岐阜県の豊かな自然に囲まれた麗澤瑞浪中学・高等学校。
ドーム60個分という広大なキャンパスの中で道徳教育を基盤としながら、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことを目指しています。
2026年度からは新たなコースを設置し、さらなる教育の深化を図る同校について、教頭の松本兼太朗先生に、教育理念や将来展望まで詳しくお話を伺いました。
道徳教育を基盤とした人材育成の理念

ー麗澤瑞浪中学・高等学校の教育理念と特色についてお聞かせください。
松本先生:世界人類の安心・平和・幸福の実現に寄与できる人材を輩出することが、私たちの大きな理念です。
そのために、まずは人格形成を重視し、そこに現代の知識や科学技術を重ねることで、社会で活躍できる力を育てています。
特に中高6年間を通じた系統的な道徳教育により、価値判断の基準を築いていくことを目指しています。
自己成長と他者への共感を育む教育
ー生徒の皆さんにはどのような力を身につけてほしいとお考えでしょうか?
松本先生:最も重視しているのは、自分を見つめる力です。
本校の校長がよく使う「自己ベストの更新」という言葉のように、誰かと比較するのではなく、昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分というように、自分自身の成長にスポットを当てられるように働きかけを行っています。
また、他者の痛みに心を寄せることのできる感性を大切にする校風があります。
本校の創立者が近江商人に先んじて「三方よし」という言葉を使い始めたとされており、「自分・相手・社会」それぞれにとって良い選択ができる生徒に育ってほしいと願っています。
見守る姿勢と密接な関係づくり

ー生徒さんの成長を支援するために意識されていることはありますか?
松本先生:基本方針として、生徒の判断を尊重し、教員が介入するのは必要最小限にとどめるよう努めています。
もちろん、学習上の課題や緊急性の高い生活上の課題には迅速に対応しますが、日頃から生徒の主体性を重視しています。
休み時間には特に用事がなくても生徒が職員室に来て雑談をするような、自然で心理的距離の近い関係が本校の特徴の一つです。
このような関係づくりや雰囲気づくりが、生徒の成長を支える重要な要素となっていると考えています。
きめ細やかな進路指導と高い進学実績
ー生徒さん一人一人の進路希望にどのように対応されていますか?
松本先生:原則として、担任が一人ひとりと面談を重ね、生徒の適性や希望を踏まえた丁寧な指導を心がけています。
高校では選抜クラスと進学クラスの2つのクラスを設けています。選抜クラスは一般受験に向けた指導を行いつつ、最後まで悔いのない受験生活が送れるよう支援しています。
もちろん合格の可能性も考慮しますが、生徒が挑戦したい大学があれば、それを学校全体で積極的に後押しする校風があります。
進学クラスでは総合型選抜や学校推薦型選抜を中心に据えた指導を行っています。
特に総合型選抜では、昨年度は60%超、一昨年度は75%という高い合格率を達成しており、中高6年間で培った力が大学からも高く評価されていると実感しています。
合わせて1学年100名程度の規模に対して約800名分もの指定校推薦枠をいただいており、生徒の選択肢を広げる一助となっています。
生徒のモチベーション維持と学校生活
ー生徒さんの学校生活のモチベーション維持のために特に意識されていることはありますか?
松本先生:日々の小さな成功体験を大切にし、前向きな声掛けを行うことです。
また、学校内でできるだけ多くの場所に居場所が作れるよう配慮しています。
どうしても学校は「勉強する場所」となりがちなので、勉強の成績が居心地の良し悪しに直結しがちです。
もちろんそこに居場所のある生徒さんはそこで大いに能力を発揮してもらえたら良いですが、そうではない生徒さんにも寮や部活動、課外活動など、安心して過ごせる場所、時間を提供することを心がけています。
近年、学校の広報活動に、希望する生徒さんにもスタッフとして参画してもらうようにしていますが、スタッフとして大活躍していた生徒さんが、勉強のほうでも結果が出始めた、などという事例もあります。
特に新入生については、入学前にしっかりと下調べをしてから受験を決めてくださる方が多い印象です。
入学前から本校を強く志望していらっしゃるので、入学後は自然に学校生活に馴染み、生き生きとした様子を見せてくれています。
保護者との密接な連携
ー保護者の方との連携について工夫されていることはありますでしょうか?
松本先生:特別な工夫はありませんが、とにかくご家庭と連絡を密にとることを心がけています。
特に全校生徒の約半数が寮生ですので、日々の出来事や心配な点、良いことも悪いこともできる限りこまめに連絡を入れて共有するようにしています。
やはりお子さんの成長には、保護者と学校とが同じ方向を向くことがもっとも肝要ですので、学校の方針を理解していただいたり、保護者の想いを汲み取ったりすることには特に力を入れるようにしています。
新たな挑戦

ー今後どのような展望をお持ちでしょうか?
松本先生:2026年度から高等学校で「アントレプレナーシップコース」を新設します。
これは、誰かの困りごとに寄り添い、その解決のために一歩を踏み出したい生徒を支援するためのコースです。
必修単位を必要最小限にとどめ、約30単位分を生徒が自由に設計できる学びの時間に充てます。
また、3年間で100人の社会人との対話の機会を設け、実践的な学びを重視しています。
全寮制で、夜間も含めた深い対話や協働を促す環境も整備する予定です。
もともと学校全体としても、自分の強みや良さを生かして、他者のために一歩踏み出す勇気を持つ生徒をより多く育てていきたいと考えて教育活動に取り組んできました。
今回のコースは、その教育理念の進化版のようなイメージです。
入学検討者へのメッセージ
松本先生:本校は岐阜県の緑豊かな環境の中に位置し、ドーム60個分という広大なキャンパスで、のびのびとした学校生活を送ることができます。
生徒一人ひとりの可能性に寄り添いながら、その成長を支えることが私たちの強みです。
かなえたい夢がある人、一緒にかなえましょう。かなえたい夢がまだない人、一緒に探しましょう。
自分の持つ能力をだれかの笑顔のために役立てたい、と考えている人には本校の理念や雰囲気はぴったりマッチするはずです。ぜひ一度、キャンパスまで足をお運びください。