神奈川県の川崎大師駅近くに位置する「アトリエセブンカラーズ」は、絵画技術の向上だけでなく、自己肯定感を高めながら創造性を育む絵画教室です。
幼児から大人まで幅広い年齢層に対応し、アドラー心理学に基づいた「勇気づけ」を取り入れた独自のアプローチで、絵を描く楽しさを伝えています。同教室の阿野さんに、指導方針や今後の展望についてお話を伺いました。
創造性を育む多様なレッスンと専門講師陣が強み

ー教室の概要についてお伺いさせてください。
阿野:川崎大師にある絵画教室で、現在は幼児クラス、小学生クラス、そして中学生から大人までの3つのクラスを開講しています。
元々は小学生が多い教室ではありますが、絵が好きな子や自由に描きたい子、また絵が苦手で自信をつけたいと思っている子など、様々な目的を持ったお子さんたちが来てくれています。
ー他の絵画教室にはない特徴や、一番のアピールポイントを教えてください。
阿野:当教室には3つの特徴があります。まず、私一人で運営しているわけではなく、絵画やイラストなど本格的な技術が提供できる専門講師陣がいることです。
次に、年間35回のレッスンで多様な表現方法を学べることです。小学生クラスでは毎回1つの作品を持ち帰ることができ、様々なレッスンを通して創造性を育めるようにしています。
3つ目は、アドラー心理学に基づいた「勇気づけ」と承認技術を取り入れ、自分の絵が好きになり、自己肯定感の高い子どもを育成することを目指している点です。
固定観念にとらわれない自由な表現を重視
ー生徒に指導する際に、特に意識していることや方針について教えてください。
阿野:技術面での指導では「こうしたらいいよ」と説明を行いますが、子どもたちは必ずしもその通りにするわけではありません。むしろ、もっと良い表現を自分で見つけてくることも多いです。
固定観念にとらわれず、はみ出してもまったく構わないという環境の中で、自分の好きな表現を思い切りできるような場づくりを心がけています。
コミュニケーションにおいては、アドラー心理学に基づいた「勇気づけ」を取り入れています。講師間で勉強会を重ね、子どもたちに「自分には価値がある」「この課題を乗り越えられる」と思えるような声かけを心がけています。
言われた通りでなくても、「こういうことをしてもいいんだ」「自分はこれを表現したいから挑戦してもいいんだ」という気持ちにつながるよう、子どもに共感し、信頼と尊敬の気持ちをもって接するコミュニケーションを大切にしています。
年齢や興味に合わせた多様なコース展開
ー教室で提供しているコースやプランについて教えてください。
阿野:先ほど触れた3つの教室(幼児クラス、小学生クラス、中学生から大人のクラス)があります。小学生クラスは1年生から6年生まで同じクラスですが、年齢に応じたレベル感で指導しています。
4年生以上になるとデッサンに興味を持ち始める子もいるので、希望者には月3回のレッスンのうち1回をデッサンクラスに振り替えることもできます。
中学生から大人のクラスでは、様々な画材やモチーフを用意して、デッサンをしたい人はデッサン、水彩をしたい人は水彩など、自分で描きたいものを決めて取り組み、講師が一人ひとりにアドバイスをしていく形式です。
幼児クラスと小学生クラスは月3回、中学生から大人のクラスは月2回のレッスンとなっています。
幅広い年齢層へのアプローチと講師育成に注力
ー今後より強化していきたい点や、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
阿野:中学生から大人のクラスは最近生徒さんが増えてきています。これまで子ども向けに重点を置いていたところから、より幅広い年齢層、中学生から大人、シニアの方々にもアートを届ける教室にしていきたいと考えています。
また、アシスタントや講師の中から自分で教室を開きたいという方も出てきているため、「自分の絵が好きになる」指導ができる講師の育成にも力を入れていきたいと思っています。
競争ではなく自己表現の楽しさを体験してほしい
ー最後に、この記事をご覧の方に向けたメッセージをお願いします。
阿野:私自身、子どもの頃は絵が大好きでしたが、学生時代に人と自分の絵を比べて自分の絵が嫌いになってしまった時期がありました。自分には才能がないと思ってしまい、何のよりどころもなくなったような辛い経験をしました。
その時に、心の在り方の大切さを強く感じました。絵は競争ではなく、色彩で心を解放して描くことで楽しさを再発見できたのです。みんなそれぞれ違う個性があり、素晴らしいものを持っています。
自分の表現したいものを表現できるようになると、日常の中に楽しさや活力、希望といったものが生まれます。
今、気持ちがモヤモヤしていたり、絵は嫌いと思っている方も、新しい扉が開けるかもしれません。気軽な気持ちで教室に来ていただければ嬉しいです。