空手を通じて人間形成を育む「K-top空手教室」

東京都小平市に本部を置く「K-top空手教室」は、空手を通して礼儀や挨拶といった人間形成の基礎を学ぶことを大切にしている教室です。今回は代表の野瀬秀宗さんに、教室の特徴や理念についてお話を伺いました。子どもたちにとっての「居場所」を大切にする野瀬さんの熱い想いがありました。

空手をツールとして大切なことを学んでいく

ー教室の場所と、どのような方を対象にされているのかを教えてください。

東京都内を中心に展開しており、千葉県、埼玉県、神奈川県にも教室があります。対象は幼稚園生からで、現在在籍している生徒の中で一番上は高校1年生です。あまり年齢制限は設けていません。元々空手道場では、大人から子どもまで一緒に稽古をするというのが主流ですので、続けたい限りは続けられる環境を整えています。

当教室では主に空手を指導していますが、あくまでも空手をツールとして礼儀や挨拶など、人間形成していく上で大切なことを学んでいくというのが主なコンセプトになっています。

ー教室を始められた経緯を教えてください。

私が10年前この教室を始めました。元々私は、スポーツ関係の習い事を提供している大手企業で約10年働いていました。その中で徐々に、自分の色を出していきたい、自分がこだわりを持ってやっていきたいという思いが強くなりました。会社では様々な制限がある中で、やり切れない部分を自分で体現したいと思い、周囲の後押しもあり、独立を決意しました。

教室名の由来

ー「K-top空手教室」の由来について教えてください。

「Kind to other people(人に優しく)」という意味があります。空手を通して自分が強くなることで、困っている人や自分より弱い立場の人に手を差し伸べられるような人になってほしいという願いを込めています。

これを考えた背景には、人と人との付き合いが希薄になってきている社会への懸念があります。私が子どもの頃は、近所のおばさんに叱られたり、親が不在の時に近所の人が助けてくれたりと、社会の中で自然とコミュニティが存在していました。

しかし現在は、マンションの隣に住んでいる人がどんな人か分からなかったり、挨拶もろくにしなかったり、人に興味を持たない子どもが多いと感じています。私自身はそういった様々な経験を通して成長してきたので、小さな範囲かもしれませんが、K-topが関わることで、人間関係や昔は当たり前にあったコミュニティの一つになれたらと思っています。

そういった背景から「Kind to other people」にたどり着き、「K-top空手教室」として事業を立ち上げました。

生徒1人1人にとって何が必要なのかをしっかりと見極める

ー他の教室にはない特徴や、教室の一番のアピールポイントを教えてください。

一番の特徴は、指導者・スタッフにあります。従来の空手道場では、その地域に通っている道場生が大人になり、そこでボランティア的に後進を指導していくというスタイルが一般的でした。

しかし私たちは「道場」ではなく、教育に重きを置いています。スタッフは空手ができることはもちろん、一人一人の子どもたちに対して今何が必要なのか、この子にとって何が必要なのかをしっかりと見極め、空手という習い事を通してより成長していけるようにサポートしています。全員が会社の社員として働いているので、その理念が一貫して現場で実践されているのが最大の特徴です。

コースについて

ー提供されているコースについて教えてください。

基本的には週1回1時間の習い事として通うです例えば、小平の本部では毎週木曜日に教室を開講し、近隣1.5キロ圏内ぐらいの子どもたちが通ってきます。別の場所では水曜日に開講するといった形で、場所は異なっても基本的なコースは週1回の空手指導となります。

2~3年前からは選手コースも設立しました。スポーツとしてもっと上を目指したい、外部の大会に出て勝ちたいというニーズもあります。そのため、週1回の基本練習にプラスして練習に通っていただき、都や市が主催する大会に出場する選手育成のコースも一部併設しています。

ー初級クラス、中級クラス、上級クラスの分け方について教えてください。

未経験から入られる方は初級クラスからになります。空手で特徴的なのは、帯の色が白から黒に向けて昇級審査があり、帯の色は10級から1級、その後に昇段審査があります。昇段すると黒帯になります。

一般的には緑帯くらいになると中級者と呼ばれるようになりますが、明確に「あなたは初級コース」「あなたは中級コース」といった区分けというよりも、教室内での先生の判断によるところが大きいです。先生が見て、「あなたは上のクラスにチャレンジしてみよう」という形で進めています。

また、初心者でも開始時間に間に合わない場合は上のクラスに参加するなど、柔軟に対応しています。単に空手のレベルだけで区分するのではなく、子どもたちの事情に合わせて柔軟に対応しています。

私たちの理念として大切にしているのは、上級者の子どもたちが単に自分のことができれば良いのではなく、初心者の子どもたちの手を差し伸べ、引っ張ってあげること。そして初心者の子どもたちも、自分が中級者になった時に同じように後輩に手を差し伸べられる人になってほしいということです。このような人間関係の形成も大切にしています。

教室としての今後の展望

ー今後、教室として取り組んでいきたいことを教えてください。

空手は野球やサッカーに比べるとマイナー競技ですが、メジャーになることが最終的な目的ではありません。野球をやっている子も、サッカーをやっている子も、ここで学べることは必ずあると思っています。

どんな子であっても社会にとって必要な存在であること、男の子でも女の子でも、どんなスポーツをしていても、していなくても、必要な存在だということを伝えていきたいです。子どもたちにとっての良い「居場所」になっていければと思っています。それが私たちの目指しているところです。

入会を考えている方へのメッセージ

ー入会を考えているお子さんや保護者の方へメッセージをお願いします。

「K-top空手教室」には必ずどんな子にとっても居場所があります。空手は「痛そう」「怖そう」といった先入観で敬遠せずに、まずは一度見学や体験に来ていただければ、その子にとっての居場所を提供できると思います。ぜひ一度足を運んでいただけると嬉しいです。

見学・体験は無料で、ホームページからお問い合わせいただければご案内いたします。もちろんご入会されなくても全く問題ありません。まずは来て、魅力を感じていただきたいと思います。

ホームページはこちら https://k-top.net/karate/