ITとWebで広がる未来~atGPジョブトレIT・Webが描く支援のカタチと挑戦~

atGPジョブトレIT・Web

atGPジョブトレIT・Webは、障がい者がITやWebの専門スキルを身につけ、就労の選択肢を広げることを目指す就労移行支援プログラムです。東京都内の渋谷や秋葉原をはじめ、全国に拠点を展開。個別のニーズに応じた柔軟な支援を提供し、自立と社会参画をサポートします。

障がい者の就労ニーズに応えるだけでなく、障がい者雇用の多様性を推進するため、企業との連携や求人の質の向上にも注力。利用者の可能性を最大限に引き出す支援の現場をシニアマネージャーの根本さんに詳しく伺いました。

atGPジョブトレIT・Webの概要と活動エリア

ーまず、atGPジョブトレIT・Webについての概要や活動地域について教えてください。

atGPジョブトレIT・Webシニアマネージャー 根本さん(以下敬称略):atGPジョブトレIT・Webは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援事業所の一つなんです。大きく分けて障害・症状別のプログラムがあるコースとIT・Webの専門スキルを身につける2つのコースがあるんですが、今回はIT・Webについてお話させていただきます。

現在、都内では渋谷と秋葉原、埼玉県の大宮、千葉県の船橋、関西では大阪の心斎橋にも拠点を構えています。都内に2拠点あるのは、それだけニーズがあるからですね。各拠点では、近隣の方々が通いやすい環境を整えていて、そこから通える範囲の方にご利用いただいているという形です。

ただ、IT・Web系のスキルは今後さらに必要とされると思うので、サービス拡大を行っていきたいという気持ちはあります。

提供するトレーニングと対象者について

ー具体的にはどのようなトレーニングを提供しているのでしょうか?また、利用者の年齢層や男女比についても教えてください。

根本さん:内容としては、WebデザインやITエンジニアのスキルを身につけるトレーニングが中心になります。具体的には、HTMLやCSSといった基本的なコーディングスキルから、チームでプロジェクトを進める演習まで幅広く提供しています。

利用者の方の年齢層は、20代から30代がメインですね。ただ、施設によっては40代以上の方もいらっしゃいます。男女比で言うと、最近は女性の利用者の方が増えてきていて、6:4くらいの割合になっています。でも年によって変動するので、必ずしも固定ではないんですよ。

時代のトレンドや、ニーズに合わせて、カリキュラムは柔軟に調整しています。就職のために必要なスキルを実践に近い形を通して身に着けられるのが特徴です。

立ち上げの背景と理念

ーこのサービスが立ち上がった背景について教えてください。

根本さん:背景としては、精神障がいのある方々の就労ニーズが増えていることが挙げられます。障がい者雇用の中では、事務職に就く方が多いんですが、それだとどうしても選択肢が限られてしまうんですね。

そこで、「もっと障がい者が活躍できる場を増やしたい」という想いから、atGPジョブトレIT・Webが始まりました。特にIT業界は、社会全体でニーズが高まっている分野ですし、スキルを身につけることで自信を持って働けるようになる方も多いです。

あと、ITの分野って、実は働き方を柔軟に調整しやすいんですよね。在宅勤務が可能だったり、成果が重視される働き方だったり。そのあたりも、障がいのある方々にとって魅力的なポイントだと思っています。

世の中の課題解決への取り組み

ーatGPジョブトレIT・Webを通じて、どのような課題を解決しようとされていますか?

根本さん:障がい者雇用の現場って、まだまだ事務系の職種が多くて、それ以外の選択肢が少ないんです。これだと、働きたいと思っても自分に合った職場が見つからない方が出てきてしまいます。

私たちは、ITやWebデザインといったスキルに加えて、ご自身の障害理解や自己理解を深めた人材を育成することで、働く選択肢を広げたいと考えています。例えば、これまでは事務系でしか活躍できなかった方が、Webデザインのスキルを身につけて新しい職場で活躍する。そういう未来を作りたいんです。

さらに、企業側と連携して、求人内容をより具体的にしたり、障がい者が働きやすい環境を整える提案もしています。企業と一緒に障がい者雇用を進めていくことで、社会全体の理解が深まると信じています。

支援を行う際に意識していること

ー支援の際に特に意識しているポイントがあれば教えてください。

根本さん:利用者の方自身が「自分で選択して行動する」ということを意識できるようにしています。私たちはあくまでサポート役なので、最終的には利用者の方自身が主体的に行動する力をつけてもらいたいんです。

そのために、グループワークを取り入れたり、自己理解を深めるためのプログラムを実施したりしています。例えば、同じ目標を持った仲間と一緒に取り組むことで、コミュニケーション能力を高めたり、チームで成果を出す経験を積むことができます。

あと、「自己決定」というのも大事なテーマです。利用者の方が自分で考えて決めることで、就職後も自分で問題を解決していけるようになります。そこが支援の大きな目的の一つですね。

今後の取り組みと展望

ー今後、さらに強化していきたい点や取り組みたいことがあれば教えてください。

根本さん:やっぱり、企業との連携をもっと強化したいですね。障がい者雇用に積極的でない企業もまだ多いので、そこにアプローチしていきたいです。

具体的には、企業見学の機会を設けたり、実際にジョブトレを利用している方々の様子を見ていただくことで、理解を深めてもらう。そうすることで、障がい者雇用に対するハードルを下げたいと考えています。

また、求人の内容も企業と一緒に作り上げていくことで、より利用者の方に合った働き方を提案できるようにしたいですね。単に「数を増やす」だけではなく、質の高い求人を増やすことを目指しています。

障がいのある方や保護者へのメッセージ

ー最後に、atGPジョブトレIT・Webをご検討中の障がいのある方やその保護者の方にメッセージをお願いします。

根本さん:障がい福祉サービスって、正直なところ分かりづらい部分が多いと思います。なので、まずはお気軽にご相談いただきたいですね。

特に、「自分にできることが何か分からない」と感じている方や、「将来が不安」という保護者の方にこそ、一度atGPジョブトレIT・Webに触れていただきたいです。話をするだけでも視界が広がることがありますし、それが将来的な選択肢の一つになると思います。

私たちは利用者の方の可能性を信じていますし、その可能性を最大限に引き出すためのサポートを全力で行います。一緒に新しい未来を切り開いていきましょう。