2021年に愛媛県今治市でスタートした「みんなの音楽室 わおん」は、音楽を通して人と人とを繋ぐ温かな場所を目指しています。発達に特性のあるお子さまも安心して通える環境づくりや、大人のための鍵盤ハーモニカサークルなど、独自の視点で音楽教育に取り組む三幡先生。「音楽が一生の友達になる」という思いを胸に活動する教室の魅力に迫ります。

地域に根差した音楽の学び舎「みんなの音楽室 わおん」
教室の概要と特徴
ー「みんなの音楽室 わおん」について教えてください。どんな方を対象にどんな指導を行っているのでしょうか?
三幡:愛媛県今治市にある音楽教室です。主にピアノの個人レッスンとリトミックを行っていますが、イオンモール内で鍵盤ハーモニカのサークル「ケンハモサークル」も開催しており、多様な音楽活動を提供しています。
リトミックはベビークラスが生後6ヶ月からスタートし、主に小学校入学前のお子さまが対象です。ピアノレッスンに関しては2歳のお子さまから大人の方まで、幅広い年齢層に対応しておりますので、どなたでも音楽を楽しむ機会をご提供できるよう心がけています。
教室設立の経緯
ー教室を始められたのはいつからですか?
三幡:2021年の7月から開講しており、今年で4年目を迎えることができました。地域の皆さまに支えられながら、少しずつ成長してきた教室です。
ーどのような経緯やきっかけで教室を始められたのですか?
三幡:元々ピアノ教室を開きたいという思いがずっとあったのですが、特に大切にしたかったのは、様々な方が集まれるような、温かい雰囲気の教室を作ることでした。小さなお子さまはもちろん、子育てで忙しいママさんも赤ちゃんと一緒に来られるようなコースを作りたいと考え教室を設立しました。
また、私自身が音楽療法を学んでいた経験から、発達に特性のあるお子さまも安心して通えるような教室にしたいと考えていたことも教室開校の一因です。おかげさまで現在は、様々な特性を持つお子さまにも多く通っていただいています。
音楽療法と特色ある指導
ー他のピアノ教室との違いや特徴、アピールポイントを教えてください。特に音楽療法について詳しく聞かせてください。
三幡:音楽療法は、一人ひとりの目的や課題に合わせた個別のアプローチが特徴です。通常の音楽教室では「ピアノの演奏技術を向上させる」「歌唱力を高める」などの音楽的な目標が中心になりますが、音楽療法では「自分の気持ちを適切に表現できるようになる」といった、より生活や心の成長に関わる目標を設定します。
現在、音楽療法だけを目的に通われている方はいらっしゃいませんが、発達に特性のあるお子さまや支援学校に通うお子さまも多く通ってくださっています。そういった専門知識を持っているからこそ、通常のピアノレッスンにおいても、一人ひとりに合わせたアプローチの工夫ができることが「わおん」の大きな強みだと考えています。
指導方針と心がけていること
ー生徒さんと関わる上で意識していることはありますか?
三幡:最も大切にしているのは、なるべく否定しないという姿勢です。例えば、ピアノを弾いていて楽譜と異なる音になってしまった場合でも、「それも素敵な音色だね」と肯定的に受け止めつつ、「楽譜にはこのように書かれているよね」と優しく伝えるようにしています。否定ではなく、別の表現の可能性を提案するような形で指導しています。
音楽は本来「楽しむ」ことが最も大切な要素です。その上で、楽譜を正確に読み取り、豊かに表現できるようになれば、作曲家の意図により近づき、音楽の楽しみがさらに深まります。そういった音楽の深い喜びへと導きつつも、決して否定的な言葉は使わないよう心がけています。
コース体系と料金
ーコースや料金体系はどのようになっていますか?
三幡さん:ピアノレッスンは主に「プレピアノコース」と「ピアノコース」の二つを設けており、プレピアノコースは未就学のお子さまや初心者の方向けで、1回30分、年間42回のレッスンで月額6,000円となっています。
その後、ピアノコースに進級されますと、レッスン時間が1回40分に延び、月額7,000円となります。技術の向上に合わせて、より充実したレッスン時間を確保しています。
また、大人の方向けのピアノコースもご用意しており、こちらは月2回、1回30分のレッスンで4,500円です。お仕事や家事の合間にも無理なく続けられるよう配慮しています。
さらにオンラインレッスンも実施しており、1回2,000円でご提供しています。遠方にお住まいの方や、お子さまの体調不良時、保護者の方のご都合が難しい場合など、柔軟に対応できるよう準備しています。
今後のビジョン
ー今後の取り組みやビジョンについて教えてください。
三幡さん:私が大切にしているのは、地域の方々が音楽を通じて繋がり、安心して集える場所を作ることです。単に音楽技術を学ぶだけでなく、音楽を通して人と人との温かいつながりを育める場所を目指しています。
そのような思いから、ケンハモサークルのようなグループでのアンサンブル活動も大切にしています。これは厳密なレッスンというよりも、皆さんで一緒に音を合わせる喜びや楽しさを共有する場です。演奏を通じて自然と生まれる会話や笑顔が、教室の大きな魅力になっていると感じています。
音楽との素敵な出会いを
ー最後に、体験レッスンや入会を考えている方へのメッセージをお願いします。
三幡さん:「みんなの音楽室 わおん」では、「音楽が一生の友達になる」ということを大切な理念としています。音楽を通して人との素敵な友達関係ができるのはもちろんですが、音楽そのものが生涯の友となることの素晴らしさも感じていただきたいと思っています。
日々の生活で疲れたり、悩んだりすることがあっても、ピアノの前に座って自分の気持ちを音に託すことで心が癒されたり、自分自身で演奏できる喜びが何ものにも代えがたい気分転換になるはずです。
音楽は一度身につければ、一生涯あなたを支え、励まし、時には慰めてくれる大切な存在になります。そんな素晴らしい音楽との出会いのお手伝いができれば、これ以上の喜びはありません。ぜひ一度、「わおん」の扉を叩いてみてください。温かくお迎えします。