アート・音楽・ダンス・STEMで育む未来のチカラ―代々木『Creo-BOX』が目指す放課後教育の新しいかたち

代々木で展開するアフタースクール「Creo-BOX」では、プロのクリエイターたちが直接指導にあたります。アートや音楽、ダンスなど、多彩なプログラムを通じて子どもたちの創造性を育てています。AI時代に求められる「考える力」を育むため、正解のない活動に挑戦し続ける新しい学び舎の取り組みを紹介します。

代々木アフタースクール「Creo-BOX」の概要

ー代々木アフタースクールCreo-BOXについて、どのような教室なのか教えていただけますでしょうか?

田中さん:主に小学校低学年を対象とした放課後の教室を運営しています。単なる預かり保育ではなく、学校へお迎えに行った後、クリエイティブな活動を毎日行うことをコンセプトとしている点が大きな特徴です。美術の日、ダンスなど体を動かす日、音楽の日、サイエンスやSTEM教育の日、国際文化を取り入れた日など、曜日ごとに特色のあるプログラムを実施しています。

従来型の習い事とは異なり、例えばダンスでは自分たちで振り付けを考えたり、音楽では主体的に楽曲を分析して表現方法を相談し合ったりと、全体的にクリエイティブな活動を通じて探究心を高め、創造意欲をかき立てる活動をしています。

アートプログラムの特徴と指導方針

ー具体的にアートの授業ではどのような活動を行っているのでしょうか?

秋田さん:アートの授業ではサイエンス寄りの活動や工芸など、幅広い内容を扱っています。例えば絵画だと、浮世絵や西洋風景画など古典の模写や、果物や虫など目の前の実物モチーフの写生、夏休みの思い出や物語の絵などの想像画…、工作だと、おもちゃ・ゲーム系や、粘土、ロウ、樹脂などの素材を探求する化学的なもの、工芸色の強いものなど、毎回様々な素材や技法を取り扱っています。

毎回テーマは設定しますが、その達成方法は子供たち次第です。技術的な説明や素材の特性は伝えますが、それにどう向き合うかは各自の判断に委ねています。初めは上手くいかないことも多いですが、それを当たり前のこととして受け止め、どうすれば良いかを自分で考え、取り組んでいけるような環境づくりを心がけています。

Creo-BOX設立の経緯とビジョン

ー設立のきっかけや理由について教えていただけますでしょうか?

田中さん:私は恵比寿でも音楽教室を運営しているのですが、美術の秋田先生との出会いや、
世界の教育研究をしている生徒の保護者からの声がきっかけとなりました。

また日本では学習塾か単なる預かり保育が主流で、創造力や思考力を育むアフタースクールが少ないという課題意識があったこともきっかけの一つです。

元々、音楽とアートを融合させたスクールを構想していたところ、そこにダンスやサイエンスを加えて学童機能を備えると面白いのではと考え、当スクールを設立。より総合的な学びの場を目指すことになりました。

芸術活動の根底には科学的な要素も多く含まれており、それらを統合的に学べる環境を作ることで、子どもたちの創造性をより豊かに育めると考えています。

プロフェッショナルな講師陣と特徴的な指導方針

ー他のアフタースクールと比べて特徴的な点を教えていただけますでしょうか?

田中さん:最大の特徴は、全ての講師がそれぞれの分野のプロフェッショナルだということです。有名人の監修だけで実際の指導は学生アルバイトというアフタースクールも多い中、私たちは全ての現場で第一線で活躍する専門家が直接指導を行っています。

現役ダンサー、演奏家、公認心理師、料理研究家、ニュースキャスター、漫画家、国際機関の職員、大学で新しい教育を研究している先生など、それぞれが自身の専門分野で活躍しながら教育活動に携わっています。

子どもたちとの関わり方と教育理念

秋田さん:特に意識しているのは、「もの」や「こと」に興味を向け、その探求や制作に没頭する環境づくりです。例えば「上手い・下手」という価値観にとらわれていると、世界の広さや豊かさに目が向きません。小学1年生の段階で既に「正解」や「褒められるもの」を求める傾向が強い子どもたちに対して、そういった価値観を取り除くことから始めています。

田中さん:人間教育を重視し、例えば楽器選びでの意見の違いなども、話し合いを通じて自分たちで解決策を見つけられるよう導いています。

今後の展望

田中さん:AIの進化が加速する中、単なる知識の蓄積ではなく、テクノロジーを使いこなす側として、アイデアを生み出す力や、トライアンドエラーを恐れない姿勢が重要になってきています。その力は机上の学習だけでは身につきません。アートや音楽、ダンスなど、正解のない活動を通じて、新しいことに挑戦する楽しさを体験することで、これからの時代に必要な創造性と実行力を育んでいきたいと考えています。

また、地域柄、中学受験を控える子どもたちが多く、高学年になると学習塾に重点を置かざるを得ない家庭も増えてきます。そうした子どもたちにとって、Creo-BOXが心のシェルターとなり、たとえ一時的でも自分らしく伸び伸びできる場所として機能できればと考えています。各ご家庭と連携しながら、子どもたちの成長と共に、必要になる精神的なサポートを提供していきたいと思います。

秋田さん:まだまだ紹介したい技術や文化が数多くあり、常に新しい取り組みを追求している状況です。今後も様々な文化や技術を子どもたちに紹介していければと考えています。

保護者へのメッセージ

秋田さん:枠にはまらない生き方を選択した私たちクリエイターが、自分の夢を叶えて幸せに生きている姿を見せることで、子どもたちに多様な生き方があることを伝えていければと思います。私たちは確かな技術と豊かな創造性を持つプロフェッショナル集団として、質の高い楽しい活動を提供することをお約束します。

田中さん:これからの時代を生きる子どもたちにとって、本当に必要な力を育む場所でありたいと考えています。正解を問われない創造的な活動を通じて、「これも許される」「こうすればもっと面白くなる」という体験を重ねることで、子どもたちは自然と創造的な思考を身につけていきます。そうした経験の積み重ねが、未来を切り開く力となると確信しています。まずはお気軽に体験にいらしてください!