2009年の設立以来、多くの団体と1300名以上の社会人をマッチングしてきたNPO法人「二枚目の名刺」。
本業以外での活動を通じて、社会貢献と自己成長の両立を目指す独自のプロボノプロジェクトを展開しています。
自分らしい生き方を模索する人々に新しい可能性を提供し続ける取り組みについて、「二枚目の名刺」の白石和彦さんにお話を伺いました。
「二枚目の名刺」が実現する、社会人と非営利団体の新しい協働の形
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ー どのような方を対象にどういった活動をされているのか教えていただけますでしょうか?
白石さん:「二枚目の名刺」は2009年に設立し、今年で16年目を迎えました。
主な活動は、企業に所属する社会人の方々(学生・シニア含)と非営利団体をマッチングし、社会人5、6人でチームを組み、非営利団体が抱える課題の解決のため、3ヶ月間の有期プロジェクトとして実施しています。
これまでに227の団体と協働し、約1300名の社会人がプロジェクトに参加してきました。
参加団体は、難病の子どもたちを支援する団体や環境教育に取り組む団体など、様々です。
社会人参加者の多くは、自身の成長や社会課題への理解を深めたいという想いで参加されていて、非営利団体の熱意ある方々との出会いや、異なる価値観を持つメンバーとの協働を通じて、大きな刺激を受け、変化を遂げていきます。
通常のプロボノとは一線を画す、独自のアプローチ
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ー この活動の強みやアピールポイントについて教えていただけますでしょうか?
白石さん:一般的なプロボノは、「ウェブサイト制作ができる人」と「ウェブサイトを必要としている団体」というように、特定のスキルでマッチングすることが多いのですが、私たちは異なるアプローチを取っています。
まずは団体の話を聞き、その思いに共感できる人たちとマッチングすることを重視しているため、スキルはその次の要素と考えているのです。
また、企業の人事部からも注目を集めていて、従来の社内研修だけでは対応できない、変化の激しい時代に求められる人材育成の場としても機能しています。
外部の多様な人々との協働を通じて、0から1を作り出す経験や、固定観念を打破する機会を提供しています。
参加者の自主性を重視した独自の成長支援
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ー 活動を進める中で大切にされていることは何でしょうか?
白石さん:参加する社会人の方々は、社会貢献への意欲と同時に、自身の成長も望んでいらっしゃり、私たちは、そうした思いを大切にしています。
しかし、細かい指示を出すのではなく、0から1を生み出す過程で感じる苦悩やモヤモヤも、成長の重要な要素だと考えています。
プロジェクトのテーマは、社会人メンバーと団体が話し合って決めていき、会社では経験できない「自分たちで課題を見出し、解決策を考える」というプロセスが、参加者の成長を促進しています。
多様な参加者が生み出す化学反応
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白石さん:参加者の職種や年齢は実に様々です。
営業、マーケティング、教員、団体職員など、業種を問いません。
最近では大学生の参加も増え、昨年は高校2年生が参加するケースもあり、SDGsや探究学習の広がりにより、若い世代の社会貢献への関心が高まっているのでしょう。
参加者の約1~2割は複数回参加されており、中には4つものプロジェクトに参加した方もいます。
この経験が人生の転機となったケースも少なくありません。
私自身、50歳で参加したことをきっかけに、大きな変化を経験しました。
未来に向けた新たな展開
ー 今後の展望についてお聞かせください。
白石さん:「二枚目の名刺」には2つの重要な方向性があります。
1つは、ミドルシニア層への展開です。
60代を迎える世代の多くは、会社中心の生活を送ってきたため、定年後の人間関係に課題を抱えることがあります。
そんなミドルシニア層の方には、このプロジェクトを通じて、新たな人間関係を築き、生き生きと過ごすためのきっかけを提供したいと考えています。
もう1つは、若い世代へのアプローチです。
高校生や大学生が早い段階から社会人と交流することで、より良いキャリア教育の機会を提供できると考えています。
既に大学との連携も始まっています。
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ー 記事を読まれた方へのメッセージをお願いできますでしょうか?
白石さん:会社での仕事も素晴らしいものですが、それだけでモヤモヤを感じている方、自分の力を外で試してみたい方は多いのではないでしょうか。
その一歩を踏み出す場として、私たちのプロジェクトを活用していただければ、3ヶ月という期間で、新しい可能性に触れることができます。
毎月、活動説明会やプロジェクト説明会を開催していますので、ぜひご参加ください。