サッカーを通じて子どもの心の成長をサポート「NPO法人サッポロボーイズ」子どもたちに自己肯定感や仲間との絆を育む機会を

サッカーの指導を通じて、子どもたちの自己肯定感を育み、新たな可能性を広げる活動を行うNPO法人サッポロボーイズ。

一般児童向けのサッカークラブの運営に加え、独自の放課後等デイサービスでの指導や他施設との連携など、幅広く活動を続ける当団体の代表、川内悠平さんにお話を伺いました。

幅広い層に向けたサッカー指導の展開

ー どのような方を対象に、どのような指導を行っていらっしゃいますか?

川内さん:小学生から中学生までを対象にしたサッカーチームを運営しています。

加えて、障がい児を対象とした放課後等デイサービス「あ・りーさだ+1」も運営しており、提携先の放課後等デイサービスとも協力してサッカーの指導も行っています。

デイサービスでは一般的な活動に加え、カリキュラムの一つとしてスポーツを取り入れた活動を展開しています。

20年の歴史を持つサッカークラブの誕生秘話

ー この活動を始められたきっかけについて教えてください。

川内さん:約20年前、仲の良い少年団が集まって合同チームを編成したことが始まりです。

当時の6年生チームが大会で良い成績を残し、中学生になっても一緒に活動したいという想いが集まり、中学生のクラブチームが誕生しました。

その2年後、当時の代表が、現状での少年団の形態での活動継続は、長期的に考えると難しくなってくると考え、今後の方向性を検討し、小学生チームをクラブチーム化させ、中学生チームと合併する形で現在の体制が確立されました。

障がい児支援への新たな挑戦

ー 障がいをお持ちのお子さんへの支援は、どのような経緯で始まったのでしょうか?

川内さん:サッカーチーム設立から約10年後、当時の代表が障がいのある子どもに関わる機会があり、特にスポーツの分野において、既存の制度では十分にケアできていない部分があることに気付きました。

子どもたちがより生き生きと過ごせる環境を整えたいという思いから、まずは障がい児向けのスポーツ教室を開始。

その活動が発展し、現在の放課後等デイサービスの運営へとつながっています。

自分たちで運営している「あ・りーさだ+1」に加え、提携先の「グラン・シード」でもサッカーの指導を行っています。

「勝利」以上に大切にしている”子どもの成長”

ー 他の団体にはない特徴やアピールポイントについて教えてください。

川内さん:子どもたちの成長に必要なことを、その時々の状況に合わせて柔軟に提供することを心がけています。

サッカーチームとして勝利を目指すことは大切ですが、それは私たちの最終目的ではありません。

試合で勝つことを通じて得られる経験や学びはもちろん大切ですが、それ以上に、サッカーを通じて心が育ち、仲間ができ、自信をつけていくプロセスを重視しています。

特に中学生には、サッカーだけでなく勉強や進路選択においても、自分の可能性を信じてチャレンジしてほしいと考えています。

最近の子どもたちは「こんなものだろう」と可能性を狭めてしまう傾向にありますが、私たちはサッカーでの経験を通じて、様々なことに挑戦できる心を育てていきたいと考えています。

“できる・できない”より大切にしている想い

ー 子どもたちの成長のために特に意識されていることはありますか?

川内さん:現時点で「できる・できない」という結果にとらわれすぎないよう心がけています。

もちろん、最終的にはできるようになることが望ましいのですが、そこに至るプロセスを大切にしています。

「今はできなくても、失敗してもいい。いつかできるようになるから、まずはチャレンジしてみよう」という考え方を大切にしています。

そのために、子どもたち一人ひとりに合わせて適切なハードルを設定し、一つのハードルを超えられたら、次は少し高いハードルに挑戦できるよう、地道な支援を続けています。

新たな取り組みと未来への展望

ー新しい取り組みをスタートしていると伺いました。

川内さん:はい。2024年度から、提携先の「グラン・シード」との協力関係を更に深め、運営している「サッポロボーイズ」のセカンドチームとして、デイサービスの子どもたちのチームも公式戦に出場しています。

これまでならそのチャンスが閉ざされていたかもしれない子どもたちも含めて、より多くの子どもたちが公式戦という緊張感あるピッチの上でサッカーを楽しんでいます。

ー 今後の展望についてお聞かせください。

川内さん:少子化の影響で選手数の確保が課題となっていますが、それでも私たちは多くの子どもたちにサッカーを通じた成長の機会を提供したいと考えています。

単に試合に勝つことだけを目指すなら、少人数でより密度の高い練習を行うという選択肢もありますが、私たちはより多くの子どもたちに、スポーツを通じた自己肯定感の向上や、仲間との絆を深める機会を提供したいと考えています。

また、チームで育った子どもたちが気軽に戻ってこられる場所、まるで「家」のような存在でありたいと思っています。

将来的には、育った選手たちが指導者として戻ってきてくれるような、世代を超えた繋がりを大切にできる場所を目指しています。

ー 最後に、入会を考えている方へメッセージをお願いします。

川内さん:サッカーは本当に素晴らしいスポーツです。

もちろん、保護者の方も含めて様々な苦労や困難があるかもしれませんが、10年後、大人になって振り返った時に「やっていて良かった」と思える経験がたくさんあると確信しています。

ぜひ一緒にサッカーを始めて、様々な経験を重ねていきましょう。

また、障がいをお持ちのお子さまの保護者の方も、サッカー指導についてのご相談を承っております。

まずはお気軽にご連絡ください。