くまやカメの形をしたかわいいパンづくりから、包丁や火を使う本格的な料理まで、幅広いレッスンを展開する、自由が丘にある子ども料理教室Baton。
完璧な料理の習得ではなく、「できた」という経験を大切にし、子どもたちの自信につなげるレッスンを実践されています。
元保育園栄養士の園木亜優さんに教室での取り組みについてお話を伺いました。
2歳半から楽しめる3つのレッスンコース

ーどういった方を対象に、どのようなレッスンをされていますか?
園木さん:料理教室Batonでは、3つの異なるコースを展開しています。
1つ目は2歳半から小学生までを対象とした親子レッスンです。
パン作りをはじめ、こいのぼりやハロウィン、クリスマスなど、季節のイベントに合わせたメニューを親子で楽しんでいただけます。
包丁や火を使う本格的な調理、炒め物なども行い、実践的な食育を心がけています。
2つ目は年中さんから小学生を対象としたキッズレッスンです。
こちらは親御さんなしでお子様だけで参加いただき、作ったメニューをお持ち帰りいただけます。
3つ目は平日の習い事コースで、学校帰りの小学生が参加し、自分で夜ご飯を作って食べて帰るというプランです。
午後4時や4時半からスタートし、学校生活との両立がしやすい時間帯で実施しています。
保育園栄養士の経験から見えた、理想の食育
ー教室を始められたきっかけについて教えていただけますか?
園木さん:私は以前、保育園の栄養士として働いていました。
そこでの経験が、この教室を始めるきっかけとなっています。
保育園での食育は大切な取り組みですが、アレルギーへの配慮から卵や小麦、牛乳が使えなかったり、集団での活動のため、1人1回混ぜるだけ、盛り付けだけといった限られた体験になりがちでした。
私が思い描く食育は、もっと広がりのあるものでした。
魚をさばいて、命をいただくことの意味を知ること。
たくさんの手間が加わって、一つの料理が出来上がることを体験すること。包丁や火を使って、料理の大変さを知ること。
野菜の美味しさを発見したり、親子で料理を楽しむ喜びを感じたり…。そういった様々な経験を通じて子どもたちの心を育みたいという想いから、教室を開校しました。
料理を通じて育む、子どもたちの自信

ー教室の特徴やアピールポイントについて教えていただけますか?
園木さん:当教室の最大の特徴は、料理を完璧に作ることをゴールとしていない点です。
料理教室というと、レシピ通りに正確に作ることが求められると思われがちですが、私たちはそうではありません。
むしろ、「自分ができたこと」「やれたこと」に着目し、そこから自己肯定感や自信を培っていけるよう心がけています。
今の子どもたちは自己肯定感が低い傾向にあり、自信を持てない子が増えています。
そんな中で、自分の好きなことを極められる時間はとても大切だと考えています。
前回よりも何かができるようになった、初めて参加した時から1人でパンが作れるようになった…。
そういった小さな成功体験の積み重ねを通じて、「自分にはたくさんの可能性があるんだ」と感じてほしいと思っています。
失敗を恐れない環境づくり
ーレッスンの際に大切にされていることについて教えてください。
園木さん:最も大切にしているのは、ポジティブな言葉かけです。
例えば、材料をこぼしても「拭けばいいよ」、卵が割れても「もう1個あるから大丈夫」と声をかけたりと、教室では失敗を恐れずにチャレンジできる環境を大切にしています。
家庭では、どうしても片付けを考えて「こぼさないように」と注意しがちです。
でも、せっかく教室に来ているのですから、思い切り挑戦してほしい。
失敗したり、こぼしたり、間違えても、「もう1回やればいいよ」と前向きに捉え、できたところを積極的に褒めるようにすることで、子どもたちは料理を楽しむことができるようになります。
柔軟な受講システムとレッスン内容

ーレッスンプランについて教えていただけますか?
園木さん:基本的なレッスン時間は90分です。
土日の午前中は食事付きの2時間制を設けており、作った料理をその場で楽しむことができます。
料金システムは、気軽に参加できる単発レッスンと、継続的に通われる方向けの回数券を用意し、平日の習い事コースのみ月謝制となっています。
人気のメニューとしては、くまパンやカメパン、ブタの形をしたパンなど、動物をモチーフにした可愛らしい料理が特に好評で、親御さんにもお子様にも喜んでいただいています。
地域に根ざした教室を目指して
ー今後の展望についてお聞かせください。
園木さん:教室としては、より多くの方に通っていただきたいと考えています。
ここだと思いっきり料理を楽しめる場所として子ども達の楽しみの場所に使ってもらえたら嬉しいです。
また、自由が丘という立地を活かし、地域との交流も深めていきたいですね。
「育てる」という観点から、野菜を育てて食べるまでの一連の流れを体験できる教室づくりも目指しています。
体験レッスンへのお誘い
ー最後に、教室に興味を持たれた方へメッセージをお願いします。
園木さん:料理教室Batonでは、包丁の持ち方から丁寧にお伝えしていますので、初心者の方も安心してご参加いただけます。
2歳半からと聞くと「うちの子に無理かな」と心配される方もいらっしゃいますが、お子様の持つ力は私たちの想像以上です。
包丁が苦手でも炒め物が得意だったり、混ぜるのに集中力を発揮したり、それぞれの子どもたちが様々な可能性を見せてくれます。
偏食のお子様も多く通っていますが、自分で料理を作ることで食材との関係が変わっていきます。
今まで白ご飯しか食べられなかった子や、決まったメニューしか受け付けなかった子も、料理教室に通う中で少しずつ食べられるものが増えていくという効果も見られています。
ぜひ一度、体験レッスンにいらしてください。