園長同士の学び合いから生まれた支援の輪 – NPO法人Cocoro-Neの大久保さんにインタビューしました!

保育・教育関係者や保護者、地域の方々をつなぎ、子どもたちの健やかな成長を支援する「NPO法人Cocoro-Ne」。2023年9月の設立以来、相談業務や講演会、イベントなど多岐にわたる活動を展開しています。

今回は代表の大久保さんに、活動への想いや今後の展望についてお話を伺いました。

保育の現場をつなぐネットワークづくりから始まった活動

ー団体の概要について教えてください。

大久保:私たちの活動は、保育園や幼稚園の園長先生、保育士など教育や保育に携わる方々をはじめ、保護者の方やお子さん自身、地域の方々まで、幅広い方々を対象としています。

主な活動としては、園長会の開催や保護者様の子育て相談、発達相談、ご依頼に応じた研修の実施、講演会の開催などを行っています。また、地域でのイベントも開催し、地域全体で子どもを支える取り組みを推進しています。

ー活動を開始したきっかけを教えてください。

大久保:Cocoro-Neを法人として設立したのは2023年9月ですが、活動のルーツは3、4年前に遡ります。当時、私は東京都港区で企業主導型保育事業の園長を務めていました。

その際、認可外保育施設の園長たちが集まって相談できる場所が少なかったため、「赤坂キッズコミュニティ」という名前で園長会を立ち上げました。各園長に企画書を持っていき、共に課題解決を目指す取り組みからスタートしたのです。

この園長会での活動を通じて園長同士が相談し合うことで、認可外保育園の園長が一人で悩むことが少なくなり、課題解決のスピードも上がりました。また、共同で避難訓練を実施するなどの具体的が成果も生まれました。

こうした取り組みを他の地域にも広げることで、より多くの園長先生や保護者の方、そして子どもたちを支援できるのではないかと考え、法人化を決意しました。

多様な支援活動を通じて子どもたちの成長をサポート

ー活動内容についてより詳しく教えてください。

大久保:主な活動として、園長会の開催、保護者向けの子育て相談、発達相談、研修や講演会の実施、地域イベントの開催などを行っています。

昨年9月からは、保育や教育の枠を超えて地域全体で子どもを支える仕組みづくりを目指し、地域イベントにも力を入れています。

保護者からの相談では、お子さんの発達に関する不安や、保育園との関係づくりに悩む声が多く寄せられます。私自身、長年保育士として働き、園長としても経験を積んできました。

その経験を活かし、単なる相談だけでなく、具体的なアプローチ方法も含めて提案しています。メンバーの中にはモンテッソーリ教育のディプロマを持つ者も多く、多角的な視点からアドバイスができることも特徴です。

イベントでは、リトミックやIT教育、モンテッソーリ教育の体験会、子ども食堂との協働など、様々な企画を実施しています。

ーお子さんと接する際に特に意識していることはありますか?

大久保:私たちがNPO法人を設立した際の原点は、「子どもたちがより良く生きられるように」という想いでした。残念ながら、生きることを諦めてしまう子どもたちも実際にいます。

そうした中で、一人でも多くの子どもたちに手を差し伸べ、その子自身のペースで豊かに生きていけるよう支援することを常に心がけています。

イベントや相談業務では、それぞれの場面に応じた適切なアプローチを心がけていますが、常に子どもたちの幸せを第一に考え、活動を行っています。

プラットフォームとしての役割を目指して

ー今後、さらに強化していきたいことがあれば教えてください。

大久保:活動を進める中で見えてきた課題の一つが、支援団体同士の連携不足です。本当に支援を必要としている方々が、適切な支援先にたどり着けないケースが多くあります。

そこで私たちは、既存のホームページを活用し、さまざまな支援団体をつなぐプラットフォームの構築を目指しています。

特に小規模なNPO法人など、独自のホームページを持つことが難しい団体にも、私たちのホームページを通じて情報発信の場を提供していきたいと考えています。

これまでは保育園や幼稚園の情報が中心でしたが、今後は支援団体の情報も広く掲載し、より包括的な情報プラットフォームを目指しています。

ー最後に、読者の皆様に向けたメッセージをお願いします。

大久保:今を生きる子どもたちは、次世代を担う存在です。子どもたちがより生きやすい日常を送れるよう、私たち大人が一緒に変わっていくことが大切です。

皆で手を取り合い、より良い社会づくりを目指していきましょう。一人ひとりの小さな変化が、子どもたちの未来を大きく変える可能性を秘めています。