ピアノを学ぶことは、単に技術を身につけるだけでなく、感性を磨き、表現する喜びを知る旅です。神奈川県で開かれている『ピアノ教室 Mio Piano Lesson Room』は、そんな音楽の旅を一人ひとりに寄り添いながら導く温かな教室です。主宰の小瀬村美央先生が大切にしているのは、「楽しく学ぶこと」と「それぞれの生徒に合った指導」。4歳の子どもからシニアまで、幅広い年齢層の生徒が集まるこの教室では、独自に開発した「ゆびれんカード」を活用し、楽譜が読めなくても楽しくピアノを学べる工夫が施されています。また、単なるテクニックだけでなく、音楽を通じた自己表現や成功体験を大切にするなど、生徒一人ひとりの可能性を広げる指導が行われています。今回は、そんな『ピアノ教室 Mio Piano Lesson Room』の魅力と、小瀬村先生の音楽への思いについてお届けします。

ピアノ指導歴23年。温かくアットホームな雰囲気の『ピアノ教室 Mio Piano Lesson Room』主宰。
6歳よりピアノを始め、洗足学園音楽大学ピアノ専攻を卒業後、専攻科まで修了。在学中には卒業試験で優秀賞を受賞し、卒業演奏会にも出演するなど、確かな実力と豊かな音楽経験を持つ。
声楽やオーボエ、サックス、ヴァイオリン、マリンバ、トランペットなど幅広い楽器の伴奏経験もあり、演奏活動も多数。その経験を生かした多角的なアプローチで、生徒一人ひとりに寄り添った指導には定評がある。
「楽しさ第一」が奏でる心地よい学びの空間

ー 小瀬村さま、本日はどうぞよろしくお願いいたします!まず簡単に、どういった方を対象にしている音楽教室なのか、『ピアノ教室 Mio Piano Lesson Room』の概要についてお伺いできますか?
小瀬村美央先生(以下、敬称略):弊教室では、小さいお子さんからシニアの方まで、年齢を問わず音楽を楽しみたいすべての方を対象としています。中心となるのは小中学生の生徒さんたちですが、音楽の楽しさを伝えるという理念は変わりません。
生徒さんの年齢層は現在、最年少が4歳で、60代くらいの方まで幅広く対応しています。中心となっているのは小中学生の生徒さんが多いですね。
指導において最も大切にしているのは、音楽を楽しむ心を育てることです。まずは楽しく来ていただくことが一番だと思っているので、楽しい空間作りや時間作りを大切にレッスンしています。また、どの生徒さんにも分かりやすく、ご本人に伝わる丁寧なレッスンを心がけています。
自由な教育を求めて ― 独立への情熱

ー小瀬村先生が『Mio Piano Lesson Room』を開設された経緯やきっかけを教えてください。
小瀬村:元々は某音楽教室の講師をしておりました。会社組織の中で教室の講師として勤めていたのですが、独自のレッスン展開など、自分が大事にしたいことをより追求したいと思うようになりました。そこで当初は細々とではありましたが、自宅で自分らしいオリジナルのレッスンができる環境を作りたいと思い、教室を開いたのがきっかけです。
会社という大きい組織に所属していることで学んだことも多くあり、素晴らしい出会いもありました。それらの経験を活かしつつ、自分のオリジナリティが出せる教室作りを展開していきたいという思いが独立の原動力となりました。
“ゆびれんカード” ― 音符が読めなくても弾ける魔法のツール

ー他のピアノ教室とは違う、『Mio Piano Lesson Room』ならではのアピールポイントを教えてください。
小瀬村:この1、2年の間(2025年現在)に開発したものなのですが、「ゆびれんカード」という独自教材があります。楽譜が読めない生徒さんが基礎練習をする際に、音符を一生懸命読みながら弾くことに苦手意識を持ってしまうことがあります。そこで、楽譜が読めなくても練習できる「ゆびれんカード」を手作りで作成し、レッスンで活用しています。
かなりの効果があり、特に小さなお子さんには好評です。「勉強しなきゃ」という感覚ではなく、自然と楽しみながらテクニックを身につけられるよう工夫しています。これは、他の教室にはないオリジナルポイントだと思います。
このカードは、「指」と「練習」を組み合わせた言葉で、楽譜を読むのに抵抗がある子どもたちや大人の初心者にとって、テクニックを楽しく学べる画期的な教材です。言葉にリズムを当てはめたり、コード進行の練習ができたりと、音楽の基礎を遊びながら身につけることができます。
ー大人になってから、初めてピアノを習いたいという方も多いですよね!
小瀬村:そうなんです。「指が全然動かない」とか「ドレミがどれかわからない」という方でも、このカードを使えば簡単な言葉と一緒に指を動かす練習ができるんです。
目線を合わせ、心を開く ― 成功体験を育む指導法

ー生徒さんに指導する際、特に意識していることや方針があれば教えていただけますか?
小瀬村:特に小さな生徒さんには、同じ目線で接することを心がけています。わかりやすく言うと、顔の位置も合わせて目が合うようにしています。小さな子どもだと、どうしても大人が上から物を言うような形になりがちですが、同じ背丈に合わせて「そうだよね」とお友達のように話しかけることで、子どもたちが心を開いてくれるんです。そういった関係性づくりを大切にしています。
また、生徒の「できた!」という成功体験を大切にしています。難しいことに挑戦する際も、できた瞬間を逃さず褒めることで、生徒の自信を育てています。
ピアノは楽譜を読み、指を動かすという難しい作業が多いので、生徒さんも「できるかな、できないかも…」という気持ちで来られます。でも、できた瞬間があったらとにかく褒めて、「今できたよね!できた!」ということを実感してもらうようにしています。そうすると、本当にできるようになるもので、「できる」と思った瞬間に実際にできるようになる。そうやって上達していくんですね。それをとても大切にしています。
ー小瀬村先生は、話していてもとても優しそうなイメージがありますね!私は完全な昭和世代なのですが、姉がピアノを習っていた頃は、先生がすごくスパルタだったんです。毎回レッスンで泣いていましたが、それでもすごく上手くなりました。最近の風潮である‟褒める教育”と‟昔ながらのスパルタ式の指導”では、上達の度合いについてはどうお考えですか?
小瀬村:それは生徒さんの年齢や目標によって変わると思います。私がお伝えした「褒めて伸ばす」指導は、特に小さな子どもには効果的だと感じています。ただ、より専門的なレベルを目指す生徒さんや、コンクールに挑戦したい子には、ある程度負荷をかけることも必要な場合があります。
「この子にはこのタイミングで厳しく言っていいかな」「この子はまだ褒めて伸ばす段階かな」というのは見極めるようにしています。ただ、小さな子どもに厳しすぎるとピアノが嫌いになってしまい、元も子もありませんよね。
あなたのペースで学べる多彩なレッスンプラン
ー提供されているコースやプランについて教えてください。
小瀬村:大きく分けて、「子ども向けのコース」と「大人向けのコース」を用意しています。
子ども向けには、30分レッスンの「基礎コース」と、より専門的に学びたい生徒さん向けの45分の「応用コース」があります。
大人の方は目的がそれぞれ異なるので、月謝制のレギュラーレッスンから、不定期に通いたい方向けのプランまで、ニーズに応じて柔軟に対応しています。
ーコンクール対策や単発レッスンなども受け付けていますか?
小瀬村:はい、ご相談いただければ対応可能です。
音楽家の家に生まれて ― 小瀬村先生の音楽への情熱

ー小瀬村先生ご自身の音楽との出会いや経歴について教えてください。声楽家のお父様の影響もあったと伺いました。
小瀬村:父が声楽(テノール)をしていたので、子どもの頃から自然とピアノのある環境で育ち、ピアノを習い始めました。大学卒業後は、さまざまな楽器奏者からの依頼で伴奏する機会が多く、今でもアンサンブルが大好きで取り組んでいます。
中学時代はピアノではなく吹奏楽部でユーフォニウムを演奏していました。なぜか低い音の楽器が好きで(笑)、現在でもチェロなど、温かみのある低音の弦楽器の音色が好きですね。
ーホームページで「ピアノの講師の仕事はお医者さんの仕事と実は良く似ている」という言葉がありましたが、どのような意味があるのでしょうか?
小瀬村:少し大げさに聞こえるかもしれませんが、私はピアノ教師の仕事は医師の仕事と似ていると考えています。それぞれの生徒の個性や課題を見極め、最適な「治療(指導)」を行うことがピアノ教師の使命だと考えているからです。
生徒さんはそれぞれ異なり、悩みも人によって違います。お医者様が患者さんの症状を見つけ、その人に合った治療で回復させるように、ピアノ教師も生徒一人ひとりに合わせた指導が必要です。「この子に足りないところは何か」「この子のどこを伸ばしたら上手くいくか」を見極める力が、教師として最も大切なことだと思います。
この「見極める力」は、長年の経験から培われてきたものです。若い頃、20代や30代の頃はそういった見極めが難しく、生徒さんにこちらの真意が伝わらないことがありました。「なぜこの子が嫌がっているのか分からない」という状態だったんです。でも経験を積んできたことで、「この子にはこういう言い方をしたら良かったかな」と模索しながら、大切なポイントが見えてくるようになりましたね。
未来を奏でる教室づくり ― 生徒同士の絆を深める場へ

ー今後強化していきたい点や、あらたに取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
小瀬村:個人レッスンが中心なので、どうしても生徒さん同士の交流が少なくなりがちです。実際には様々な曜日に多くの生徒さんが来ているので、その生徒さん同士の交流の場をもっと作っていきたいと考えています。
発表会のような機会を増やし、お互いの演奏を知ることで励みになったり、同年代の友達ができたりする「一人ぼっちではない」と感じられるような教室の雰囲気づくりやイベントを、もっと充実させていきたいですね。
音楽との出会いを約束する場所 ― 一歩踏み出す勇気のために
ー最後に『ピアノ教室 Mio Piano Lesson Room』に入会を考えている方へ、メッセージをお願いします!

小瀬村:音楽を始めるのに「遅すぎる」ということは決してありません。ピアノに興味をお持ちの方は、ぜひ一度教室を訪れてみてください。生徒さんが心を開いて音楽と向き合える空間であることを、とても大切にしています。
温かみのある落ち着いた雰囲気の中で、一人ひとりが自分のペースで音楽を楽しめる場所を目指しています。「弾けるかな」「難しいかな」という不安を抱えていらっしゃる方も多いと思いますが、そんな心配は無用です。最初の一歩を踏み出す勇気さえあれば、あとはきっと音楽の楽しさが背中を押してくれるはずです。
初めての方には無料の体験レッスンをご用意しています。肩の力を抜いて、リラックスした気持ちでお越しください。あなただけの音楽の旅を、一緒に始めましょう。