50年の歴史を持つ「梶山モンテッソーリスクール」が実践する、子どもの可能性を最大限に引き出す教育

日本にモンテッソーリ教育を初めて紹介した先駆者の意志を受け継ぎ、50年以上にわたって純粋なモンテッソーリ教育を実践してきた梶山モンテッソーリスクール。

AMI(国際モンテッソーリ協会)の理念に基づき、子どもたちの自主性を重んじながら、確かな成長を支援しています。

約500人以上の卒業生を送り出してきた同スクールの特徴や理念について、園長の河田 敏子さんにお話を伺いました。

教室概要

ー スクールの概要について教えてください。

河田さん:0歳から6歳までのお子様を対象に、年齢によって2つのクラスに分かれて活動しています。

7か月から1歳6ヶ月までのNidoクラスではお母様と一緒に活動を行い、1歳6ヶ月から3歳までのインファント・コミュニティクラスでは母子分離での活動となります。

3歳~6歳までのプライマリークラスでは、これまでの日常生活の練習に加え、感覚教育・言語教育・数教育・文化教育と活動の領域が増えていきます。

設立の経緯とモンテッソーリ教育との出会い

ー このスクールを始められたきっかけについて教えていただけますでしょうか?

河田さん:当スクールは50年の歴史があり、私は5年前に創立者から引き継ぎ、園長を務めています。

そもそもの創立者である川村洋子先生は、日本で最初にモンテッソーリ教育を紹介した鼓常良先生の長女であり、その精神を引継ぎました。

鼓先生はドイツ文学者でしたが、牧師さんから保育園の運営を引き継いでほしいと依頼されたことがきっかけとなり、モンテッソーリ教育と出会いました。

戦後の日本の再建には幼児教育が重要だと考え、イタリア語からドイツ語に翻訳されたマリア・モンテッソーリの著書3冊を日本語に翻訳し、日本モンテッソーリ協会の設立にも携わりました。

特徴とアピールポイント

ー このスクールの特徴やアピールポイントについて教えていただけますか?

河田さん:最大の特徴は、純粋にモンテッソーリ教育を実践していることです。

子どもたちが登園してから降園するまで、すべての活動がモンテッソーリ教育に基づいています。

特に、子どもたちが自分の精神を作り上げるための「おしごと」の時間を3時間確保していることは、他の園にはない特徴です。

モンテッソーリ教育には5つの分野があり、その中でも日常生活の練習を重視し、基礎としています。

服を着る、手を洗う、物を運ぶ、水を注ぐなどの基本的な活動から、包丁でキャベツを切る、アイロンをかける、縫い物をするなど、より発展的な活動まで、子どもたちは自分の手と体を使って様々な「おしごと」に取り組み、秩序を身につけていきます。

子どもに接する際に意識していること

ー お子さんたちと接する際に大切にしていることや意識していることについて教えてください。

河田さん:最も大切にしているのは、子どもを尊重し、邪魔をしないことです。

環境は子どもにとって最善となるよう整え、子どもが迷わずに活動できるような仕組みを用意します。

否定や訂正はせず、特に子どもが集中している時は絶対に声をかけません。

子どもが困っている様子が見られた時は、どこで躓いているのかをしっかりと観察し、必要最小限のサポートを提供します。

無理に活動を続けさせるのではなく、子ども自身が「自分でやれた」「楽しかった」という満足感を得られるように援助することを心がけています。

コースや料金体系について

ー 提供されている授業内容について教えていただけますでしょうか?

河田さん:主に1歳半からのインファント・コミュニティクラスと3歳からのプライマリークラス(共に母子分離)を中心に運営しております。

また、それ以外にも体験クラスを定期的に開催しています。

料金等は、子どもの年齢やクラス、また個々によって異なりますので、見学や体験にいらしていただき、ご確認ください。

子どもの内なるニーズに合わせた環境の中、子どもの自由な自己選択と教師の提供により、活動が子どもを集中へと導きます。

一人でできることの喜びを知り、それを積み重ねていき、子どもは自律と社会性を育みますので、ぜひとも、一度モンテッソーリ教育の体験クラスに足を運んでいただければ幸いです。

今後のビジョンと展望

ー 今後強化されたい点や、新たに取り組んでみたいとお考えのことはありますか?

河田さん:時代とともに保護者の方々のニーズも変化してきています。

特に、働くお母様方にとって利用しやすい環境づくりが課題です。

時間の延長や、お弁当の準備、送迎の問題など、現状では保護者の方々にご負担をおかけしている部分も多くありますが、モンテッソーリ教育で育てたいという熱心な保護者の方々に支えられています。

立地的な課題もありますが、教育内容の質を保ちながら、より多くの方々に利用していただけるような仕組みづくりを目指しています。

記事を読んでいる方へのメッセージ

ー スクールに興味をお持ちの保護者様へメッセージをお願いできますでしょうか?

河田さん:これまでに500人ほどの卒業生を送り出してきましたが、成人された卒業生やその保護者の方々からお話を伺うと、皆さんがしっかりと自分で考えて人生を歩んでおられます。

モンテッソーリ教育は天才を育てる教育ではありませんが、子どもたち一人ひとりが持っている能力を最大限に活かし、自分で選択して困難を乗り越えていける力を育みます。

私たちは小学校入学のための準備教育ではなく、長い人生において自分で責任を持って判断し、行動できる人に育ってほしいと考えています。

モンテッソーリ教育は、人格形成において非常に有効であり、ひいては世界平和につながる教育方法だと確信を持って実践しています。