福岡市中央区に拠点を構える「ANBタップダンススタジオ」は、幼稚園児から80代までの幅広い年齢層にタップダンスの魅力を伝えています。
2001年の開業以来、24年間にわたりタップダンスの普及に努めてきた代表の緒方さんに、スタジオの特徴や今後の展望について伺いました。
年齢を問わず楽しめるタップダンススタジオ

-教室の概要についてお伺いさせてください。
緒方:福岡県福岡市中央区にあるタップダンス専門スタジオです。幼稚園生から80代までの方に、タップダンスを楽しんでもらうための教室として運営しています。スタジオ自体は2001年から開設しており、もう24年になります。
-タップダンスの教室を始められたきっかけについてお伺いさせてください。
緒方:私は現役のダンサーなのですが、タップダンスはなかなかやれる場所が少なく、音を出して楽しむダンスを生で見る機会も少ないのが現状です。もっと気軽に、たくさんの人にタップダンスを知ってもらいたいという思いから始めました。
教室を始める前は15年ほどダンスの経験があり、プロチームとしてイベントなどでも活動していました。その経験をより多くの方に広めたいという思いもあり、スタジオを開設しました。
タップダンス専門の環境と設備へのこだわり
-他のダンス教室にはない特徴であったり、一番のアピールポイントがあれば教えてください。
緒方:クラシックバレエやヒップホップ、ベリーダンスなど様々なジャンルのダンス教室がある中で、タップダンス専門のスタジオは少ないため、そこが一番の特徴です。
設備にもこだわっており、専門の木の床を使用して音が出るようにし、足腰への負担が少ない構造にしています。
また、幅広い年齢層に合わせたプログラムを提供しており、若い方には跳ねたり飛んだりするダイナミックな動きを、年配の方には座ってできるメニューも用意しています。
タップダンスは音楽に合わせて踊るだけでなく、足をたくさん使うので健康面でも非常に良い効果があります。レッスン中はずっと歩いているような感覚で、運動量も確保できます。
初心者から経験者までレベルに合わせた丁寧な指導
-生徒さんに実際に指導する際に、特に意識していることや方針などがあれば教えてください。
緒方:初心者の方には、簡単なステップから無理なく進められるよう心がけています。タップダンスは見たことはあっても、実際に踊るのは初めてという方がほとんどです。
見るよりも難しいという感想をよく聞きますが、自分で音を出せるようになると楽しさを感じられます。
年配の方には怪我に繋がらないようゆっくりペースで行い、個人のレベル差にも配慮しています。グループレッスンでもアシスタントを配置して、皆が楽しめるよう工夫しています。
幼い年齢のお子さんには音を出してリズムを楽しむことから始め、楽しみながら基本ステップが身につくよう指導しています。小学校の中・高学年になると、ダンスの技術だけでなく、基本的な挨拶など社会性も一緒に指導するよう心がけています。
皆で一緒に踊るには協調性も必要ですし、大人との関わり方やコミュニケーション能力も重要です。ダンスの技術だけでなく、社会で必要なスキルも一緒に身につけられるよう意識しています。
多彩なコース設定と柔軟な振替システム
-教室で提供しているコースやプランについて詳しく教えてください。
緒方:子供向けの入門・初級クラス、大人向けの入門・初級・中級・ゆっくりペースのクラス、シニア向けのクラスや座ってできるタップダンスのクラスなど、合計8つのコースを提供しています。
仕事などの都合で通えない日があっても振替がしやすく、大人の方も通いやすいシステムになっています。また、タップダンスに必要なクラシックバレエやジャズダンスのクラスも設けています。
タップダンスはどうしても足の動きが中心になるため、上半身の動きをカバーできるようジャズダンスやバレエも併用して受講される方もいらっしゃいます。両方受けることで、バランスの良いスキルを身につけられる内容になっています。
健康寿命を延ばすタップダンスの可能性
-今後、より強化していきたい点や取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
緒方:インストラクターが一人育ったので、初心者向けのクラスを増やしていきたいと考えています。また、膝や腰に不安がある年配の方向けの「座タップ」(座ってできるタップダンス)の展開をさらに強化していきたいです。
高齢化社会が進み、寿命も延びている中で、寝たきりではなく健康に元気で長生きしてほしいと願っています。その一つの方法として、日頃から運動をして足腰を鍛えることの意義は大きいです。
私自身も介護予防アドバイザーの資格取得を目指しており、年配の方が無理なく楽しく体を動かせるプログラムを提供していきたいと考えています。
-最後に、教室への入会を検討されている方へのメッセージをお願いします。
緒方:タップダンスは敷居が高いと感じられるかもしれませんが、最初の難しさを乗り越えるととても楽しくなるダンスです。
他のダンスにない「音が出る」という特徴がタップダンスの魅力で、上達すれば自分の足音だけで音楽を奏でることもできます。考えるよりもまずは実際に体験してみることで、新しい楽しさを発見できるはずです。