山口県桜ケ丘高等学校「人生は芸術なり」の教訓を体現する教育現場のいま

山口県桜ケ丘高等学校

山口県桜ケ丘高等学校では”人生を真っ白なキャンバス”と捉え、個性を大切にする教育方針が、多様な進路・表現を可能にしています。熊安校長に、同校ならではの特徴や教育ビジョンを伺いました。

建学の精神と校訓「人生は芸術なり」に込められた想い

熊安:本校の創始者である山縣源四郎先生は、「学ぶ意志あるもの来たれ」という建学の精神のもと、女子教育の充実を掲げて桜ケ丘高校を創設されました。そして校訓として掲げているのが、「人生は芸術なり」という言葉です。

これは、生徒一人ひとりの人生を真っ白なキャンバスにたとえ、それぞれが自分の絵を描いていってほしいという願いを込めたものです。実際に校長室には山口県出身の元総理大臣・岸信介氏から贈られたこの言葉を記した額が飾られています。そのご縁もあり、昨年には岸氏のひ孫である岸信千世先生が来校され、写真を撮られました。

この校訓は、校内でも大切にされており、体育館などに掲げられています。

生徒の多様性を支える4つのコース制

熊安:本校では、個々の人生を描けるように、4つのコースを設置しています。
具体的には、中高一貫の「晃英館コース」、高校から大学進学を目指す「特進コース」、部活動と両立しながら大学進学を目指す「進学コース」、そしてキャリア系や実業系まで幅広く学べる「創学コース」があります。

特に創学コースでは、以下のような多様な分野を選択できます。

  • キャリア系:専門学校・短大進学や就職を目指しながら、社会人基礎力を育成。
  • アーティスト系:ダンス、絵画、楽器演奏、合唱の4分野に分かれ、ダンスはプロ講師による実技指導。
  • 商業系:簿記などの資格取得を通じて、進学・就職の両方に対応。
  • 電気系:電気工事士への合格を目指しながら、進学・就職の両方に対応。

このように、生徒一人ひとりの適性や将来の目標に合わせて柔軟に学べる環境を整えております。

実践的な英語力と異文化理解を育むグローバル教育

ーグローバル教育にも力を入れているとのことですが、具体的な取り組みを教えてください。

熊安:本校では、オーストラリアにある「キャセドラル学園」との姉妹校提携を通じて、ホームステイ受け入れや異文化交流の機会を設けています。

ホストファミリーとしての経験をきっかけに、生徒同士がSNSなどで英語でコミュニケーションを続けることもあり、そのまま英語関連の進路に進むケースもあります。

また、「晃英館コース」「特進コース」では、ネイティブスピーカーとのオンライン英会話を行っています。中高一貫の「晃英館コース」では週39時間の授業時間を確保しており、ネイティブによる英語授業の比率も高くなっています。

私自身も英語の教員ですので、特に英語教育には力を入れており、英語を実践的に学べる環境を重視しています。

地元と世界、どちらの進路にも対応できるキャリア教育

ー進学だけでなく、地元就職も視野に入れた教育をされているのが印象的でした。

熊安:はい。現在、多様な生徒が入学しており、進学と就職、どちらの道にも対応できるようにしています。大学進学に向けた指導はもちろんですが、地元企業への就職にも力を入れています。
求人担当の教員が各企業を訪問し、求人開拓に取り組んでいます。その成果もあり、内定率は100%を誇っています。

地域に根差し、山口で活躍する人材を育てたいという思いで、今後も就職支援を強化していきたいと考えています。

校長先生からのメッセージ

熊安:本校の校訓「人生は芸術なり」には、一人ひとりが自分色の人生を描いていってほしいという願いが込められています。桜ケ丘高校での学びが、その第一歩となることを心から願っています。

自分の可能性を信じて、一緒に未来を描いていきましょう。