ヨーロッパ古典技法を伝えるAtelier LAPISの挑戦

シモーネ・マルティーニ 「受胎告知」模写 テンペラ画

伝統絵画と額縁制作の技法を現代に伝える「Atelier LAPIS」。

北海道や京都などの遠方からも生徒さんが集うこの教室では、美術館でよく展示されているヨーロッパ古典技法による作品作りを体系的に学べる希少な環境が整えられています。

古典の知を引き継ぎながら、現代に息づく創作の場として注目を集めています。

教室の概要と対象者について

私自身が運営している「Atelier LAPIS」では、古典技法による絵画と額縁制作の両方を指導しています。

対象となるのは主に社会人や主婦の方々で、年齢層は20代から70代までと幅広く、大学生が在籍することもあります。

全国から生徒が通っており、最も遠方では北海道から飛行機で通う方もいます。

教室で扱う技法は非常に専門的で、古典絵画技法の教室は各地に多少あるものの、額縁制作を併せて学べる場は珍しく、そこに魅力を感じて来られる方が多いようです。

文字と絵が書かれた紙

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技法見本 プンナツォーラ 

初心者も学べる体制と指導方針

多くの生徒さんはすでにどこかで絵画経験のある方ですが、まったくの初心者でも参加いただけます。

教室では段階を踏んだ工程を重視しており、目的の作品制作に向けて初心者でも丁寧なステップを経ることで、美術館で展示されているような高度な作品の制作が可能です。

素材の特性や使い方まで理解していただきながら、プロセスを重んじる指導を大切にしています。

また、画材もただ既製品を使うのではなく、絵具やキャンバスもその素材から自らの手で作り出し、自分の表現に最適な素材をカスタマイズしていくという方針も大きな特徴です。

技法見本  グラッフィート

教室立ち上げのきっかけ

この教室を始めたのは、私自身がヨーロッパを旅行した際、本場の古典作品の発色や表現に強い衝撃を受けたことがきっかけでした。

当時、日本では印象派が主流でしたが、現地で見た作品はそれとは大きく異なるもので、その違いを探求するうちに古典技法の研究に没頭するようになりました。

最初は自分の学びのために始めたことでしたが、日本国内にこの技法を広めなければ文化として根付かないという思いから、教室として開講することを決めました。

壁に掛けられた絵

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技法見本 パスティーリィア

教室の強みと特徴

Atelier LAPISの強みは、素材の準備から制作まで、すべてを自分の手で行うことで、作品に対する理解と愛着が深まる点です。

たとえば、既製品を選ぶのではなく、キャンバスや額縁までも自作することで、表現の幅が無限に広がります。

このように、作品の完成度だけでなく、工程を大切にしながら完成に向かうことで、作品に深みをもたらすことで芸術品の制作がが可能になります。

教える上で大切にしていること

工程を正確に踏むこと、素材を理解すること。

そして、最終的には美術館で展示されるレベルの作品を目指して長期的に取り組むことを大切にしています。

すぐに結果が出る世界ではありませんが、丁寧に一歩一歩進めることで、生徒が満足できる作品に到達できると信じています。

ミケランジェロ 「デルフォイの巫女」 フレスコ画

やりがいと印象に残る瞬間

一番のやりがいは、生徒の作品が完成した瞬間です。1〜2年という長い時間をかけて取り組むからこそ、レベルの高い作品の完成時の喜びは大きく、講師としての達成感もひとしおです。

その瞬間に立ち会えることが、何よりの喜びとなっています。

今後の展望について

古典絵画技法をより多くの人に伝えることが、今後の大きな目標です。

展覧会の開催を通じて、ヨーロッパの絵画史の流れや変遷を日本国内に紹介し、今の時代だからこそ古典の知恵がが現代でも必要とされていることを伝えていきたいと考えています。

読者へのメッセージ

ヨーロッパの美術館などで本物の素晴らしい作品を目にする機会は多いと思いますが、それがどう作られたのかまで知る人は多くありません。

その制作プロセスに触れることで、作品への見方がより深くなってきます。

ぜひ私たちのホームページを訪れて、教室で体験できる本格的な古典技法の世界に触れてみてください。