楽器初心者を情熱で支えるフルート奏者が語る音楽教室の魅力

年齢を問わず音楽を楽しむ場を提供する「フルートクライス」。その名前にはドイツ語で「仲間」を意味する温かさが込められています。講師の上坂氏が語る、初心者に寄り添う姿勢や、年5回もの発表会を通じた上達法、そして音楽と料理という意外な組み合わせから生まれた新たな展開まで、「フルートクライス」でのフルートレッスンの魅力を深掘りします。

フルートクライスの教室と対象者について

ーどういう対象の方にどんな内容のレッスンをされているかをお聞かせください!

対象は年齢を問いません。楽器が持てる年齢であれば誰でも大丈夫です。キャリアも性別も問わず、上限もありません。現在、最高齢の生徒さんは75〜76歳くらいです。

レッスン会場は複数あります。一つは品川にある教会の教室で、もう一つは東京都内のスタジオを借りて行っているプライベートレッスンです。もともとは愛好家の人たちが集まって練習会をしたり発表会を開いたりする中で、レッスンの希望があればお教えするという形で始まりました。地方の方も多く、単発でのレッスンも行っています。

レッスンを始めたきっかけ

ー講師としてレッスンを始められたきっかけや経緯を教えてください!

学生時代から音楽教室で教えていました。その後、教室ではなく「私の自宅まで来るから教えてほしい」という方が増え始め、どんどん広がっていったという感じです。今はSNSやホームページを見て問い合わせをいただくことが多いですね。ただ、私のベースはあくまで演奏活動です。その活動があってこそ教えることができますので、演奏活動はとても重要だと思っています。

他の教室にはない特徴とアピールポイント

ー他の教室にはない特徴や、アピールポイントを教えてください!

大きな特徴は、発表の機会が非常に多いことです。年に2回は1000席ほどのホールで、小さい発表会も含めると年に5回ほど発表会を開催しています。これは平均的な教室と比べると異例に多いと思います。出演は強制ではなく希望制ですが、ほとんどの生徒さんが発表会を目指して練習しています。発表会が終わると次の発表会に向けてまた練習するというサイクルになっていますね。

発表会では他の生徒さんとも交流できますし、打ち上げもあります。趣味で楽器をやっている方にとって、そういう時間はとても大切だと思います。

スタジオでのプライベートレッスンは、日時の融通が利きます。隙間時間にレッスンを受けたい方にも対応できますし、都合が悪くなった場合も変更可能です。通常の教室だと休みになってしまうところを、私の場合は柔軟に対応します。

また、日常的に演奏活動をしていますので、そこからのフィードバックは、教室活動だけをしている場合よりも実践的な技術や音楽の本質をお伝えできると思います。演奏会も開いていますので、生徒さんには私の演奏を聴いて評価していただくこともできます。

生徒さんに大切に伝えていること

ーいつも生徒さんに特に大切に教えていることはありますか?

アマチュアの方は本業が他にある方がほとんどです。ですから、楽器のために十分な練習時間が取れないのは当たり前のことなんです。レッスンから次のレッスンまでの間に練習が十分でないこともあります。そこで私が皆さんにお伝えしているのは、「出来るか出来ないかではなく、その時に出来る一生懸命をやればいい」ということです。「ここまで出来なければダメ」と言う先生もいらっしゃると思いますが、社会人の方が多い教室では、練習しろと言っても無理な場合があります。

正直に言うと、前回のレッスンから今回のレッスンまで楽器のケースの蓋を開けてない方もたまにいらっしゃいます(笑)。でも、それはそれでいいんです。レッスンに来てくださっただけでOKです。その場で一生懸命やってくださればと思っています。必ずしも上達だけが目的ではなく、音楽に関わることで色々な刺激を受けたり、他の人と知り合って楽しい時間を過ごしたりすることも大切だと考えています。

レッスンの詳細とコース内容

ーレッスンのコースやプランについて詳しく教えてください!

品川の教会での教室レッスンは1回40分で、プライベートレッスンの場合は1回1時間、30分刻みで延長も可能です。本番前に急いでいる場合は2〜3時間のレッスンをすることもあります。体験レッスンも行っていますので、フルートに興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。現在、品川の教会では火曜・水曜クラスを開講しています。

料金については、ホームページで確認できます。 https://f-kreis.com/lesson/

品川教会のレッスンはこちらです。↓

プライベートレッスンについては、お問い合わせフォームからご連絡ください。

今後の展望

ー今後レッスンにおいて強化していきたい点や新たに取り組みたいことはありますか?

基本的には1対1のレッスンが中心で、一人で演奏する独奏やピアノ伴奏付きの演奏、あるいは私と二重奏するスタイルが多いのですが、今後は大編成での合奏も企画できればと考えています。

フルートクライスの生徒さんの中には、フルート以外の楽器もやっている方がいらっしゃいます。そういった方々も含めた多様な編成での演奏の機会を増やしていきたいですね。もちろん、「こんな楽器をやっているけど一緒にできますか?」という外部の方からのご相談も大歓迎です。

ただ、大人数での合奏となると連絡調整や練習場所の確保など課題も増えますので、その辺りを上手く整理しながら広げていきたいと思っています。

また、大阪でも活動しており、2ヶ月1回大阪に行ってレッスンを行い、12月には大阪でも生徒さんの発表会を開催しています。東京の生徒さんが大阪の発表会に参加したり、その逆もあったりと、地域を超えた交流も大切にしています。

フルートを始めたい方へのメッセージ

ーこれからフルートを始めたいと考えている方へメッセージをお願いします!

フルートは最初に音を出すところが一番の壁です。中には楽器を持ったらすぐに音が出る方もいれば、1ヶ月かかる方もいます。でも、時間が経って6ヶ月、1年経つと、最初の違いはほとんどなくなります。本当に最初だけの壁なんです。

自分でできなかったことができるようになる感動はとても大きいものです。曲のジャンルもクラシックに限定せず、やりたいことを楽しくできればいいと思っています。大人になって初めてフルートを始める方も大歓迎です。うちの教室では70歳を超えてから始めた方もいらっしゃいますよ。その方は今でも現役で仕事をしながら頑張って練習し、発表会にも出演されています。

初めての方は、まずは品川の教会に来ていただいて、実際に楽器を触ってみるところから体験してみてください。楽器をお持ちでない方は、楽器選びのお手伝いもしています。予算に応じて一緒に楽器店に行き、相性の良いフルートを選ぶお手伝いをします。

最初の一歩として、まずはお話だけでも大丈夫です。私をどんな人間なのかを知っていただくことが大切ですし、相性もありますからね。

自分自身を知ってもらいたいと思いSNSで料理を投稿

実は音楽以外に料理が大好きなんです。SNSでも演奏活動だけでなく、料理の投稿をよくしています。「この人はどんな人間なのだろう」と知ってもらうために始めたのですが、それが思わぬ展開を生み出しました。

特に手打ちパスタ作りが得意で、それをSNSに投稿していたところ、NHKの料理番組のディレクターの目に留まり、出演オファーをいただきました。「激突メシあがれ~自作グルメ頂上決戦~」という番組に出演することになり、フルート奏者がパスタを打つという意外な組み合わせが話題になっています。

音楽活動と料理という一見関係ないように思える二つの活動が繋がった経験から、自分らしさを大切にすることの重要性を実感しています。フルートのレッスンでも、型にはまらず、一人ひとりの個性や事情に合わせたアプローチを心がけています。