音楽と数学の出会い!知性と感性を育むピアノ教育

音楽と数学の出会い!知性と感性を育むピアノ教育

音楽教育は、子どもたちの情緒を育む大切な学びの一環であり、特にピアノは優れた機能と深い魅力を持つ楽器です。ピアノを学ぶことは、音楽を楽しみながら自己表現能力を向上させるとともに、脳の数理的な認識機能の訓練に繋がると言われています。

今回は、「音楽」と「数学」の関係に着目した教育方法を採用する、あるピアノ教室のインタビューをお届けします。インタビューを通して、どのような指導が行われているのか、その特徴や今後の展望、そして音楽教育の意義について詳しくお話を伺いました。

音楽と数学を同時に学ぶ最初の一歩

ピアノのレッスンを開始する年齢が早ければ早いほど、子どもの成長に良い影響を与えることが知られています。しかし、幼い子どもにとって、音符を読みながらピアノを弾くことは大変難しく、そこで重要になるのが「音楽と数学」を関連づけて学ぶことです。

ピアノを学ぶ際、まずは数の概念やパズル的な活動を通じて、音楽と数学を関連づけることが大きな助けになります。というのは、音の長さやリズムのパターンは数や図形の概念と結びついており、音を表す音符の意味を理解するためには、数を数えることや図形を認識する知性が必要になるからです。

そこで、3歳~4歳の小さなお子さんには、数と音符と音のつながりを視覚的・感覚的に学べるように工夫しています。

このようなことは、もしかしたら回り道のように見えるかもしれませんが、音楽と数学を組み合わせて学ぶことにより、音符を読む能力を早期に身につけることができます。

3歳~4歳の段階で音符を正しく読めるようになるなら、それはかなり進度が早いと言えますが、実際にこの方法を取り入れた生徒たちは、順調に音楽の理解を深めていきます。もともと音楽は、知性と感性が結びついたものですから、音楽を学ぶことにより、知性と感性をともに育てることができると言えます。

絵本や楽しい教材から情感を育むピアノ演奏へ

音符の理解が進むと、4歳の子どもでも、楽譜を読みながら両手で演奏できるようになります。その過程では、目で見て理解した音符の意味と、実際に演奏する手の動きとの連携が必要になります。この連携がスムーズに行えるようになることは、ピアノを弾く上での重要なスキルです。楽譜を正しく読めるようになることはとても大切です。

とは言え、幼い子どもはまだ集中力が続きませんから、かわいい絵が描かれた楽しい教材を使ったり、場合によっては、絵本を読んで聞かせたりすることもあります。絵本は、子どもの情緒を育て、信頼関係を築くためにも大切です。

音楽を聴くこと、そして音楽を体で感じることも、ピアノの学びには欠かせません。聴覚を鍛え情感を豊かにすることは、音楽的な感覚を磨き、演奏のクオリティを向上させる基礎となります。

またレッスンではベヒシュタインとシュタインウェイのピアノを使用していますが、質のよい楽器で練習することは、音楽的な成長を支える重要な要素です。

心身の成長に配慮した指導

生徒一人ひとりに十分な時間をかけるために、教室の規模を大きくし過ぎないようにしています。ピアノは難しいことへの挑戦ですから、無理なく楽しく学べるように工夫する必要があります。

無理をしてピアノ嫌いになってしまわないよう、適切なペースを守って楽しい気持ちを維持することが、長期的な成長を促す要因となります。また、ピアノを弾くことばかりでなく、余裕をもって子どもの心身の成長をみつめ、必要な配慮をすることも大切です。

大人の生徒にも対応

ピアノ教室と言えば、子どものレッスンが中心となることが多いですが、この教室では大人の生徒も多く、年齢に関係なくピアノを楽しんでいます。特に大人の場合は、弾きやすく音の美しい楽器を使うことが大切です。

教室に置かれている高品質の楽器を弾くことにより、美しいピアノの音を楽しみながら、自分の感情を表現できる力を養ってもらいたいです。ピアノを通じて自己表現の方法を知ることは、日常生活にも良い影響を与えるはずです。

大人の方には、月2回の1時間ずつのレッスンが基本となりますが、場合によってはレッスン回数を調整することもあります。

発表会について

人に聴いてもらう機会をもつことは、練習のモチベーションを高め、さらなる成長を促す励みになります。生徒さんたちの希望に応じて、毎年発表会などを開催し、練習の成果を発表する機会を作りたいと思っています。

音楽教育の意義

最後に、ピアノ教育を通じて伝えたいことは、音楽の楽しさと苦労の先にある大きな喜びを味わってほしいということです。ピアノは決して簡単なものではありません。

しかし、その過程で得られる達成感や喜びは何ものにも代えがたいものです。子どもたちにも大人の生徒さんたちにも、ぜひその喜びを知ってもらいたいと思っています。

音楽は人の心の深みに触れる力があり、ピアノはその中でも特別な存在です。この教室では、音楽と数学の関係を意識しながら、一人ひとりのペースに合わせた指導を行うなど、楽しく充実したピアノの学びを提供しています。

このようにして学んだ音楽が、生徒さんたちの心身の成長を促し、その人生を豊かなものにしてくれること、そしてそのことが次の世代のためのよい環境を作ることにつながるよう願っています。