金井空手道場(少林寺流錬心舘 横浜関内支部)では、空手未経験の方でも安心して取り組める環境を整え、親子や社会人、シニアの方まで幅広い年齢層の参加者が日々稽古に励んでいます。
勝ち負けではなく、参加者一人ひとりの「成長」に重きを置き、「空手の型」を中心とした丁寧な指導を通じて、心のよりどころとなるような教室を目指している道場長の金井さんに、教室の理念や特徴についてお話を伺いました。
空手未経験でも始められる、あたたかく開かれた空間
私自身が運営している金井空手道場では、未就学児からご高齢の方まで、幅広い世代の方が空手に取り組んでいます。特に多いのが、親子での参加や、これまで一度も空手を経験したことがなかった大人の方々です。
参加者の約9割以上が初心者で、空手に対して「厳しそう」「敷居が高そう」といったイメージを持っていた方たちが、実際に稽古に参加してみて、「楽しい」「やってみてよかった」と感じてくださっています。
そうした反応があるからこそ、初心者でも安心して踏み出せる空間であることが、この教室の大きな特徴です。
教室では、誰もが無理なく継続できる練習プログラムに沿って稽古を行っています。親子で参加するご家族、大人の男性や女性、社会人の方など、皆さんがそれぞれのペースで無理なく空手に取り組める環境を整えています。
参加者の中には、毎週の稽古を楽しみにしているという声も多く、空手が生活の一部になっていることを感じる場面も多々あります。
教室立ち上げのきっかけは「流れに身を任せた」自然なスタート
道場の立ち上げに至るまで、実は明確なビジョンや事業計画のようなものがあったわけではありませんでした。私が属していた空手道場の師範の先生から「自分で教室を持ってみてもいいのではないか」と声をかけていただき、それが最初のきっかけでした。
ちょうど近隣の中学校で空いていた施設を使わせていただけることになり、仲間内や身内で集まって、特に費用も取らずに稽古をしていたんです。ところが、徐々に「空手を習ってみたい」という方たちが増え、自然と教室の形になっていきました。
正式な空手道場として運営を始めたのも、あくまで周囲のニーズに応える形での流れでした。指導自体にも不安はなく、以前から通っていた道場でも、師範が不在の際には私が代わりに練習の進行を担当していたので、むしろ自然な延長線上としてスタートできたという感覚でした。

型を中心に据えた指導方針と、着実な積み重ね
空手には「組手」と「型」の二つの大きな要素があります。
私たちの教室では、そのうちの「型」に重点を置いています。組手は基本的に希望者以外には行わず、主に型の練習を通じて空手の技術を身につけていくスタイルです。型とは、仮想の敵を相手に一人で決まった動きを繰り返すものです。武道の振付のようなもので、身体の使い方や動作の精度、呼吸の合わせ方など、非常に奥が深い技術です。
練習は段階的に進みます。まずはその場で基本の動きを覚えるところから始まり、次第に前後左右に動きながらの技へと進んでいきます。四方八方へ自然に体を動かせるようになるまでには時間がかかりますが、その過程こそが大切です。
私たちの教室では、相手との勝敗や優劣にこだわらず、あくまで「自分自身の成長」に重きを置いた稽古を大切にしています。
和やかでありながら、礼節を重んじる雰囲気づくり
武道というと、厳しくてピリッとした雰囲気を想像される方も多いかもしれません。
しかし、私たちの教室では「楽しい空間」であることを第一に考えています。もちろん、礼儀や節度を重んじる場面では緊張感を持ちますが、基本的には笑顔があふれる和やかな雰囲気の中で、稽古が行われています。
無理なく、怪我なく、毎週こつこつと積み重ねることこそが上達の鍵だと考えているからこそ、参加しやすい雰囲気づくりを意識しています。
日曜の夕方からの稽古では、大人と子どもが同じ会場で一緒の時間・空間で練習を行うため、親子での参加もしやすくなっています。
また、その時間帯であれば社会人の方も比較的参加しやすく、仕事終わりにリフレッシュを兼ねて通ってくださる方も多いです。結果的に、初心者の方が自然と集まりやすい場になっているのだと感じています。
一人ひとりの成長を見守る、ていねいな指導姿勢
私が指導で大切にしているのは、「誰かと比べる」のではなく、「その人自身の中での変化や成長」を見つけてあげることです。
身体の使い方、型の覚え方、動きのキレ……人それぞれ得意不得意があり、成長のスピードも異なります。だからこそ、一人ひとりの様子を毎週しっかりと観察し、小さな変化や努力の積み重ねを見逃さないように心がけています。
特に初心者の方やお子さんの場合は、ほんの数ヶ月の継続で驚くほど変化が現れることもあります。その瞬間に立ち会えることが、私自身にとっても大きな喜びです。
教室という場所が、ただ技を教える場ではなく、「成長を見守る場」であることを、これからも大切にしていきたいと思っています。
継続こそが最大の目標であり、展望でもある
今後の展望としては、新しい取り組みや事業を次々と打ち出すというよりも、むしろ現在のスタイルをこのまま継続していくことを一番の目標としています。
空手の型には終わりがなく、どれだけ熟練した人であっても、常に改善や向上の余地があります。だからこそ、毎週の稽古を地道に、しかし確実に積み重ねていくことが最も重要だと思っているからです。
華やかな目標や大きなビジョンを掲げるよりも、地に足のついた「継続」の価値を、これからも参加者と一緒に体感しながら育てていきたいと考えています。

一人ひとりの“心のよりどころ”になる場所に
私がこの教室を運営するうえで、最も大切にしていることがあります。それは、この空手道場が、参加している皆さん一人ひとりにとっての「心のよりどころ」になることです。
日々の生活の中で、大人も子どもも、さまざまなストレスやプレッシャーを感じることがあると思います。そんな時に、「空手の稽古があるから頑張れる」「空手があるから前向きになれる」と感じてもらえる場所でありたいのです。
空手が、日常を支える趣味として、やりがいや生きがいとして、少しでも心に寄り添える存在になってくれたら、それ以上の喜びはありません。
もしこの記事を読んで、そんな想いに少しでも共感してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、教室に足を運んでみてください。気持ちの良い汗をかきながら、自分自身の成長を感じられる時間を、私たちと一緒に過ごしましょう。
◆金井空手道場(少林寺流錬心舘 横浜関内支部)
小学生から大人まで、女性でも初心者でも安心して習い始められる横浜市関内、伊勢佐木長者町、桜木町から通える空手教室です。現在、入会募集中ですので、ぜひ、お気軽に体験参加や見学にいらしてください。
練習日は毎週日曜日と金曜日。
日曜日18~19時30分(小学生、一般合同):横浜吉田中学校格技場(中区羽衣町3-84)
金曜日18~19時(幼児・小学生クラス)、19~20時30分(中学生~大人クラス)
日:横浜吉田中学校コミュニティハウス(中区山田町3-9)。
いずれも参加日・参加回数自由です。稽古の途中入室や途中退室は自由ですので、ご自分にあった時間帯で参加ください。