上達が見える絵手紙レッスンの魅力 – 絵手紙教室「空の色」の中野さんにインタビューしました!

絵手紙教室「空の色」では、技術面での指導にこだわりながらも、親子での受講や地域活性化への取り組みなど、独自のアプローチで絵手紙の新たな可能性を追求しています。

「手描きの良さを若い世代にも伝えていきたい」という想いを胸に指導を行う中野さんに、同教室の特徴や今後の展望についてお話を伺いました。

アメリカでの指導経験を活かした絵手紙教室

ー教室の概要について教えてください。

中野:対面とオンラインの両方で、年齢を問わず絵手紙を教えています。絵手紙は、はがきに絵を描いて言葉を添えるというシンプルなもので、気軽に始められるアートです。

他のアートと違うところは、自分で作品を作るという喜びに加えて、それを相手に送って相手に喜んでもらえるという2つの喜びがあることです。

ー絵手紙の指導を始めたきっかけや経緯について教えてください。

私は以前カラーコーディネーターという仕事をしており、印刷業界でユニバーサルデザインの普及活動をしていました。

生前母が色々な趣味をやっていて作品が増えて困っているのを見ていたので、手元に残らず気軽に受け取ってもらえる絵手紙を始めました。

その後、家族の都合でアメリカに引っ越しました。コロナ禍の時期に、日米ウィメンズネットワークというグループのオンラインイベントで絵手紙の先生をやってほしいという誘いがありました。

それをきっかけに自宅で絵手紙を教えるようになり、小学校の夏のイベントでも小学生向けに指導を行いました。

「下手でいい」を超えた技術と創造性を育む指導法

ー教室独自の特徴や、一番のアピールポイントについて教えてください。

中野:絵手紙は「下手でいい、下手がいい」というキャッチフレーズで教えている先生が多いですが、私は生徒さんには上手になって楽しく絵を描いてほしいと思っています。

そのためテクニックも細かく伝え、達成感のあるレッスンを心がけており、レッスンを1回受けただけでも人に送れるような作品ができます。

また、絵手紙には言葉も重要です。例えば、リンゴを描くとき、それを感謝しながらいただくことと、受け手に対して「あなたがいてくれて私は感謝しています」という2つの意味をかけたりして、絵と言葉のコンビネーションを大事にしています。

また、野菜や果物だけでなく、季節によっては魚を描いてみたり、喫茶店での様子を描いて送ったり、旅行先からお友達に送るなど、いろいろな使い方があります。

さらに、はがきにこだわらず、封筒やコースターにも描くこともあります。お客様が来るときにランチョンマットにコースターを載せておくと、おもてなしになります。

ー実際に生徒さんに指導する際に、特に意識していることがあれば教えてください。

中野:やはり楽しんでいただくことが一番で、どうやったら楽しくできるかを考えています。

リラックスしたい人はリラックスし、集中したい人は集中して描くというような、その方が一番求めているものを楽しめるようなレッスンを心がけています。

また、生徒さんのリクエストにも柔軟にお応えします。例えば、ハロウィンをテーマに描きたいという要望があれば、そのようなモチーフを考えるなどしています。

親子で楽しむ新しいコースと柔軟な受講スタイル

ー教室で提供しているコースやプランについて教えてください。

中野:通常のレッスンでは、野菜や果物を描いたり、生徒さんのリクエストに応じて季節感のあるテーマを描いたりします。1人ひとり添削や修正点を加えています。

また、シニアのご両親とそのお子様が一緒にレッスンを受けられる講座を始めました。年を召すとなかなか出かけられず、近くに教室がないと諦めてしまう方がいらっしゃいます。

オンラインは年配の方にはハードルが高いものですが、お子様がサポートしながら一緒にレッスンを受けれたら楽しいのではないかと思い、新しい講座を始めました。この講座は、ほとんど1人分の受講料で親子が受けられる料金設定にしています。

また、小学生のお子様とそのお母様という親子の組み合わせも考えています。レッスンを通じて親子の会話が増え、情操教育にもなります。夏の自由研究や離れて住む家族に送るなど、色々の使い方があると考えます。

地方創生を見据えた絵手紙の新たな活用法

ー今後より強化していきたい部分や、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

中野:地方創生で地元を盛り上げたいという気持ちがあり、今後は地域のイベントで絵手紙の講座を開けたらいいなと思っています。

その地方の特産の食べ物などを絵手紙で描いて送れば、その地方のことを他の方に知っていただくツールになるのではと考えています。

水彩画や油絵とは違って絵手紙は入門しやすいため、より多くの人に楽しんでもらえたらと思っています。

ー最後に、記事をご覧の方に向けたメッセージをお願いします。

中野:絵手紙は始めるハードルが低く、家にあるものや百均で買ったものから始められるので、まずは気軽やってみていただくのも良いと思っています。

絵手紙はアートというよりは技術だと思っています。一度身に着ければ、誰かに手紙を描きたくなった時にその技術が役に立ち、相手に喜んでもらえます。

早めに始めるとその技術をずっと使うことができるので、試しに気軽な気持ちでやっていただけたらと思っています。