東京都目黒区と大田区で展開する「タイ料理教室スタジオアロイ」は、40年近い歴史を持つ料理教室です。
タイの宮廷料理をベースとした体にやさしいタイ料理を学ぶことができ、自宅でも再現できる本格的な技術を身につけることが可能です。
同教室の安藤さんに、指導方針や今後の展望などについて詳しくお話を伺いました。
母の代から受け継ぐ40年の伝統

ー教室の概要について教えてください。
安藤:目黒区と大田区で、タイ料理の魅力をお伝えしている教室です。年齢層は特に年齢制限は設けていませんが、40代以上の方が比較的多いです。
タイ料理は作ると喜ばれますし、それほど難しくないのに彩りがよく華やかに見えるという特徴があります。
教室に来られる方は、料理の幅を広げたいという方のほか、持ち寄りパーティーや人をもてなす際に作りたいという方、健康を意識した方も多くいらっしゃいます。
ー教室を始められたきっかけや経緯について教えてください。
安藤:母の代からやっており私が2代目になりますので、教室を開いて40年近くになります。
父の仕事の関係で、私が幼少期の頃はタイに暮らしていました。その時に母がタイ料理を習得し、帰国してから始めたのがこの教室になります。
初めは友達がタイ料理を習いたいということで教え始め、それがどんどん発展していきました。
タイの宮廷料理をベースとした独自のカリキュラム
ー他の料理教室にはない特徴や、一番のアピールポイントを教えてください。
安藤:最大の特徴は、宮廷料理がベースになっていることです。私の師であり母の師でもある先生は、タイの大学や王宮でも指導されていた方です。その方に教えていただいた宮廷料理を中心に指導しています。
宮廷料理の特徴は、少量多品目で野菜をたっぷり使うことです。王様が食べる料理ですから、味付けも屋台料理と比べると辛すぎず、しょっぱすぎず、マイルドで体にやさしい料理となっています。
また、ハーブをたくさん使うのがタイ料理の特徴です。自宅でもハーブを栽培しており、自家製のハーブを使って指導しています。
実践重視で自宅で再現できる指導
ー生徒に指導する際に、特に意識していることや方針を教えてください。
安藤:実践形式の教室となっており、自宅に帰ってからも再現できるような指導を心がけています。
特に初心者の方には、味付けに関して段階を踏んで実際に味を見ていただくようにしています。例えば、ナンプラーが大さじ2のレシピであれば、まずナンプラー大さじ1を入れて味を見てもらいます。
そこでもう一度ナンプラーを入れるのではなく、砂糖などを入れて再度味見してもらうという感じで、段階的に味付けを体験していただきます。これにより、ご自身で自宅でも調整ができるようになります。
中級者以上の方に関しては、何が知りたいのかをお伺いして、そこを重点的にお伝えすることを意識しています。
代表的なタイ料理から学べるコース設計
ー教室で提供しているコースやプランについて教えてください。
安藤:まず入門コース・初級コースがあり、そのあと中級・上級のコースがあります。ただし難易度順というよりは、トムヤムクンやグリーンカレーなど、代表的なタイ料理を入門コース・初級コースでお伝えしています。
入門コースをやっていただくと、大抵のタイ料理レストランにあるメニューは作れるような内容になっています。もちろん、初心者の方が上級クラスに来ていただいても問題ありません。
薬膳タイ料理への新たな挑戦
ー今後より強化していきたい部分や、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
安藤:今年に入ってから薬膳タイ料理に取り組み始めました。薬膳料理は中医学やアーユルヴェーダ、漢方といった伝統医学のエッセンスを取り込んだ、食べて元気になるような料理です。
料理の実習に加えて、理論的な座学も組み合わせた講座を今年から始めたので、それをもう少し発展させていきたいと考えています。
日々の食事に彩りを添えるタイ料理を
ー最後に、この記事をご覧の方に向けたメッセージをお願いします。
安藤:タイ料理はかなりメジャーになったとは思いますが、自分で作るとなるとハードルが高く感じたり、タイ料理は外で食べるものと思っている方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、実際に作ってみると、すごく簡単だったりします。また、野菜やハーブを使ったりして、とても体にいいバランスの取れた料理になっています。
ぜひご家庭に取り入れていただいて、日々の食事に彩りを添えていただけたらと思います。