油彩画から立体作品まで、幅広い創作活動を支援する「アトリエ・オンジール」。
自由度の高い創作空間で、世代を超えた学びが生まれているアトリエの代表、カイトサイコさんにお話を伺いました。
アーティストが運営する、自由度の高いアトリエ空間

ー まず、どういった方を対象にどのような指導をされているのかお聞かせください。
カイトさん:中学生以上の大人を対象とし、絵画や立体作品など、生徒さんの希望に応じて指導しています。
教室というよりもアトリエという位置づけで、来られた方が本を読んだり、皆さんとお話ししたり、自由に過ごしていただける空間づくりを心がけています。
留学経験を持つアーティストとしての挑戦
ー アトリエを始められた経緯について教えていただけますか。
カイトさん:率直に申し上げると、生活のためというのが始めたきっかけでした。
アーティストとして留学していて、日本に戻ってきたばかりで仕事もない状況でしたので、できることから始めようと思い、アトリエを開設しました。
やるからには真摯に取り組もうと考え、徐々に活動を広げていく中で、大切にすべきことが見え、今のアトリエに繋がっています。
技術指導にとどまらない、個性重視の指導方針

ー 他の教室にはない特徴やポイントをお聞かせください。
カイトさん:「アトリエ・オンジール」の最大の特徴は、規則や制約をあまり設けないことですね。
例えば、パースペクティブが技術的に正確でなくても、その人らしい表現であれば良いと考えています。
私が大切にしているのは、生徒さん一人ひとりの個性を潰さないこと。
自分の考えを押しつけるのではなく、その方の好きなことややりたいことを一緒に見つけていく姿勢を心がけています。
専門性と多彩な創作活動

ー カイトさんの得意とされる分野について教えていただけますか。
カイトさん:私は油彩画を専門としていますが、これまでぬいぐるみやアクセサリー制作、針金アートなど、様々な創作活動を行ってきました。
多様な材料や技法を扱えることが強みだと考えています。
また、古代から近代までを留学時代にインプットしたので、古典技法から抽象、コンセプチャルアート、アニメ、イラスト、など様々な質問にも応えらえると思います。
この経験を活かし、生徒さんの興味に応じて幅広い表現方法を提案できるよう心がけています。
多様な芸術体験の提供

ー 生徒さんと過ごす中で、特に大切にされていることはありますか。
カイトさん:一つの分野に固執せず、様々なアートの世界に触れていただくことを意識しています。
例えば、アニメやイラストが好きな生徒さんには、それ以外の芸術分野も紹介します。
アトリエでは、クラシックからジャズ、ノイズミュージックまで様々な音楽を流したり、多様な芸術書を用意したりしています。
最近では、アーティストが活動しやすい環境づくりの一環として、ギャラリースペースも始めました。
オーダーメイドの学習プログラム
ー 具体的なコース設定についてお聞かせください。
カイトさん:決まったコース設定は設けず、生徒さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの指導を行っています。
例えば、美術系の受験を目指す方には受験対策を、水彩画を学びたい方には水彩の技法を指導するなど、目的に応じて柔軟に対応しています。
幅広い年齢層と多様なニーズへの対応

カイトさん:生徒さんの年齢層は中学生から80代まで幅広く、アート未経験の方も多く通われています。
中には不登校のお子様で、アートに興味がある場合は昼間の受け入れも行っています。
ただ作品を見ることが好きな方、技術向上を目指す方、アーティストとして活動したい方など、目的も様々です。
それぞれの方の希望に寄り添いながらのサポートを心がけています。
地域のアート拠点としての新たな挑戦

ー 今後の展望についてお聞かせください。
カイトさん:新しく始めたギャラリースペースを活用し、アーティストの活動拠点として提供していきたいと考えています。
この地域に限らず、日本全体でアーティストが活動しにくい環境があると感じているため、単なる技術指導の場ではなく、地域に貢献し、アーティストが活動しやすい街づくりの一助となることを目指しています。
ギャラリーでは現在、私の作品を展示していますが、今後は格安で貸し出し、若手アーティストの発表の場として活用していただく予定です。
また、ダンスや映画鑑賞など、様々な文化活動の場としても提供していきたいと考えています。
アートを通じた新しい可能性の発見
ー 最後に、入会をお考えの方へメッセージをお願いします。
カイトさん:ぜひ、気軽にアートの世界に足を踏み入れてください。
現代社会において、アートは多様な考え方や視点を育むきっかけとなります。
特に心が疲れている方にとって、良い息抜きになるかもしれませんし、全くの初心者の方も大歓迎です。
以前、まったく絵が描けなかった方が、今では素晴らしい作品を生み出されています。
私も生徒さんと一緒に成長していきたいと考えていますので、どうぞ恐れずにお越しください。