昭和の良さを残しながら、人間力を育むダンススタジオ-ART GROOVE

ART GROOVEは4歳からシニアまで幅広い年齢層を対象に、バレエからヒップホップまで多彩なダンスジャンルを提供するスタジオ。

2015年に開校し、バレエとストリートダンスという異なる世界を融合させながら、単なるテクニック習得にとどまらない、人間力を育む場となっています。

昭和の良さを残しつつ、子どもたちの人間力を育むことを大切にする活動について、共同経営者である本間さんと池田さんにお話を伺いました。

多彩なジャンルと幅広い対象年齢

ーどういった方を対象にどのようなレッスンをされていますか?

池田さん:4歳から上は制限なし、初めての人から経験者の方まで幅広く全ジャンルをダンスをレッスンしています。

ヒップホップ、ジャズ、バレエ、タンゴ、ブレイキン、あとボディメイク系のレッスンなどを行っています。

スタジオ誕生の背景とビジョン

ーこの教室を始められたきっかけについてお伺いできますか?

池田さん:このスタジオを始めたのは2015年からです。

最初はバレエとソウル、ヒップホップ、ジャズなど、すごく少ないジャンルからのスタートでした。

ーその後、さらに多くのジャンルが増えてレッスンされるようになったということですね。

池田さん:そうですね。バレエスタジオでは他のジャンルのダンスがあまり入ってこず、ストリートダンス専門のスタジオだとバレエはおまけのような形で入っていたりと、あえてスタジオ自体を別にしているところが多いです。

しかし、私たちは芸術としてのバレエだけじゃなくて、エンターテインメントとしてももっとバレエが入っていけたらいいなという考えのもと、バレエと他のジャンルのダンスを取り入れてレッスンしています。

「昭和の良さ」を残した教育方針

ーこの教室の一番のアピールポイントはどういったところだとお考えですか?

池田さん:共同経営者である本間は振付・バックダンス・ダンスパフォーマンス・ダンス指導・舞台演出・各種イベント企画/制作など、ビジネスとして活動出来る場として「AnkhAnkh」とういうダンスキャスティングプロダクションも運営しております。

当スタジオの生徒さんのためにも将来を見据えた進路を提供出来る環境をつくれることは、本間の存在が必要不可欠と考えております。

また、教室の運営の中で、昭和の良いところは残したいと考えています。

例えば、子供たちは必ず保護者の方に「お願いします」とお月謝袋を渡して、また先生に「お願いします」と渡す、今の時代では「面倒くさい」ことを敢えて取り入れています。

私自身は子供の頃、お月謝を先生に渡すことを通じて、両親に「習わせてもらっている」と子どもながらに感じていたように思います。

今はバレエを習わせてくれていた頃の両親の年齢を私が超え、改めて感謝と尊敬の気持ちが強くあるのもこのお月謝袋を通して学んだ事だと感じています。

このスタジオでもお月謝袋を忘れ続けたらどうなるかとか、中学生になるとオープンクラスの大人の人たちと一緒になるのでチケット制になりますが、チケットを忘れたら本当は受けられないということを教えています。

お金が見えないからこそ大事なことが学べると考えています。

これは通っている生徒さんに言われたことですが、「先生たちはなにをしてお金を稼いでいるの?」と聞かれたこともあります。

そういった素朴な疑問を子供たちは聞いてくれます。

そのやりとりで子供たちが視野を広げられたら嬉しいと思います。

コミュニケーション能力と人間力の育成

ーレッスンされる際に大切にしていることや、特に意識していることはありますか?

本間さん:子供たちに教える時も、大人のクラスも同じですが、テクニックをとにかく上げようという気持ちはあまりありません。

もちろんダンスやバレエのスキルアップは目的の一つではありますが、特に今の子供たちはコミュニケーション能力が低かったり、人との関わりを避けることが個性だと言われたりすることがありますよね。

でも、クラスを行う中で、他人と関わらなければいけない場面があります。

一緒に受けている人だったり、挨拶だったり、下級生の面倒を見るといったことです。

そういった部分が今の時代は薄れている気がして、その部分はすごく大切にしています。

自分一人では生きていけないということを認識してもらうことは大切だと思います。

今はそういうことが無くてもどうにかなる、お金があればいいという風潮がありますから、あえてグループでディスカッションさせたりしています。

人との関わり方や人間力を育てるという感覚で、どのジャンルのダンスクラスでもそれを意識しています。

ーコミュニケーションが苦手なお子さんが入会されることもあると思いますが、何か工夫されていることはありますか?

池田さん:小さければ小さいほど挨拶が苦手な傾向にあります。

まずはハイタッチとか、頭を下げるというワンアクションだけでも良しとし、「おはようございます」の「お」が言えたらOKとか、知らない大人と接することに少しずつ慣れていくように工夫しています。

最初はなにも言わなかった子たちが率先して挨拶したり、下の子の面倒を見たりするようになると嬉しいですね。

本間さん:小さい子は最初はお母さんにびったりくっついているものですが、体験で来る時は見てもらうものの、それ以降は親御さんが見学するのは禁止にしています。

集中力の面もそうですが、すぐに逃げてしまうことを避けるためです。

レッスンの最後に「今日の成果を見る」ようなタイミングはOKにしているクラスもありますが、ほとんどの保護者の方がもうそれすらも見に来なくなっています。

子どもたちが集中できる状況を作るために、あえてそういう環境にしています。

人と関われない子たちも、保護者の方がいなくなると、周りの子たちと一緒にやったり、先生のほうに向かっていったりします。

それぞれの子に合ったやり方を考えながら、最終的には保護者の方がいなくても楽しくレッスンできるようになることを目指しています。

発達段階に合わせたクラス運営の工夫

ー実際に提供されているクラスについて教えてください。

池田:小学生はキッズクラス、中学生になったら、それぞれジャンルに分かれてレッスンを受けるという形です。

中学生になると、学校の定期テストがありますし、大人と同じチケット制にして、テストの期間はお休みしても大丈夫なように配慮しています。

将来へのビジョン:個性を伸ばし、居場所を作る

ー今後強化されたい点や、将来的なビジョンについてお聞かせください。

池田さん:私自身、本当に勉強が嫌いで、教科書を開いても何をすればいいのか分からないタイプの子供でした。

でも、バレエに関しては読めない漢字を調べてでも、本を読んだり情報を集めたりして必死に取り組むことができました。

きっと、今はお勉強も塾に行ったりしなければいけない状況の中で、私みたいな子はきっといると思います。

でも、何か一つ好きなことや興味のあることを突き詰めたら、そこに関わるものなら派生して自分で学びに行く力が出てくると思いますので、そういうところをちゃんと見てあげたいです。

大人の生徒さんに関しては、肩書やしがらみを一切取り払って、ここに来た時は「誰々ちゃんのお母さん」や「何々さんの奥さん」といった役割を全部取っ払い、個人としていられる居場所にしたいと思います。

あえてうちでは全員下の名前で呼んでいます。

本間さん:子供のクラスに通っているお母さんが自分もレッスンを受けるようになるケースが増えていて、その方々も完全に個人として参加していただいています。

子供のクラスでは「誰々ママ」と呼んでいた方も、自分が通うようになると下の名前でお呼びして、一個人として楽しんでもらうようにしています。

入会を考えている方へのメッセージ

ー最後に入会を考えていらっしゃる方にメッセージをお願いします。

池田:興味があることに一度チャレンジしてみることで、自分に必要かどうか分かるものです。

SNSで「興味があるけどいいねしたくない」みたいな気持ちがあると思いますが、一回「いいね」してみると視野が広がったりします。

大人になるとそういう気持ちが強くなってくると思いますが、「気になる」と思ったら、体験レッスン希望のメールを送ってみるなど、一歩踏み出してみてください。

何かしらの変化があるかもしれません。

本間さん:子供たちのクラスでは、ダンス以外の面でもメリットがあり、実際、長く続けている子たちは学校の成績が上がっていたりします。

踊るときは頭を使いながら体を動かす、二つのことを同時進行しますから、机に座って勉強するのとは脳の使い方が違います。

内にこもるよりも自分を表現することを、考えながら動きながら行うことで、様々な能力が培われます。

ダンスは何かを犠牲にするものはなく、プラスアルファになり得る、体も頭も使えるトレーニングだと思ってもらえたら嬉しいです。