型にはまらない学びの場!ちっちのアトリエの新しい美術教育

ちっちのアトリエは、千葉県我孫子市で子どもたちを対象に美術教育を提供するアトリエです。自由な表現を重視し、受験対策から個々の創造力を引き出す指導まで幅広く対応しています。単なる技術の習得にとどまらず、子どもたちが持つ創造力を最大限に発揮できる環境を提供することを目的としています。

美術教育は単なるスキル習得ではなく、自己表現の手段でもあります。ちっちのアトリエでは、個々の生徒が自分のスタイルを発見し、のびのびと創作活動を楽しむことができるよう支援しています。アートを通じた表現の自由は、子どもたちが自己の価値を見出し、成長していく上で大きな役割を果たします。

今回は、ちっちのアトリエの創設者であるちっちさんに、アトリエの活動内容や指導方針、今後の展望について詳しく伺いました。

活動の概要について教えてください。

「ちっちのアトリエ」は、千葉県我孫子市に拠点を置く美術教室です。通ってくださる生徒の約8〜9割は我孫子市内の小学生で、兄弟で通うご家庭も多いです。また、私はアカデミックな美術教育を受けてきたため、デッサンや油絵の指導も可能です。そのため、美術系の受験を目指す中高生も指導しており、今年も受験生が在籍しています。

アトリエでは、固定のカリキュラムではなく、生徒一人ひとりが「やりたいこと」を決めて取り組むスタイルを採用しています。私の役割は、安全を確保しつつ、生徒が創作活動において直面する課題を乗り越えられるようサポートすることです。また、幼児から大人まで幅広い年齢層の生徒が在籍しており、それぞれのペースで楽しみながら学べる環境を整えています。

私たちのアトリエでは、芸術を通じて「表現する喜び」や「創造する力」を育むことを目標にしています。単に技術を磨くだけでなく、子どもたちが自分の考えを形にし、それを人に伝える手段としてのアートを学ぶことができます。

立ち上げたきっかけについて教えてください。

もともとは作家活動に専念していたのですが、生活のために教育関係の仕事にも携わるようになりました。そんな中で、コロナ禍による緊急事態宣言が出され、大きな時間の余裕が生まれたのです。

「この時間を有効に使えないか?」と考えた結果、ボランティアのような形で子どもたちを預かり、工作を教える教室を始めました。最初は単発の活動でしたが、次第に継続的なニーズを感じ、月謝制のスクールとして本格的に運営を開始しました。

私は、子どもたちが自由に創作活動を楽しめる場を作りたいと考えていました。美術の世界には「決まりきった型」があるわけではなく、一人ひとりが持つ独自の感性を尊重したいと常々思っていました。そこで、決まりや制約を設けず、自由に創作できる環境を提供することが大切だと感じたのです。

特徴・強みはどんなところでしょうか。

私のアトリエの最大の特徴は、「型がない」ということです。例えばスタンダードな絵画教室や書道教室ではお手本があったりしますが、私のアトリエでは「自由に表現すること」を大切にしています。普段考えていることを話して、それを作りたい理由を話し、自分の材料や教室にあるもので何か新しい表現を模索するようなスタイルですね。

また、来てくれる生徒たちは自分自身で計画を立て、自由に制作を進めます。私は彼らが問題にぶつかったときにどう乗り越えるか、やり抜く力を育てるための声掛けを行っています。そして、「何のために描くのか?」という問いを大切にしながら指導を行っています。

日本では「上手な絵」が評価されがちですが、私はその技術的な部分も提供しつつ、最終的には生徒自身の内なる表現を引き出すことを目指しています。これにより、生徒たちは自信を持ち、アートを通して自己表現の力を伸ばしていくことができます。

活動・指導方針について教えてください。

私が問題意識を持っているのは、日本社会において「幸せの型」が固定されてしまっていることです。たとえば、偏差値をとっていい大学に行き、いい会社、安定した職業。適正年齢に結婚出産と言った価値感が根強くあります。そして、それが子どもたちにも影響を与えていると感じます。
(確かに安定した収入、適正年齢に結婚、出産も素晴らしいことです。わたしが選ばなかったことなので、選んでいたらどうなっていたのだろうと思うこともあります笑)

私のアトリエでは、探究心や好奇心を大切にし、自由な発想を促すことを指導方針としています。日本では、偏差値や進学といった基準が重視されがちですが、子どもたちには「本当に自分が何をしたいのか?」を見つめてもらいたいのです。

また、私は生徒たちと接する際に「何のために生きるのか?」「世界はどうなっているのか?」といった根源的な問いを投げかけることを大切にしています。美術を学ぶことは、単に技術を習得するだけでなく、自己のアイデンティティを深めるプロセスだと考えています。

今後の展望についてお聞かせください。

最近、私はハワイ在住のパートナーと結婚しました。彼は教育に対しても理解があり、現在はビジネスパートナーとしても一緒に活動しています。

今後の展望として、アメリカと日本をつなぐ活動をしていきたいと考えています。現在、ビザ申請の段階ですが、グリーンカードが取得できれば、ハワイにアトリエを設立し、日本の子どもたちと海外の子どもたちが交流できる場を作りたいです。

また、日本の美術教育とアメリカのアート教育の違いを活かし、子どもたちの視野を広げる取り組みを進めていく予定です。これにより、異文化交流を通じて、子どもたちが世界をより広い視点で見ることができるようになることを目指しています。

メッセージ

私の周りにも「やりたいことがあるけれど、年齢や家庭の事情で諦めている」という人がたくさんいます。でも、私は「イメージできることは実現可能なこと」だと思っています。

夢を叶えるためには、必ずリスクが伴います。しかし、そのリスクを乗り越える行動力があれば、必ず未来は変わります。私自身も、少しずつ前に進んできました。だからこそ、皆さんにも「一歩踏み出す勇気」を持ってほしいと思っています。

やりたいことがあるなら、まずは小さな行動から始めてみてください。その積み重ねが、未来を切り拓く力になるはずです。