親子で料理を楽しみながら、子どもの自立を育む「こどもキッチン」

大阪府茨木市で18年前に開校した『こどもキッチン』は、2歳から小学生までの子どもたちが親子で料理を楽しむ教室です。低農薬・無農薬の野菜や伝統的な製法の調味料など、素材へのこだわりを大切にしながら、子どもの自立心を育てています。台所での体験を通じて、子どもたちは包丁の使い方や火の扱い方など、将来必要なスキルを楽しみながら身につけていきます。

サービス概要

ーどのような方を対象に、どのような指導を行っているのでしょうか?

石井さん:こどもキッチンでは、大きく2つのクラスを展開しています。2歳から就学前の未就学児の親子クラスと、小学生親子クラスです。子どもが料理をすることを通じて自立心を育むことを目的としており、全てのクラスで保護者と一緒に参加していただいています。

2歳からのクラスは単発での募集で、月1回のペースで開催しています。小学生クラスは単発のクラスに加えて、和食に特化した3回コースも用意しています。1回のレッスンには平均して10組ほどの親子が参加され、特に昼食を作るクラスは人気があります。

設立の経緯・きっかけ

ー18年前に教室を始められた理由を教えていただけますか?

石井さん:きっかけは、自分の子どもを通わせていたモンテッソーリ教育の保育園との出会いでした。当時は別の仕事に就いていましたが、このモンテッソーリ教育に強く惹かれ、仕事をしながら教員資格(ディプロマ)を取得することにしました。

モンテッソーリ教育には、言語や数の分野に加えて「日常生活の練習」という、子どもが実際に手を使って活動する分野があります。例えば、花を生けたり、雑巾を絞ったりする活動です。

そんな中、とあるセミナーで「現代の家庭では、子どもが成長できる環境が台所にしか残されていない」という言葉を聞き、大きな気づきを得ました。昔の家庭には、雑巾を絞る、洗濯物を干すなど、手先を使う家事がたくさんありましたが、今ではその機会が減っています。しかし、台所だけは依然として、子どもが実践的に学べる場所として残されているのです。

この気づきと、「自分の子どもだけでなく、多くの子どもの自立を支援したい」という思いが重なり、料理教室という形でスタートすることを決意しました。

特徴やアピールポイント

ー他の料理教室との違いや、特徴的な部分を教えてください。

石井さん:素材へのこだわりが大きな特徴です。低農薬・無農薬の野菜や、抗生物質を使用していない肉を使用し、調味料も伝統的な製法で作られたものを選んでいます。シンプルな調理法で素材の味を活かすことで、家では食べない子どもでも、ここでは美味しく食べられるようになることが多いです。

また、親子で参加することも重要な特徴です。子どもが作った料理を大好きな親が美味しそうに食べる姿を見ることで、子どもは大きな自信を得ることができます。これは家族のコミュニケーションを深める良いきっかけにもなっています。

指導方針

ー指導の際に特に意識されていることはありますか?

石井さん:保護者の方には、子どもの活動をいかに見守るかを学んでいただくことを重視しています。大人は子どもが困っているとすぐに手を出したくなりますが、それは子どもの学びを妨げることにもなります。

2歳、3歳など手先指先をまだ器用には動かせない子どもも「自分で一人でできるようなりたい」と熱望しています。子どもの作業を(危険のない限りは)静かに見守ってみる、そうすると子どもは驚くほどの成長を見せます。

自在に動く器用な手先指先、包丁や火気など危険なものを安全に扱う術や食材をおいしく調理するコツなど、将来の自立に必要なスキルを楽しみながら身につけていくのです。

コース・料金体系

ー料金はどのような設定になっていますか?

石井さん:未就学児の親子クラスは1回5,200円、小学生クラスは5,900円から6,500円です。小学生クラスは調理時間が長めで作る量も多いため、参加費を少し高めに設定しています。(参加費は親子1組、大人1名・子ども1名分。2025年3月現在)

今後のビジョン・展望

ー今後、どのような方向性で運営していきたいとお考えですか?

石井さん:子どもは本能的に自立しようとしているので、大人がどうあれば子どもの自立を促進できるのか、子どもの自立を促す大人のあり方をさらに探究していきたいですね。現在は料理教室という形で実践していますが、将来的には別の形でも展開できればと考えています。

メッセージ

ーこどもキッチンに興味を持たれている保護者の方へメッセージをお願いします。

石井さん:子どもが「やりたい」と言った時は、成長のチャンスです。特に小さな子どもは、やりたいという気持ちが強く出てきた時が、最も伸びる時期です。

ただ、家庭では安全面が心配で、どう始めていいか分からないという方も多いと思います。そんな時は、ぜひ一度こどもキッチンを覗いてみてください。きっと「楽しい」「美味しい」「そうか、こうすればいいのか」という発見がたくさんあると思います。