「子どもたちの自由な発想を何よりも大切にしたい」。そんな思いを胸に、東京都府中市で絵画・工作教室「アトリエりんご」を運営する冨岡さん。月3回のカリキュラムで絵画と工作をバランスよく学べる教室として、地域の子育て世代から支持を集めています。創造性を育む指導にかける思いと、教室の特徴についてお話を伺いました。
アトリエりんごとは
ーどのような教室を運営されていますか?
冨岡さん:アトリエりんごは、年中さんから小学6年生までを対象とした絵画と工作の教室です。子どもたちの自由な発想や想像力を最も大切にしたいという思いを第一に、固定観念を押しつけることなく、一人一人の創造性を育む環境づくりを心がけています。
当教室では独自のカリキュラムを設けており、月3回の授業のうち、通常は2回を工作、1回を絵画に充てています。絵画の授業では主にクレヨンや絵の具を使用。例えば「花火と夜の街」というテーマでは、大きな画用紙に花火を絵の具でダイナミックに表現し、その下に広がる夜の街並みを丁寧に描き込むといった、スケール感のある創作活動を行っています。
工作では、素材の可能性を最大限に引き出すことを大切にしており、段ボールや紙粘土、自然の石、ストロー、毛糸など、身近な素材を活用しながら、子どもたちの創造力を刺激する作品作りに取り組んでいます。
季節に合わせた創作活動も特徴的で、例えばクリスマスシーズンには段ボールを使って本格的なツリーを組み立てたり、スウェーデン発祥の伝統的な工芸品「ダーラナホース」を粘土で制作したりと、創作活動を通じて異文化に触れる機会も提供しています。
教室設立の経緯
ー教室を始められたきっかけを教えてください。
冨岡さん:私は美術大学で学んでいた頃から、子ども向けの絵画教室でアルバイトとして指導に携わっていたのですが、子どもたちと一緒に創作活動をする中で、この仕事の深い魅力に惹かれていきました。
大学卒業後は絵画教室の正社員としてそこの教室で指導をしたり、他の教室でもアルバイトで講師として関わったりしていたのですが、次第に自分の教育理念を全て反映させた教室を持ちたいという思いが強くなっていきました。
このような背景があり、2021年10月には、まず公民館を借りてワークショップ形式で活動をスタート。徐々に生徒さんが集まってきたことを機に、2022年8月には東京都府中市美好町に事業用テナントを借り、本格的な教室として「アトリエりんご」を開設しました。
アトリエりんごの特徴
ー他の教室との違いを教えてください。
冨岡さん:当教室の大きな特徴は、体系的なカリキュラムを設けていることです。多くの絵画教室では自由な創作活動が中心となっていますが、私たちは「もっと深く学べる可能性がある」という考えのもと、計画的な指導を行っています。
ただし、これは決して技術的な「上手さ」だけを追求するものではありません。むしろ、私たちが最も重視しているのは、子どもたち一人一人の創造性の成長です。「こんな発想ができるようになった」「こんな表現方法を見つけ出した」という気づきの瞬間を大切にしています。特に長期間通っている生徒さんには、私たち指導者も驚くような独創的な発想や表現方法が見られるようになります。
生徒との関わり方について
ー生徒さんとコミュニケーションを取る際に意識されていることはありますか?
冨岡さん:生徒との関わりにおいて、最も意識しているのは褒め方です。基本的には褒めることを大切にしていますが、「上手だね」という言葉は意識的に使用しないようにしています。そういった評価が「上手さ」を最上の価値とする考えにつながり、他の生徒さんにも影響を与える可能性があるからです。
代わりに、「木の色が自然の木々のような深い緑を表現できているね」「この建物の形がとても印象的だね」というように、具体的な観察点を言葉にして伝えるようにしています。このように具体的な言葉で褒めることで、子どもたち自身が自分の作品の良さに気づき、さらなる創造性の発展につながっていくと考えています。
教室概要と今後の展望
ーコース内容と今後の展開について教えてください。
冨岡さん:現在、当教室では年齢に応じて「つぼみクラス」と「よつばクラス」の2クラス制で運営しています。各クラスとも1回90分のレッスンを月3回、材料費込みで8,500円という料金設定で提供しています。
開講日は水・木・金・土曜日で、生徒さんには固定の曜日で通っていただく形式を取っていますが、ご都合が合わない場合は他の曜日への振替受講も可能です。
今後の展望や取り組みについて
ー今後の展望や取り組みについて考えられていることを教えてください。
冨岡さん:今後の展望としては、単純な教室数の拡大ではなく、私たちが築き上げてきた教育プログラムをパッケージ化し、保育園や幼稚園向けに展開することを検討しています。
教室運営で大切にしている質の高い指導を維持しながら事業を拡大していきたいと考えているため、授業の様子を写真や映像で丁寧に記録し、充実した教育コンテンツとして提供できる形を目指しています。
入会を検討されている方へ
ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします。
冨岡さん:ご家庭では様々な制約があり、思い切り絵の具を使ったり、大きな作品を作ったりする機会が限られているというお声をよく耳にしますが、アトリエりんごでは、絵画も工作も、豊富な材料や画材を使って思う存分創作活動を楽しむことができる環境を用意しています。
お子様が絵や工作に興味をお持ちでしたら、まずは体験授業を通して、私たちの教室の雰囲気や指導方針を実際に感じてみてください。子どもたちの創造性を育む場として、アトリエりんごをぜひご検討いただければ幸いです。