NPO法人Teamプレイズの取り組みとビジョン

発達障がいや知的障がいの子どもたちへ、サッカーを通じた成長の場を提供

NPO法人Teamプレイズは、2019年より活動を開始したサッカーチームです。発達障がいや知的障がい、聴覚障がいなど様々な障がいのある子どもたちを対象に、運動を通じた学びと成長の機会を提供しています。現在は大阪府堺市などで月に1回のサッカー教室を開催し、イベントも交えながら活動を展開。今後は大阪市へも活動範囲を広げ、最終的には定期的に練習ができるサッカーチームの設立を目指しています。

活動の概要について教えてください。

当チームは2019年から活動を開始し、発達障がいや知的障がい、聴覚障がいなどを持つ子どもたちに向けたサッカーチームとして運営しています。これまで運動を含めた習い事の選択肢が限られていた子どもたちに、スポーツの楽しさを届けることが目的です。

サッカー教室は月に1回開催し、堺市を中心に活動を展開しています。加えて、イベントなども企画しながら、子どもたちがよりサッカーに親しめる機会を作っています。来年度からは大阪市でも活動を広げ、さらにチームとしての本格的な運営も視野に入れています。

立ち上げたきっかけについて教えてください。

私は現在、支援学校の教員として勤務していますが、以前は中学校のサッカー部の顧問をしていました。そこで試合をする中で、支援学級に在籍する生徒が試合に出る場面がありました。しかし、彼は思うようにプレーができず、周囲の子どもたちから責められる場面を何度も目にしました。

このような経験から、「彼らが安心してサッカーを楽しめる環境を作りたい」と強く思うようになり、Teamプレイズを立ち上げました。彼らがスポーツを諦めず、継続できる環境を整えることが、私たちの活動の原点です。

Teamプレイズの特徴・強みはどんなところでしょうか。

Teamプレイズの最大の特徴は、スタッフの多くが現役の学校教員である点です。支援学校や支援学級の担当教員、中学校のサッカー部顧問など、特別支援教育に関する専門知識を持つメンバーが指導にあたっています。

また、サッカーの専門的な指導力も備えており、私自身も指導資格を保有しています。さらに、関西医療大学の山田准教授と連携し、体の不器用さや協調性運動の能力向上をめざしたプログラムを導入。サッカー指導の専門家と特別支援教育の専門家が一体となり、子どもたちが安心して成長できる環境を提供しています。

活動・指導方針についてお聞かせください。

当チームに参加する子どもたちは、運動が得意ではない場合が多く、ルールの理解も難しいケースがあります。そのため、私たちは「子どものペースを尊重する」という方針を大切にしています。

具体的には、サッカー教室の中でも休憩を取りたいときには自由に休めるようにし、子どもたちが自ら選択できる環境を整えています。活動中にはお茶を飲みに行く子や、お母さんと一緒に見学する子もおり、それぞれのスタイルに合わせて参加できる仕組みを作っています。こうすることで、自信を持ってプレーできるようになることを目指しています。

また、保護者の方々にも、「子どもが何をできたか、何に挑戦したか」に注目してもらうようにお願いしています。親御さんが安心して見守れる環境を作ることも、私たちの大切な役割です。

今後の展望についてお聞かせください。

現在は月に1回のサッカー教室を開催していますが、来年度には週1回のサッカーチームとしての活動をスタートさせたいと考えています。

また、中学生までを対象としたチームを作るだけでなく、その先の進路として高校の支援学校のサッカー部への橋渡しも視野に入れています。障がいのある子どもたちが継続してサッカーに取り組める環境を他の団体とも協力しながら整えることが、私たちの次の目標です。

メッセージ

近年、「インクルーシブ教育」や「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」といった言葉がよく聞かれるようになりました。しかし、実際のところ、障がいのある子どもたちと関わる機会はまだまだ少ないのが現状です。

大切なのは、まず「知る」ことです。その次に「関わる」ことへと進んでいけるよう、地域社会の中で障がいのある子どもたちの存在を理解し、共に歩むことが必要だと考えています。

もしTeamプレイズに興味を持っていただけたなら、ぜひ一度見学にいらしてください。また、大阪以外の地域でも、同じような活動をしている団体がきっとあるはずです。ぜひ、お近くの団体を調べていただき、実際に足を運んでみてください。

障がいのある子どもたちが安心して生活し、スポーツを楽しめる社会を一緒に作っていきましょう!