海外での経験を活かした本格指導で音楽を楽しむ喜びを伝える — LaLa Violin Academy 山本様インタビュー

兵庫県にある「LaLa Violin Academy宝塚山手台」は、海外で長年に渡りオーケストラの首席奏者として活躍してきた山本留梨子様が立ち上げられたヴァイオリン教室です。お子様から大人の方まで、幅広い年齢層の生徒に対して「音楽を楽しむこと」を重点に置きながらも、一流の技術を丁寧に伝えていく指導が特徴です。オーケストラの知識を活かした独自の指導法や、英語やドイツ語でのレッスンにも対応するなど、他にはない魅力を持つ同教室の取り組みについてお話を伺いました。

幅広い生徒層に対応するヴァイオリン教室としての概要

ー まずはLaLa Violin Academy宝塚山手台様の概要について教えていただけますか?

山本様:当教室は小さなお子様から大人まで、ヴァイオリン初心者の方からプロを目指す方、また音楽のスキルを伸ばして海外留学を目指している方のサポートまで、とても幅広いニーズにお応えしております。例えば初めてヴァイオリンを学ぶ生徒様が来られたら、まずは楽器を買うサポートからさせていただいて指導を始めます。経験者の方でしたら、その方のレベル感に合わせて指導をしています。皆さん、やりたいことや目的が異なりますので、それぞれのニーズに合わせた形で指導しています。

ー 山本様ご自身も現役のプロ奏者でいらっしゃるとお伺いしました。

山本様:はい。演奏活動と指導を並行して行っております。演奏活動の経験は指導にもとても活きますので、現在も積極的に演奏の舞台に立っています。また、生徒が師事している先生の実際の演奏を聴く機会を持てるという事も大切だと考えています。

海外での豊富な経験が生きる教室立ち上げの経緯

ー 奏者としてのキャリアを持ちながら、教室を始められた経緯について教えていただけますか?

山本様:海外での活動をはじめたのは2004年になります。オーストリアのウィーン国立音楽大学を卒業した後はプロの奏者として活動を行い、2022年の夏頃に日本に戻ってきたのですが、帰国するにあたって自分に何ができるかを深く考え、音楽以外の選択肢というものも視野に入れました。そのような中、帰国後すぐに演奏の機会をいただきコンサートに出演した時に、やはり自分は演奏をしていくこと音楽に携わっていくことが使命だと感じました。

そしてキャリア的にも、自身が演奏するだけではなく、自分が得てきたもの、培ってきたものを伝えていくことも重要だと思うようになりました。技術的な点はもちろん、苦労を重ね、自分で工夫しながら演奏方法を模索してきた経験などを生徒の方につないでいくことで日本の音楽文化をより豊かにしたいと考え、教室を始めるに至りました。

他のヴァイオリン教室にはない特徴とアピールポイント

ー 他のヴァイオリン教室様にはない特徴やアピールポイントがあれば教えてください。

山本様:当教室の一番のアピールポイントとして、やはり私自身が海外で長く活動してきたという点が大きいと思います。英語とドイツ語も話せますので、ヴァイオリンを習いながら外国語でレッスンを受けたいという方もいらっしゃいます。帰国子女のお子さんなどで、英語でレッスンをしているケースもあります。

また、私はオーケストラ奏者として長く活躍してきました。小学生の頃からジュニアオーケストラに入り、大人になってからもプロになって、10年以上外国人の中でオーケストラ奏者として活動してきたので、オーケストラに関する経験や知識は国内でも非常に高いレベルにあると自負しています。

実は、日本はアマチュアオーケストラの人口が世界的に見ても非常に多いと言われています。大人の方でアマチュアオーケストラで演奏されている方がたくさんいらっしゃるのですが、そういう方々はオーケストラの曲を個人的に学びたくても、レッスンしてもらえる機会がほとんど無いのです。

私はオーケストラをライフワークとして長くやってきたので、例えば楽譜の書き込みの仕方や奏法や解釈なども、オーケストラならではのものがあります。そういった指導ができることが差別化になっています。実際に私の生徒さんには大人から子どもまで様々な年齢・レベルの方がいらっしゃいますが、大人の方はアマチュアオーケストラに入られている方も多く、オーケストラパートのレッスンを希望される方もいます。そうした指導が他にはあまりないようで、大変好評をいただいています。

レッスンスタイルと指導方針について

ー 実際のレッスンはどのような形式で行われていますか?

山本様:基本的にはマンツーマンのプライベートレッスンです。グループレッスンは基本的には行わず、1対1の個別指導にしています。レッスン時間は生徒さんのレベルによって違いますが、お子様で初心者の方は40分が最短のスタートです。一般的なレッスンは30分が多いのですが、私は40分にこだわっています。

なぜかというと、ヴァイオリンは準備が必要な楽器で、ケースを開けてヴァイオリンと弓の準備をするところから始まります。小さいお子さんでもヴァイオリンの練習の第一ステップとして最低限の準備を自分でできるようになってもらいたいのです。そのため、小さなお子様で初心者の方でも40分を最短のレッスン時間としています。

大人の方は初心者の方でも60分のレッスンにさせていただいています。また、遠方から来られる方などで、90分のレッスンをご希望の場合もあり、それにも対応しています。海外に住んでいる方もいらっしゃるので、オンラインレッスンも行っています。日本に帰ってきた時に対面レッスンをして、それ以外はオンラインでレッスンを受けている生徒さんもいます。

ー レッスンの頻度はどのようになっていますか?

山本様:子どもの生徒様は、毎週レッスンにいらっしゃる方がほとんどです。大人は隔週の方が多いです。特に初心者や子どもの場合は、1週間に1回来てもらう方が効果的です。すぐに忘れてしまいますし、望ましくない癖もつきやすいので、なるべく毎週来ていただきたいと思っています。平日は固定の曜日・時間で毎週レッスンを行いますが、週末は私自身の演奏の仕事が入ることが多いので、その都度調整しながらスケジュールを組んでいます。前月に翌月分のスケジュールを調整して、できるだけ毎週レッスンができるようにしています。

お子様への指導で大切にしていることと指導方針

ー 特に小さいお子様への指導で大切にされていることはありますか?

山本様:ヴァイオリンはやや不自然な姿勢で持たなければいけない楽器の一つです。私自身も苦労した経験があるので、小さいお子さんでも大人でも、まず「楽に無理のない姿勢で持てる」ということを最も大事にしています。それを第一の方針として、肩当てや顎当てのフィッティング、立ち方などフォームの指導には体験レッスン時からとても力を入れています。

また、保護者の方が熱心で「毎日たくさん練習させたい」というご家庭も多いのですが、私は何よりまずは楽しく通ってもらい、レッスンに行きたいと思ってもらえる先生になりたいと考えています。近頃の子どもたちの生活は忙しく、学校の宿題も毎日あって、スケジュールがぎっしり詰まっています。そんな中でヴァイオリンを練習しなければならないというのがストレスになってしまうことは何としても避けたいのです。

もちろん毎日練習すれば上達も早くなる場合もあるのですが、ただ単に上手になることだけが皆さんの目的ではないと思います。まずはヴァイオリンを好きになってもらうことを一番大事に考えて指導しています。次のレッスンまでに思うように練習が出来なかったとしても、「練習出来ていないから怒られるかも」と思ってレッスンに行きたくなくなるのが一番残念です。

おうちから距離があったり、中には一人で来てくれる生徒さんもいらっしゃいます。練習が出来なかった時でも、私のところに来てもらったらその時にできることを一緒にやりますので、とにかくまずはレッスンに来て、私と一緒にヴァイオリンを弾くことを楽しみにしてほしいというのを皆さんに伝えています。

1日に5分でも10分でも構いませんので、とにかくヴァイオリンを弾く準備をして音を出して、気持ちよく終われるようにしてほしいと伝えています。「今日はあまり上手くできなかった」と思って終わるのと、「今日はいい音が出た!!」と思って次の練習日を迎えるのとでは、大きく違います。精神面からもヴァイオリンを好きになってもらい、レッスンに来るのを楽しみにしてもらうことが子どもたちにとって気持ち良く、ヴァイオリンを続けてもらう秘訣だと思っています。

先生に褒めてもらえたらもっと頑張りたいという気持ちになり、モチベーションも上がります。最初から「たくさん練習しなければいけない」と思わせるのではなく、まずは生活の一部として週1回教室に来て、先生と一緒に楽しく演奏することを大切にしています。私の演奏会に来てくれる生徒さんは、「先生みたいな音を出したい!」と言ってくれる子もいます。とにかく教室に来ることが楽しい、ヴァイオリンを弾くことが好きだと思ってもらえるような指導を心がけています。

今後の展望とビジョン

ー 今後の展望や取り組みについて教えていただけますか?

山本様:今後はアンサンブルのクラスや、一緒に合奏できる機会もいつか作れたらいいなと思っています。私自身が子どもの頃にそういった経験を沢山出来て、大人になってからもその経験が色んな機会に生きていると感じています。

また、日本に帰ってから力を注いでいることの一つに、赤ちゃんから入れるクラシックコンサートの企画があります。そういったイベントの際に、生徒さんにも参加してもらえるような機会が作れたら、良い経験になるのではないかと考えています。

生徒さんから日々「留梨子先生とレッスンを受けるのが楽しい」という言葉を頂いています。その想いや期待に一層お応えできるよう、もっと皆さんに楽しんでいただけることを考えていきたいと思っています。

ヴァイオリンを学びたいと考えている皆様へ

ー 最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

山本様:私の教室の特徴は、海外での豊富な経験を生かした指導にあると考えています。日本と海外それぞれのレベルを理解しているからこそ、世界に通用する技術の指導ができると自負しています。私の指導方法では、再現性の高い練習方法に着目し、無駄なく確実に、世界に通じるテクニックを積み上げていくことができます。また、身体に無理をさせず、楽に良い音を出すフォームの指導も行います。

オーケストラ時代に世界中から集まった仲間や、一流指揮者達と沢山のコンサートを経験してきました。そして、私自身が様々な壁に阻まれ、奏法やフォームなどに工夫を凝らしながら演奏活動を続けてきました。そうした経験から得た知識も全て生徒さんにアウトプットし、指導に活かしています。もし現在「これができない」「あれができない」といった悩みがあるならば、ぜひ私に相談していただきたいです。一度きりのスキルアップ単発レッスンも行っています。

今現在他の教室に通われている方でも、多角的な視点でいつもの先生以外からフィードバックを受けることはとても重要です。オンラインでも対面でも、興味があればぜひ一度レッスンを受けに来てください。

私は日本と海外で勉強、演奏活動をし、一流の指揮者や演奏家達と共演してきました。同僚たちも素晴らしい演奏家ばかりで、その中で心身共に、常に最良の状態を維持する方法を学んできました。どんな悩みでも、ぜひ一度ご相談していただければと思います。