子どもたちの放課後の居場所づくりに取り組むNPO法人サイン。毎週水曜日と金曜日、杉並区の小学校を会場に、地域のボランティアスタッフが子どもたちと一緒に遊び、学び、成長を見守っています。コロナ禍を機に法人化し、食育や理科教室など様々な体験イベントも展開する同法人の思いと取り組みについて、代表の小山内さんにお話を伺いました。
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地域密着型の放課後子ども教室とイベントの開催
ー御社の活動内容について教えていただけますか?
小山内さん:私たちは地元の学校施設、特に小学校施設を利用して放課後子ども教室を運営しています。また、杉並区内全域の小中学生を対象に、食育や理科教室、水鉄砲大会など、様々な体験イベントも開催しています。
放課後子ども教室は毎週水曜日と金曜日の午後1時から5時まで開いており、校庭でのボール遊びや野球、工作、絵を描くこと、宿題など、それぞれの子どもが好きな活動を選べる環境を整えています。
また、「すぎなみサイエンスLabo」という理科教室も3年間継続して実施しています。これは地域の人材を活用する取り組みの一環で、地域在住の理科の先生や教授の方々にご協力いただき、毎月1回程度開催しています。
コロナ禍をきっかけとした法人化と活動の本格化
ー活動を始められた経緯について教えていただけますか?
小山内さん:当初は地元のPTAや保護者有志による活動として約10年前に始まりました。2021年6月にNPO法人化しましたが、その大きなきっかけとなったのがコロナ禍です。それまでの活動が一時中止を余儀なくされた際に、この活動の重要性を改めて認識し、新たなメンバーを募って再建を決意しました。
コロナ禍で子どもたちは学校に通えない期間があり、その後もマスク生活でコミュニケーションを取りづらい状況が続きました。そうした中で、勉強だけでなく、遊びを通じたコミュニケーション能力の向上や子どもたちの成長を支援したいという思いで活動を本格化させました。
地域ボランティアによる運営体制
ー他の同様のサービスと比べた特徴やアピールポイントを教えていただけますか?
小山内さん:大きな特徴は、大手企業による運営ではなく、地域の方々がボランティアとして参加してくださっている点です。保護者も地域の方々も子どもたちも、お互いの顔が見える関係の中で運営しています。毎回の放課後子ども教室には7名以上の地域ボランティアが参加し、見守りと遊びの支援に従事しています。
子どもたちへの接し方については、一人一人の特性に配慮しています。大人としか遊べない子や、子ども同士の接し方が分からない子、突然怒り出してしまう子など、様々な子どもたちがいます。そのためスタッフは寄り添いながら、子ども同士で遊べるように促したり、心のケアも行うよう努めています。
今後の展望:子どもたちの社会貢献活動支援へ
ー今後の取り組みについてお考えのことはありますか?
小山内さん:放課後子ども教室は今後も継続していきますが、新たな取り組みとして、子どもたち自身が社会貢献できる機会を作りたいと考えています。
コロナ禍が落ち着き、地域のイベントが復活してきた今、子どもたちが受け身の立場から一歩進んで、自分の意思で地域課題に取り組めるようなボランティア活動チームを計画しています。川の清掃やゴミ拾いなど、身近なところから始めて、ボランティア精神を養える活動を展開していく予定です。
記事を読んでいる方に向けたメッセージ
ー最後に、活動に興味を持った方々へメッセージをお願いします。
小山内さん:私たちは「恩onと縁enの循環プロジェクト」をコンセプトに掲げています。子どもも大人も、社会から受けた恩恵を次の世代に繋げていくことが、地域社会の創生につながると考えています。
この理念に賛同してくださる方々、特に企業の皆様のご支援をお待ちしています。また放課後子ども教室は年額6,000円で、水曜日・金曜日のどちらでも参加可能です。学童クラブとも連携しており、学童クラブに通う子どもたちも参加できる体制を整えています。
ぜひご支援・ご参加を心よりお待ちしております。