路を目指すのかを示した進路マップを作成しています。

今後の展望

ー今後、本校がどのような展望を想定されていらっしゃるか教えていただけますか?

中島先生:もちろん数字が全てではないのですが、3月に卒業した卒業生の進路実績は、例年に比べて、良い結果でした。

このように本校が進路実現をしっかり図れる学校であるという魅力をアピールできるよう、継続的に取り組みたいと考えています。

入学希望者・保護者の方々へのメッセージ

ー入学を希望されている方々にメッセージをお願いできますでしょうか?

中島先生:本校は様々なことに果敢に挑戦し、失敗しながら学んでいけるような、環境や風土がある学校だと思います。

意欲をもって行動力を発揮することで、自身の潜在的な力を開花させられる学校です。

また、本校は県内で唯一国際科がある学校で、他校と比較しても英語教育に力を入れております。

本校独自の英語プログラム「ACEプログラム」では、英語による思考力・表現力・コミュニケーション力を伸ばすこともできます。

ぜひ、高い意欲を持った生徒さんに挑戦していただきたいと思います。