「フルートの音色が人生を彩る」── 現役演奏家が明かす『森のフルート教室 おまり』のレッスン哲学

「フルートを楽しむこと」と「生活の中に音楽を」を理念に掲げる『森のフルート教室 おまり』。代表の鈴木真理乃氏は桐朋学園大学音楽学部を卒業後、2017年に自身の教室を開設しました。小学校低学年からシニア世代まで、幅広い年齢層の生徒が通うこの教室の最大の特徴は、演奏活動をしている講師陣が指導にあたること。「教えるだけではなく、自らもフルートの演奏について研究している先生だからこそ伝えられることがある」と鈴木氏は語ります。

初心者からコンクール出場者、音楽大学への進学者まで、レベルに応じた丁寧な指導が評判を呼び、開校から7年で生徒数は30名を超えるまでに成長しました。2025年4月にはピアノコースも新設し、さらに総合的な音楽教育を展開。「初めて音が出る喜び」から「高度な演奏技術の習得」まで、一人ひとりの目標に寄り添う教室の魅力に迫ります。

代表・フルート講師:鈴木真理乃(すずき まりの)
4歳よりピアノ、12歳よりフルートをはじめる。桐朋学園芸術短期大学卒業後、桐朋学園大学音楽学部に3年次編入、卒業。これまでにフルートを白尾彰氏、野口龍氏、永井由比氏に、室内楽を神田寛明氏、倉田優氏に師事。在学中に学内演奏会、定期演奏会にオーディションで選出され出演。ヴァンサン・リュカ氏のマスタークラスを受講。中学校教諭二種免許状(教科「音楽」 )取得。2013年より高校の吹奏楽部のフルート講師を務める。
2015年全日本ジュニアクラシックコンクールで審査員賞受賞。2015年よりフルート、オーボエ、ピアノのトリオ、Trio il micioのメンバーとして活動を開始。
2016年東京国際芸術協会新人演奏会、ラフォルジュルネに出演。
2017年ドルチェ楽器デビューコンサート出演、ソロリサイタル開催。
2018年第2回K室内楽コンクール第1位を受賞。
The 2nd international low flute festival 2020 alto flute concours のファイナリストに選出。
2021年千葉市文化芸術新人賞奨励賞受賞。

美しい音色の魅力を伝える、小学生から大人まで対応の音楽教室

ー鈴木さま、本日はどうぞよろしくお願いいたします!『森のフルート教室 おまり』ではどのような指導を行っているのでしょうか?概要について、ぜひお聞かせください

鈴木真理乃代表(以下、敬称略):『森のフルート教室 おまり』では、小学校2年生から大学生、そして65歳以上の方まで幅広い年齢層の生徒さんが学んでいます。初めてフルートに触れる方から、音楽大学へ進学した方、長年フルートを吹いてきた経験者の方まで様々なレベルの方がいらっしゃいます。

『森のフルート教室 おまり』のレッスンでは、まずフルートを楽しむこと、生活の中に音楽を取り入れることを大切にしています。レッスンを重ねるうちに上達し、コンクールへの参加や音楽大学への進学を希望される生徒さんには、より専門的な指導も行っています。

また、今年(2025年)4月からはピアノコースも開講しました。現在は3歳以上のお子さまを対象にレッスンを始めたところです。

ーフルートを習い始める方は、どのような動機で来られることが多いのですか?

鈴木:お子さまの場合は、オーケストラの演奏を聴いてフルートの音色の美しさに惹かれたり、学校訪問演奏会で「キラキラと輝くフルートが素敵!」と感じて始める方が多いですね。

私はフルートの音の出し方を教えるのが得意で、これまで音が出なかった生徒さんは一人もいないんです!フルートは音を出すのが難しいと思われがちですが、正しいポジションさえ身につければ比較的簡単に音が出せます。初めのうちは私がポジションを合わせてあげることで、確実に音を出せるようサポートしています。

大人の生徒さんは、「祖母や母がフルートを演奏していた」という縁を感じて始める方が多いです。「何か習い事を始めようと思った時に、家にフルートがあったからこれにしよう」というケースもよくあります。昔、吹奏楽部で演奏していて、もう一度やりたい!と再開されて上級者になる方も多くいらっしゃいます。

音楽大学卒業から教室設立へ ── 演奏家としての経験を指導に活かす

ー鈴木さまが教室を開設された経緯を教えてください。

鈴木:2017年に桐朋学園大学音楽学部を卒業し、フリーランスの演奏家として活動を始めると同時に教室を開設しました。最初は祖父がヨガ教室を開いていた場所を借りて、5人ほどの生徒さんにフルートを教え始めたのが原点です。そこから徐々に規模が拡大し2024年12月には新しいレッスン室にお引越ししてリニューアルオープンしました。

大学3年生の頃から私立高校の吹奏楽指導に携わっていたので、「教えること」については自然と学んできました。生徒さんからも好評をいただいていたので、卒業後に自分の教室を開くことに自然と進みました。

また、父、祖父、曾祖父と学校の校長を務めていたこともあり、教育の世界に親しみを感じていました。教職免許も取得していたので、教室運営にも抵抗はありませんでした。

現役演奏家による指導が生み出す特別な学び

ー他の音楽教室とは異なる、『森のフルート教室 おまり』ならではの強みを教えてください。

鈴木:最大の特徴は「演奏家が指導している」点です。私は長く一人で教室を運営してきましたが、2024年12月に教室をリニューアルオープンして、現在はピアノとフルートの講師、合わせて3名で指導しています。

私たちは教えるだけでなく、日々練習を欠かせない生活をしているからこそ、生徒さんの練習における悩みや課題を深く理解できるのが強みだと思います。

舞台で活躍する教師の姿は生徒さんにとって具体的な目標になります。生徒さんが講師陣の演奏会に足を運んでくれることも少なくありません。「こういう演奏をしたい」「自分もあそこで演奏してみたい」などモチベーションにつながってくれたらいいな、と思っています。

私たちのレッスンは型にはまった指導ではなく、常に新しい発見や研究成果を取り入れています。フルートは最初の音出しはレッスンの中で意外と簡単にできますが、基礎が固まってからが本当の成長の始まりです。常に自己研鑽を続ける教師が側にいることで、生徒さんの可能性も広がると確信しています。

特にお子さまには楽しくレッスンしていただきたいと思っていますが、難しい課題にぶつかった時には「なぜできないのか」を一緒に分析し、解決法を共に見つける過程を大切にしています。こうした姿勢は音楽だけでなく、人生のあらゆる場面で役立つ学びになると考えています。

「生活の中に音楽を」── 楽しさを中心に据えた指導哲学

ー生徒さんを指導するにあたって、特に大切にしている方針はありますか?

鈴木:「生活の中に音楽を」という理念を何よりも大切にしています。初めから音楽大学への進学やコンクール出場を目標にするのではなく、まずはフルートの魅力と音楽の楽しさを知ってほしいと思ってレッスンしています。

私自身がフルートへの情熱が強いため、時にレッスン内容が濃密になることもありますが、多くの生徒さんが「楽しい」と感じながら続けてくださっています。単に曲を演奏するテクニックだけでなく、音楽そのものの素晴らしさを感じとる感性を育てることを大切にしています。

ー楽しさを実感してもらうための工夫はありますか?

鈴木:実は、‟特別な仕掛け”は必要ないと考えています。フルート自体、音楽自体が本来持つ魅力が十分だからです。例えば、初めて音が出た瞬間の喜びは何物にも代えがたいものです。

また、生徒さんによって音楽との向き合い方は様々です。理論的な構造に興味を持つ子もいれば、体力のある子は長い音を持続できることに達成感を覚えたりします。音楽や演奏することはスポーツ、歴史、数学など様々な要素を含んでいます。そのためそれぞれの生徒さんの得意分野や興味を見つけて伸ばすことで、自然と楽しさが広がっていきます。

数ある楽器から、自分でこの楽器がやりたい!と選んで教室に体験に来る方ばかりなので、「誰かに言われて習わされている」ということが無く「自分が習いたい」という主体性で来られる方が多いのも特徴です。フルートを通じて音楽に目覚めた生徒さんには、音楽の基礎知識を身につけるためにピアノも学ぶと相乗効果が高いと考え、今年からピアノコースも開設しました。

充実のコース設計と柔軟なレッスン体制

ーどのようなコースやプランをご用意されていますか?

鈴木:生徒さんの目標や生活スタイルに合わせて、いくつかのコース設計をご用意しています。

フルートコースでは月謝制の定期レッスンを基本としており、月に4回しっかりと学べる環境を整えています。また、お忙しい方や集中的に特定の課題に取り組みたい方のために、都度払いのワンレッスン制も設けています。

吹奏楽部の生徒さんには、コンクールや定期演奏会に向けた短期集中レッスンなど、目的に応じた特別プランもあります自分のペースで音楽を楽しみたい方から、より専門的に学びたい方まで、幅広いニーズにお応えしています。

今年(2025年)4月に新設したピアノコースも、初心者の方からしっかり学べるカリキュラムを構築しました。特にフルートと併用される方には割引も適用し、総合的な音楽力を身につけられるよう配慮しています。

基本的には教室での対面レッスンを大切にしていますが、天候不良や体調不良の際には柔軟にオンラインレッスンに切り替えることも可能です。生徒さんの状況に寄り添い、継続的に音楽を楽しめる環境づくりを心がけています。

未来への展望 ── フルートオーケストラの充実とピアノコースの発展

ー今後強化していきたい点や、あらたに取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

鈴木:現在、年に2回発表会を開催しており、(2025年)4月27日には春の発表会を予定しています。発表会の目玉はフルートオーケストラの合奏で、30人近い生徒さんが一堂に会し、アンサンブルを楽しんでいます。

生徒さんの技術レベルが向上してきたため、アルトフルートやピッコロなど、フルート族の様々な楽器への興味も高まっています。今後はバスフルートなども導入し、より多彩な音色を持つフルートオーケストラへと発展させていく計画です。

また、最近は小学生未満のお子さまからも「フルートをやりたい」というリクエストが増えています。そうした幼いお子さま向けに「ファイフ」という小型フルートのグループレッスンも検討しています。

ピアノコースについては、音楽教育の基礎として、フルートとの相乗効果を最大化するカリキュラム開発に力を入れていく予定です。

ーフルートは小学2年生からとのことですが、それより小さなお子さまが始められない理由は何ですか?

鈴木:主に楽器の重さと体力的な問題があります。フルートは金属製で子どもには扱いづらく、正しいフォームを維持するには一定の体力が必要です。そのため、小学校低学年以下のお子さまには「ファイフ」という小型の楽器や「カーブドヘッド」という曲がったフルートから始めていただき、小学校中学年くらいから徐々に通常のフルートへ移行していくのが理想的です。

音楽を愛する全ての方へ ── 鈴木先生からのメッセージ

ー最後に、『森のフルート教室 おまり』への入会を検討されている方々へ、メッセージをお願いします!

鈴木:フルートという素晴らしい楽器との出会いは、人生を豊かに彩ってくれるものです。特に、初めて息を通して音が出る瞬間は何物にも代えがたい感動があります。その特別な瞬間を一緒に喜び合えることを、私はいつも楽しみにしています。

体験レッスンからスタートし、その後はそれぞれの個性や目標に合わせたレッスンを心がけています。新しい技術を習得する喜びや、曲が完成した時の達成感など、音楽を通じて得られる様々な感動を大切にしながら、楽しくレッスンを続けていただきたいと思っています。

「生活の中に音楽を」という私たちの理念に共感していただける方、フルートの美しい音色に魅了された方は、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。音楽を通じた新たな出会いを、心よりお待ちしております。