『みんなの冒険教室』は、小学生を対象とした体験型の学びの場です。バイオリンを分解して音の仕組みを探ったり、気象予報士から天気の不思議を学んだり。各界の第一線で活躍するプロフェッショナルたちが、子どもたちの『やってみたい』を応援しています。教育現場での経験を持つ代表の齋藤さんに、教室に込めた想いと特徴を伺いました。
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好きなことを見つけ、将来に繋げる体験型教室
ー まずは、みんなの冒険教室の概要についてお聞かせください。
齋藤さん:小学1年生から6年生までの児童を対象としています。私たちの目標は、子どもたちが自分の「好き」や「楽しい」を周囲の人に伝えられる環境を作ることです。将来の進路を決める際に、自分の興味や関心に基づいた選択ができる子どもを増やしたいと考えています。
教室の内容は算数、国語、理科、社会、アート、体育など、学校の教科に沿った幅広いジャンルの体験型教室を提供しています。例えば、サイエンスの授業では化石や気象について学び、音楽の授業ではバイオリンを分解して音色の仕組みを探るなど、体験を通じて学びを深めています。
授業は月1回、1回につき2時間程度で開催しています。日曜日や祝日に開催されることが多いため、保護者の方も一緒に参加できる形式を取っています。工作やイラストなどの実践的な内容の際は、保護者の方も一緒に体験していただけます。
多彩な分野のプロフェッショナルによる体験型学習
ー 講師陣の特徴について教えてください。
齋藤さん:各分野の第一線で活躍するプロフェッショナルが直接指導を行うことが特徴です。例えば、気象の授業では気象予報士が講師を務め、歴史の授業では吉本興業の芸人さんが担当します。
弁護士による法律の授業では、実際の事例をもとにディスカッションを行い、地理の授業では自分だけの国旗をデザインするなど、各分野の専門家ならではの体験型学習を提供しています。
教育現場での経験から生まれた想い
ー みんなの冒険教室を立ち上げたきっかけを教えてください。
齋藤さん:私は教育会社で長年働いており、1000組以上の親子と進路面談を重ねてきました。その中で、子どもたちが自分の好きなことを進路に結びつけられない、または自信を持って主張できないケースが多いことに気づきました。
そこで、感性が豊かな小学生の時期に、自分だけの「好き」を見つける機会を提供したいと考えたことがきっかけです。さらに、好きなことを仕事にしている大人と直接触れ合うことで、将来の可能性を具体的にイメージできる場を作りたいという想いで現在も運営を続けています。
起業までの道のりと運営の実際
ー 起業から現在までの道のりを教えてください。
齋藤さん:2021年1月に活動を開始し、現在で約3年半が経過しています。当初は会社での実現を目指しましたが、プロフェッショナルを招聘する人件費や経費の問題から、個人での起業を決意しました。
最初の1年は赤字での運営でしたが徐々にファンが増え、支援の輪が広がってきています。また、2023年には法人化を果たし、より安定した運営基盤を整えています。
みんなの冒険教室ならではの特徴
ー 他の教室との違いについて教えてください。
齋藤さん:最大の特徴は、その道のプロフェッショナルと直接触れ合える点です。単なる講義ではなく、一緒に手を動かし体験できることが重要です。これはキャリア教育的な要素も含んでいます。
現代は一つの職業に留まらないキャリアが一般的になってきています。そのため、様々な分野のプロフェッショナルと出会い、体験を共有できる機会は非常に貴重だと考えています。保護者が普段提供できない機会を作り出すことが、私たちの役割だと考えています。
コース料金体系
ー 料金体系について教えてください。
齋藤さん:全ての講座を一律5,500円で提供しています。また、2回セットでの申し込みの場合は特別価格を設定しています。申し込みは公式ホームページから簡単に行えるシステムを導入しており、Peatixを利用して受付を行っています。開催予定の講座情報もホームページで随時更新しているので、興味のある講座をお選びいただけます。
今後の展望
ー 今後の展開についてお聞かせください。
齋藤さん:将来的には、常設の教室を持ちたいと考えています。子どもたちが気軽に訪れ、様々な分野のプロフェッショナルと出会える場所を作ることが目標です。
また、地方在住の方々からの要望に応えるためのオンライン配信や、自宅で体験できるプロダクトの開発も進めています。さらに、複数の授業を連携させた、子どもたちが「冒険の旅」をするような新しい取り組みも始めています。
これは、小説家との物語を作り、その物語文を使って、作詞作曲、アート制作を組み合わせた、より深い学びを提供するプログラムです。(2025年3月から実施予定です)
メッセージ
ー 最後に、参加を検討されている方へメッセージをお願いします。
齋藤さん:授業のジャンルによっては難しそうに感じるかもしれませんが、気軽に参加していただきたいと思います。
例えば、気象の授業は1、2年生には難しいのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、実際には子どもたちの吸収力は素晴らしく、プロの講師陣が分かりやすく教えてくれるため、楽しみながら学んでいます。
保護者の方が興味を持った内容は、子どもたちもそのアンテナを持っていたことに気づき、楽しんでくれることが多いです。実際に多くの参加者の方から「想像以上に楽しかった」という感想をいただいています。
また「冒険教室で学んだ授業内容の会話を家で子供とできることが嬉しい」とお話いただくこともありました。
一方的な講義ではなく体験を通じて学ぶ場なので、普段の学校の授業とは一味違う学びの時間を過ごすことができます。
さらに、歴史の授業では芸人さんによる楽しい解説で子どもたちが前のめりになって聞き入り、保護者の方も一緒に笑顔になるなど、家族で共有できる貴重な体験の場にもなっています。ぜひ遊び感覚で気軽に参加してみてください。きっと、お子様の新しい「好き」や「得意」を発見できる機会になると思います。