子どもも大人も自然の中で成長する──SOSA PROJECTの米作りと地方創生の挑戦

NPO法人SOSA PROJECT

都会の暮らしに息苦しさを感じている方へ──。NPO法人SOSA PROJECTは、千葉県匝瑳市で米作りを通じた地方創生と移住支援を行っています。お米を育てることで「生きる力」を取り戻し、無理にお金を稼がなくても自立できる暮らしを提案。都会からの移住希望者には、空き家の斡旋や地域コミュニティとのつながりを提供し、自然の中でのびのびと暮らせる環境を整えています。

また、子どもたちが学年を超えて遊び、泥や森で戯れることで自ずと知恵と健康を育んでいきます。実際に参加した子どもたちの中には、アトピーやぜんそくの改善例もあり、心身の健康を取り戻す場としても注目されています。

移住を考えている方、自給自足の暮らしに興味がある方にとって、SOSA PROJECTは新たな選択肢となるはずです。本記事では、活動の詳細、そしてこれからの展望について伺いました。

SOSA PROJECTの活動概要

ーまずは、SOSA PROJECT様の活動内容について教えてください。

NPO法人SOSA PROJECT創設運営 髙坂さん(以下敬称略): 千葉県北東部にある匝瑳市(そうさし)っていう場所で活動しています。主な取り組みは米作りですね。都会からの参加者が何度も通いながら、お米作りを貫徹する中で「この土地に住みたいな」っていう気持ちが湧いてくることもあるんです。そういう人たちが移住できるように、空き家の大家さんとつないで、住まいを提供することもしています。

ただ、単に「家を貸しますよ」っていうだけじゃなくて、ちゃんと地域に馴染めるようにサポートもしています。その人に必要な人や情報を紹介したり、地元の方も交えた物々交換・助け合い・仕事などをやり取りするグループLINEを回したり。そうすることで、ただ移住するだけじゃなく、そこで生きていける環境を作ることを大切にしています。

SOSA PROJECT設立の背景

ーこの活動を始めたきっかけって何だったんでしょうか?

髙坂さん: もともとはね、経済で人と環境が壊されてゆく中で、「生きてゆくために一番大事なことって何だろう?」って考えたことがきっかけです。で、やっぱり「食べること」だなと。お米を作る以外でも畔に大豆を蒔けば、枝豆も味噌も醤油も納豆も作れるし、里山には山菜や野草も生えてる。田舎だと、お裾分け文化もあって、お金はほどほどでも生きていけるんですよ。

都会で暮らしてると、家賃や生活費のために、すごく働かなきゃいけないでしょ。でも田舎だったら、家賃1〜3万円くらいで一軒家を借りられることもある。そうなると、そこまでお金を稼がなくても、自然の中で豊かに暮らせるんです。

だから、「仕事や暮らしや社会に?と思った人が、もう一回生き方を考え直せる場を作りたいな」と思って始めました。実際にここで米作りをしながら生活してると、「あ、別にたくさん稼がなくても大丈夫なんだ」って気づく人が続出していきますね。

活動を通じて解決したい社会課題

ーSOSA PROJECTの活動を通して、どんな社会課題を解決したいと思っていますか?

髙坂さん: 今の都会の暮らしって、なんだか無理が多すぎると思うんです。例えば、ブルシット・ジョブっていう言葉があるんですけど、要するに「本当に必要なのかわからない仕事」で世に貢献してるか疑問を抱える人が多いんです。そういう人たちが、「このままでいいのかな?」って悩んでたりする。

で、そういう人たちが田舎に来て、半自給できてしまうと、「あれ?こういう生き方もアリかもな」って思えるんですよ。実際に、会社を辞めて農家になった人も、地方に移住して仕事を起こす人も、数知れず何百人といます。

あとね、都会のストレスで体調を崩してる人も多いんですけど、都会から通うだけで、病気が良くなることもあるんですよ。例えば、子どもの皮膚炎や喘息が消えたり、大人でも花粉症や腰痛が治ったり、鬱や引き篭もりが解消する人も結構います。

今後の展望

ー今後、特に力を入れていきたいことってありますか?

髙坂さん: うーん、正直言うと、あんまり「もっと大きくしよう!」とかは思ってないんですよね。ただ、楽しければいいじゃないですか。泥と森と空と太陽に抱かれて大人も子どもも充実の嬉しそうな表情に溢れるんです。

米だけでなく、大豆育て、野草覚え、手足でDIYや土木を体得して、自ら作り出せる何かしらの自信を胸に新たな道に歩み出してゆく、そうやって背中を押して、この世の中を少しでもよくしていけるんですから!

そんな場を愚直に続けるだけです。

SOSA PROJECTへの参加を考えている方へ

ー最後に、SOSA PROJECTに興味を持っている方に向けて、一言お願いします。

髙坂さん: 「生きること」や「働くこと」って、必死で稼げ、できなきゃ惨め、って思ってしまうけど、実はそうじゃないんですよね。田舎に行って、自分で食べ物を作ったり、家を直したりしていると、「あれ?こんなに頑張ってお金稼がなくても大丈夫じゃん」って気づくこともある。

特に、子どもたちには、もっと土に触れたり、自然の中で遊んだりしてほしいなと思います。実際にね、小さいころに泥遊びをたくさんした子どもって、大人になってから社会で活躍しやすくなるっていう研究もあるんですよ。

だから、もし興味があるなら、ぜひ一度、気軽に米作りに参加してみてください。自作のお米は美味くて驚きの感動です。「こんな生き方もあるんだな」って知るだけでも、すごく大きな一歩になると思いますよ。