山梨県で不登校児童・生徒の数が過去最高を記録する中、学習とボードゲームの組み合わせで独自の支援を行うボードゲームスクールあめかえる。代表の雨宮さんは自身の不登校経験から、「学びと遊びの2刀流」というコンセプトを掲げ、勉強する習慣づけとコミュニケーション力の向上に取り組んでいます。今回はあめかえるさんの特徴やアピールポイント、設立の経緯などについて代表の雨宮さんにインタビューしました!
フリースクールの概要と特徴
ーフリースクールとしての特徴や活動内容を教えてください。
雨宮さん:あめかえるは中学生以上の生徒を対象としたフリースクールです。「学びと遊びの2刀流」をコンセプトに、4時間の活動時間を前半と後半に分け、前半は学習、後半はボードゲームを楽しむ時間としています。
前半の学習時間では、生徒の興味に合わせた学習を進めており、例えば、通信制高校に通う生徒は課題学習を行い、中学3年生の生徒は簿記の勉強に取り組んでいます。また、400種類以上のボードゲームを所有しており、後半の時間では生徒たちが自由に選んで楽しむことができます。
現在は週1回、水曜日の9時から13時までの4時間で活動しています。
設立の経緯と想い
ーどのような経緯でフリースクールを立ち上げられたのでしょうか?
雨宮さん:私自身が高校3年生の秋から大学2年生まで、約2年半引きこもりのような生活を送っていた経験があります。当時、外出するのも難しく相談できる人もいない状況でしたので、もし気軽に話せる場所があれば、もう少し早く外との関わりを持てたのではないかという思いが、ずっと心の中にありました。
また教育学部を卒業し教員免許も取得しましたが、その経験も活かせていませんでした。そんな中とあるフリースクールのお手伝いをすることになり、そこを引き継ぐ形で現在のフリースクールを始めたのが経緯になります。
フリースクールの特徴と教育方針
ーフリースクールとしての独自の特徴や方針についてお聞かせください。
雨宮さん:私たちの最大の特徴は、「遊び」だけでなく「学び」にも重点を置いているところです。私たちは学校に行けないことと勉強をしないことは全く別物だと考えています。不登校の子どもたちにとって、学ぶ意欲があっても環境が整わないことが往々にしてあります。そのためその子たちの「学びたい」という気持ちを大切にしたいと考えています。
スタッフは私ともう1名の女性スタッフがおり、2人とも教員免許を保有。私は数学、もう1名は英語を教えることができます。この専門性を活かし、生徒一人ひとりの理解度や興味に合わせた学習支援を提供しています。不登校になった要因の一つに学習についていけなくなったということがある生徒も多いので、きちんと勉強する習慣を身につけることで、学校への復帰も視野に入れた支援を実施しています。
生徒との関わり方における信念
ー生徒さんとの関わり方で大切にされていることは何でしょうか?
雨宮さん:「手を抜かない」ということを最も意識しています。特にボードゲームをプレイする際は、全力で取り組むようにしているのですが、これは「子どもたちは大人が手を抜いているのを敏感に感じ取る」からです。
勝敗がついたとき、本気で戦った結果であることが重要です。また、勝ち負けだけでなく、前回との比較で進歩した点を指摘するなど、学習と同じように過程を大切にしています。
今後の課題と展望
ー今後の展望や課題についてお聞かせください。
雨宮さん:本来、フリースクールは必要のない存在であることが理想ですが、現実には支援を必要としている人がいるため、継続しているのが現状です。
その中での課題は、本当に支援を必要としている方々にどうやって情報を届けるかということです。フリースクールの存在自体を知らない方も多く、支援を必要としている人たちに情報が届いていない可能性があります。
そのため、今後はもっとフリースクールという存在を知って頂けるようさまざまな形で発信していこうと考えています。
ただ一方で、不登校支援の会などで積極的に声をかけることも、私たちの方針とは異なるため、その代わり、実際に支援を必要としている方々に自然な形で情報が届くよう、適切な情報発信の方法を模索しているところです。
メッセージ
ー最後に、記事を読む方に向けたメッセージをお願いします。
雨宮さん:あめかえるは、学びと遊びを両立させながら、不登校の生徒たちの居場所づくりに取り組んでおり、教員免許を持つスタッフによる学習支援と、ボードゲームを通じたコミュニケーション支援という独自のアプローチで、生徒一人一人の成長をサポートしています。
私達は特に楽しく学ぶことを重要視しているため、学習も遊びも楽しく行いたい方はぜひ一度お問い合わせ下さい。