文化と踊りの架け橋 — ハワイアンフラスタジオが伝える本物の精神

山口県防府市に拠点を置くハワイアンフラスタジオ「カパークーカウイオクゥプアレフア」。100年以上の歴史を持つ古典フラを日本に広める活動をしている周田香さんにインタビューを行いました。伝統文化の継承への熱い想いと、7月に迎える「クムフラ」資格取得を前に、フラの魅力とスタジオの特徴について語っていただきました。

他のスタジオにはない独自の魅力

ー貴スタジオの一番のアピールポイントについてお聞かせください。

周田:当スタジオの最大の特徴は、古典フラを教えていることです。他の教室はほとんどが現代フラを教えており、ウクレレやギターなどのハワイアンミュージックに合わせて踊るスタイルが中心になっています。しかし私たちは、100年以上前から続いているハワイ語で踊る古典フラを指導しています。

古典フラはハワイの先生たちも大切に継承されているもので、なかなか日本人に教えてもらうことが難しい分野です。そこを習えるというのが、当スタジオの大きな魅力だと考えています。

また、当スタジオのもう一つの大きな特徴は、定期的にハワイへ生徒さんと一緒に行くことです。ハワイで習った曲を現地の自然の中で踊ったり、ハワイの歴史や文化を学んだりする機会を約2年に1回のペースで設けています。これによって、ただ踊りを学ぶだけでなく、フラの背景にある文化や精神も体感することができます。

美しいフラダンサーを育てるための指導哲学

ー現在受講されている方を指導する際に、特に意識していることがあればお聞かせください。

周田:皆さんは踊りたいという気持ちで来られますので、単に「楽しむ」だけで終わるのではなく、美しいフラダンサーになるための指導を徹底しています。もちろん基本ステップは非常に大切ですが、そのステップをマスターしながら、ハンドモーションも含めて本当に「美しい」と言われるようなフラが踊れるようになることを目指しています。

現在はコンペティションにも挑戦しており、これまでに2回ほど大会に出場しました。また来月もコンペティションが予定されています。こうした大会への出場を通じて、より高いレベルの技術を習得する機会を設けています。

年代に合わせたクラス編成

ー現在提供されているコースやプランについてお聞かせください。

周田:当スタジオのクラスは主に年代別に分かれています。若い方向けのクラスと50歳以上の方向けのクラスがあります。内容が異なるのは、若い方は比較的早いテンポの曲や難しい曲も習得できますが、年配の方にとってはそれがストレスになる場合があるからです。

また、技術レベルによって、ビギナー(初心者)クラス、中級クラス、アドバンスクラス、上級クラスという段階に分かれています。このように年齢と技術レベルに応じたクラス編成によって、それぞれの方が無理なく楽しく学べる環境を整えています。

今後の展望:クムフラ資格取得と活動範囲の拡大

ー今後強化していきたい点があればお聞かせください。

周田:今年7月に、私はハワイの先生と同じ「クムフラ」という資格を取得する予定です。日本人がクムフラになることはなかなか難しいのですが、予定通りに進めばこの資格を頂けることになりました。

クムフラの資格を持つことで、日本のフラの先生方にも指導することができるようになります。現在、多くの日本の先生方はハワイに行ったり、ハワイから来られた先生のワークショップを受けたりして学んでいます。私がクムフラになれば、そうした知識や技術を日本の先生方と共有することができるようになります。

現在は山口県防府市を中心に活動していますが、この資格取得を機に、全国的に活動範囲を広げていきたいと考えています。より多くの方にハワイの伝統的なフラの魅力を伝えていくことが目標です。

フラを通じて広がる人生の豊かさ

ー今後ご入会を考えられている生徒さんへメッセージをお願いします。

周田:ハワイアンフラはとても楽しく癒されるものです。踊ることが喜びになりますので、ぜひ気軽に体験や見学に来ていただいて、実際に踊ってみられると良いと思います。

本当にハマると「抜けられない」と言うほど楽しいものです。また、仲間ができるのも大きな魅力です。発表会に向けて一緒に練習したり、共通の目標に向かって頑張ったりすることは、まるで「大人の部活」のような感覚です。

フラを通して、ハワイが好きな仲間同士のつながりができ、お友達の輪が広がります。それによって、より豊かな人生を歩むことができると思います。ぜひ皆さん、体験にいらしてください。お待ちしております。

伝統を継承し、広げるための情熱

フラは単なるダンスではなく、ハワイの歴史や文化、精神性を体現する芸術です。周田さんのスタジオでは、その本質に触れる機会を提供し、日本におけるハワイアンカルチャーの正しい理解と普及に努めています。クムフラ資格取得という新たな節目を迎え、今後さらに活動の幅を広げていく周田さんの挑戦は、フラを愛する多くの方々の支えとなるでしょう。

山口県防府市から始まった小さな波紋が、やがて日本全国へと広がっていく—そんな期待を抱かせるインタビューとなりました。