音楽を通じて自分で考え、一生楽しめる力を育む-音楽教室「おとや」

幼児から大人まで、音楽を通じて生徒一人ひとりの成長をサポートする音楽教室「おとや」。

単にピアノが弾けるようになるだけでなく、自分で考え、行動する力を育むことを大切するレッスンを提供しています。

伝統的な教則本による指導だけでなく、耳コピから始める独自のアプローチで、生徒が主体的に音楽を楽しめる環境づくりに取り組む教室代表の廣畑瞳さんにお話を伺いました。

教室概要

ー どういった方を対象に、どのようなレッスンをされていますか?

廣畑さん:小学生をメインに、大人の方にはコード伴奏付けやアレンジなど、ピアノを弾きながら自分で伴奏をつけられるようになりたい方を対象にレッスンを行っています。

小学生向けには、音楽の基礎やリズム、楽譜の読み方はもちろんのこと、他の教室との大きな違いとして、必ずしもクラシック一辺倒ではないアプローチを取っています。

生徒本人が弾きたい曲がある場合は、耳コピから始めて伴奏付けまでつなげていく生徒さんもいれば、指定の教則本に沿って進めていく生徒もいます。

耳コピを通じた指導では、生徒自身が聴いた音を再現し、そこに自分なりの伴奏をつけていく力を育てています。

設立の経緯・きっかけ

ー この教室を始めたきっかけや経緯について教えてください。

廣畑さん:元々は音楽が好きで、音楽を通じて何か貢献できることはないかという想いから教室を開きました。

開設当初は私に子供はいませんでしたが、土地柄もあってお子さんが多く集まるようになり、教えていく中で「お子さんの未来を預かっている」という意識が芽生えていきました。

ピアノが弾けるようになることだけでなく、将来、踏ん張って頑張るときに一緒に寄り添い、応援できる存在でありたいと考えています。

近年、SNSなどを見ていると、ピアノは続かない、なかなか進歩が見えないという理由で辞めてしまったり、他の習い事に移ってしまうケースが多いように感じます。

そこで当教室では、「やり遂げる力」「自分で考える力」「主体性を持って参加する」という3つの柱を大切にしています。

特徴やアピールポイント

ー 教室の特徴やアピールポイントについて教えてください。

廣畑さん:当教室では、音楽の技術習得だけでなく、自分で考えて行動できる人に育ってほしいという想いを大切にしています。

大人の生徒さんに関しても、かつての音楽教室のように「言われた通りに弾く」というスタイルではなく、誰かに頼らずに1人で音楽を楽しむことができるようになることを目標としています。

伴奏付けの指導では、生徒さんがご家庭で流行りの曲やアニメの曲を弾きたい時にも活用できます。

最初から複雑な和音を教えるのではなく、一つの音から始めて、これが伴奏になるということを体験してもらっています。

音楽理論の面では、24種類ある調性(明るい調と暗い調で各12種類)のうち、明るい調の12種類を早い段階で習得します。

特に、音階の最初の5音までをしっかりと学ぶことで、耳コピした曲にも自然と伴奏をつけられるような基礎を作っています。

これにより、メロディーを聴き取れれば、適切な伴奏を付けられる力が自然と身についていきます。

生徒に指導する際に意識していること

ー 生徒さんにレッスンされる際に大切にしていることや、特に意識していることについて教えてください。

廣畑さん:教えることに夢中になると、つい長く話してしまう傾向がありますが、あえて私が話すことを控えめにしています。

その代わりに、生徒さんから「何を考えているのか」「どんなことがやりたいのか」「今日はどんな気分なのか」を引き出すことを心がけています。

時には私がほとんど話さないレッスンもあるほど、生徒さんの声に耳を傾けることを大切にしています。

コースや料金体系について

ー 実際に提供されているレッスンのプランについて教えてください。

廣畑さん:基本的にはペース博士が開発したペースメソッドという教則本に沿ってレッスンを進めています。

幼児期は、最初から楽譜を見せるのではなく、音と戯れながらリズム遊びや絵を見て感じたことを表現するなど、音の高低や速さといった音楽の基本的な要素を自然に身につけられるようにしています。

小学生からは、いきなり楽譜を読むのではなく、音の高低や音符の長さなど、音楽の仕組みを分解して理解できるようにしています。

例えば、「この音は上がっているかな、下がっているかな」といった具合に、音の動きを視覚的に捉えられるよう工夫しています。

音部記号の学習では、ト音記号は学校でも学ぶため比較的スムーズですが、ヘ音記号は学校であまり扱わないため苦手意識を持つ生徒が多くいます。

当教室では、音部記号の位置によってドの位置がずれることを、単なる暗記ではなく、音の動きのパターンとして理解できるよう指導しています。

このアプローチにより、最初は時間がかかっても、ある時点で自然と楽譜が読めるようになります。

レッスン時間は45分を基本としており、生徒一人ひとりのペースに合わせて指導を行っています。

今後のビジョン・展望

ー 教室として今後強化されたいことや、新たに取り組みたいことはありますか?

廣畑さん:開校して15年になりますが、ピアノが弾けるようになるための心の土台作りが大切だと実感しています。

月2回のレッスンだけでなく、ご家庭でも音楽を嫌いにならないような関わり方を伝えていきたいと考えています。

また、当教室が生徒さんにとって「安心安全の場」となるコミュニティづくりを目指しています。

思ったことを否定されることなく、安心して話せる環境を作ることで、音楽を通じた成長をサポートしていきたいと考えています。

記事を読んでいる方へのメッセージ

ー お教室に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。

廣畑さん:年齢によって「できなければいけないこと」という枠を設けることはしていません。

音楽の楽しみ方は、楽譜を読んで弾くだけにとどまらず、コミュニケーションの手段として、また心の癒しとしても活用できます。

多角的に音楽を捉え、生涯学習として大切に続けていけるよう、一緒にサポートさせていただきたいと思っています。

音楽を通じて、自分らしく成長していける場として、当教室をご活用いただければ幸いです。