音楽を特別なものではなく、生活の一部として楽しむウィーンの文化に感銘を受け、日本でもそんな環境を作りたいという想いで音楽教室を開設した新弥生さん。
幼児から大人まで幅広い年齢層を対象に、バイオリンやピアノなど多彩な音楽教育を提供しています。
世界的な演奏家も絶賛する音楽ホールを併設し、プロの演奏家によるコンサートも定期的に開催される同教室の特徴や想いについてお話を伺いました。
教室概要

ー どういった方を対象にどのような指導をされていますか?
新弥生さん:幼児から年齢に上限は設けず、幅広い年齢層を対象に音楽指導を行っています。
当教室は音楽を総合的に体験し学ぶことが出来る教室です。
特に現在は、複数の楽器を同時に学ぶ生徒が増えており、全体の3分の1ほどの生徒がピアノとバイオリン、チェロ、声楽などを組み合わせて学んでいます。
金沢の浅地音楽院と提携していたり、LINE、zoomなどでオンラインレッスンを行っているため、地方の方にも好評をいただいています。
今回はその中のバイオリン部門に注目して頂きこのサイトに紹介して頂く事になりました。
設立の経緯・きっかけ
ー ご自身がこの教室を始められたきっかけや背景について聞かせていただけますか?
新弥生さん:5年間のウィーン留学中、現地の音楽文化に大きな感銘を受けました。
ごく普通の方々が「ブラームスが好き」と語り、家族でアンサンブルを楽しみ、映画やミュージカルと同じように気軽にオペラやコンサートに足を運ぶ。
そんな環境が当たり前の文化に触れ、日本でもこうした音楽文化が浸透してほしいと考えました。
また、留学中の恩師から重要なアドバイスを受けました。
「演奏家の道も選べるが、音楽家としての道もある」と。ベートーベンやショパン、バッハといった作曲家たちは、素晴らしい演奏家であると同時に、優れた教育者でもありました。
音楽を通して社会の人々と繋がり、貢献していく道があることを教えられ、それが東京で教室を開設するきっかけとなりました。
特徴やアピールポイント

ー この教室の特徴であったり、アピールポイントだとお考えの点について教えていただけますか?
新弥生さん:当教室はより包括的な音楽教育を提供しています。
全くの初心者から専門的なレベルまで、様々な段階の学習者をサポートできる体制を整えています。
特に重視しているのが、ソルフェージュや音楽理論の指導です。
生徒が自力で楽譜を読めるようになることを重視し、強化しています。
また、バイオリンを学びたい生徒にはピアノも併せて練習できる環境を、ピアノを学ぶ生徒にはバイオリンも体験できる機会を提供している点が、他にない特徴です。
当教室には、レッスン室には1979年製のベヒシュタインという世界三大名器(スタンウェイ、ベーゼンドフルアー)があります。
こちらはドビュッシーの時代のメカニックで作られており、鍵盤も象牙です。
本物の楽器に触れる事で生徒さんの中のイマジネーションとファンタジーを引き出すことに役立っています。
施設面では、友人の建築家が設計した音楽ホールを併設しており、ウィーンフィルやNHK交響楽団の演奏家からも高い評価をいただいています。
地下ホールには現代のメカニックで作られているベヒシュタイン社のセミコンサートグランドが置かれています。
このホールでは定期的にプロの演奏家によるコンサートを開催し、生徒が一流の音楽に触れる機会を提供すると共に、ピアノ以外のレッスンはこちらで行っています。
NHK交響楽団の演奏家など一流の講師陣による本格的な指導へと繋げていける点も、当教室の強みとなっています。
生徒に指導する際に意識していること

ー ご生徒さんと接する際に大切にしていることや、特に意識していることはありますか?
新弥生さん:初めて楽器を持つ生徒に指導する事は教える側も大変嬉しい機会となっています。
多くの方が、完成された演奏を見て「自分もすぐにできるのではないか」とワクワクしながら習い始めます。
しかし実際には、音楽の習得には相当な忍耐と努力が必要です。
これは生徒さんだけでなく、指導する側にも同じことが言えます。
生徒一人ひとりの学習速度やレベルは異なりますので、講師陣は個々に寄り添った指導を心がけています。
特につまずきが見られた場合は、決して見過ごすことなく、生徒がリラックスして笑顔で取り組めるレベルまで立ち返り、何度でもやり直しながら、本人の「弾きたい」という思いの実現をサポートしています。
バイオリン、ピアノを始めるにあたり、先ずは体験レッスンを受けていただきます。
その際の担当は現在活躍している一流の演奏家が楽器の持ち方から基本動作まで厭わず指導しています。
これはウィーン留学中、世界的アーティストと一般の人との距離がとても近かく気軽に話しやレッスンの依頼が出来た経験によるものです。
そして、イマジネーションとファンタジーという事を常に頭に置いて指導しています。
この言葉を使うと生徒さん達と作曲家のキャラクター、作曲家の生きた国の時代の生活や言語、風習、作品について、また演奏するにあたり骨格学、筋肉、脳との繋がり、(手の骨の絵を描かせたりと、身体は自分の理解している範囲で可動するので)等等沢山話す事になります。
まさに教える事は学ぶ事だとつくづく思います。
コースや料金体系について

ー 実際に提供されていらっしゃるコースについて教えてください。
新弥生さん:楽器演奏の導入としてのリトミックがあり、その後ピアノ、バイオリン、チェロと学ぶこともできます。
チェロは現在1名の生徒さんですが、少人数でも希望に応じて指導を行っています。
また、声楽や合唱のコース、音楽大学受験対策コースも提供しています。
特徴的なのは講師養成コースで、教え方に悩む指導者の方々へのアドバイスや、怪我などで通常の大学でのレッスンが受けづらい学生のサポート、留学に関するアドバイスなども行っています。
さらに、ソルフェージュのコースも設けており、総合的な音楽教育を提供しています。
私自身チェンバロ、チェロ、声楽、そして少しバイオリンを弾く事が出来るので他のコースのアシストをし、専門の講師のレッスンがスムーズにいくようサポートをしています。
特にピアノを暫くやってから他の楽器を始める生徒は読譜力の成果からあっという間に楽器を習得していきます。
【レッスンコース】
- リトミック(幼児の初期の導入時)
- ソルフェージュ
- (全ての生徒さんに各コースのレッスンの中で受けていただいています)
- ピアノ
- バイオリン
- 声楽
- 合唱
- 受験コース
- 講師指導
- コンクールや資格試験(大学や大学院の試験対策、英国王立アカデミーの検定試験等等)のための指導
今後のビジョン・展望
ー 今後強化したいことや、新たに取り組みたいことはありますか?
新弥生さん:子どもたちや家族でアンサンブルができる環境づくりを進めていきたいと考えています。
また、現在増えつつある合唱活動をさらに発展させ、併設のホールを活用した合唱や合奏、ミニオペラなどの取り組みも広げていく予定です。
音楽を通じて、皆さんの人生がより豊かになるようサポートしていきたいと思っています。
記事を読んでいる方へのメッセージ
ー 最後に、入会を考えていらっしゃる方にメッセージをお願いできますか?
新弥生さん:日々の喧騒や仕事の中で、まっさらな気持ちで楽器と向き合う時間を持つことは、とても大切です。
私自身、恩師からよく「まっさらな気持ちになりましょう」と言われました。
楽器と向き合う時間は、心のリラックスと自分自身に集中する貴重な機会となります。
昔習っていた方や、ずっと習いたいと思いながらチャンスがなかった方からのアクセスが最近増え大人のピアノ、通称音ピー笑笑は人気です。
そこからバイオリンやチェロを始める方もいらっしゃいます。
また場所がら外国人の問い合わせも増え、日本語を交えながらドイツ語、フランス語、英語でのレッスンもしています。
ぜひ躊躇することなく、私たちと一緒に音楽に触れる喜びを見つけていきましょう。