―NPO法人Wisa(ウィーサ)が届ける、若者のための「デジタルユースワーク」という新しい選択肢とは
NPO法人Wisa(ウィーサ)は、大阪を拠点に「デジタルユースワーク」という独自のスタイルで、不登校・引きこもり状態の若者たちを支援する団体です。
学習支援、ITスキル研修、海外とのオンライン交流など、多様な活動を展開しながら「違いを価値に変える」という理念を軸に活動されています。
本記事では、理事のお一人、横山泰三さんにその取り組みや思いについて詳しく伺いました。

ーまずは、団体の概要について教えてください。
横山さん:拠点は大阪市になりますが、オンラインでの学習支援や自習支援などを行っているため、全国や海外の高校生も参加しています。東京にも拠点があり、コワーキングスペース的な場所で活動しています。
いわゆる塾というよりも、不登校の若者と一緒に教育開発事業を行い提供しています。たとえば、生活習慣や学習習慣の改善を支援する取り組みです。Study with Me(スタディウィズミー)やポモドーロ・テクニック(25分の学習集中時間と5分間の休憩を繰り替える自習法)は、Youtubeでもご覧の通り世界的な現象になりました。
ーこの団体を立ち上げた背景やきっかけは何ですか?
横山さん:団体は2009年に設立しました。当時、不登校や引きこもりの若者たちがMixiなどを通じてつながり、Skypeなどでグループチャットを行っていたのがきっかけです。
そこから生活相談や学習習慣のサポートを始め、やがてプログラミング学習にも発展。多くのメンバーがフリーランスとしてIT系の仕事に就いていきました。そうした流れから、「デジタルユースワーク」というオンラインを活用した若者支援スタイルが生まれました。

ー活動を通して、どのような社会課題の解決を目指されていますか?
横山さん:「多様性を受け入れる社会」を目指しています。現在の社会では「こうでなければいけない」という固定観念が強く、不登校や引きこもりが「問題」とされがちです。
しかし、私たちはネガティブな経験こそが成長の源だと考えています。「違いを価値に変える」という理念のもと、外国ルーツや不登校、LGBTQなども多様性の一つとしてポジティブに捉え、それぞれ個性を活かせる社会を作っていきたいです。
ー支援を行う際に、大切にしている姿勢について教えてください。
横山さん:一人ひとり状況が違うという前提を持ち、「社会問題で人を名指さない」という姿勢を大切にしています。
例えば、私たちは「不登校」という言葉もあまり使いません。ボランティア活動を通じて自然な社会参加の機会を作ることで、本人たちが自分のペースで変化していけるようにしています。
また、親御さん向けには「子どもを変えようとしない」ことの重要性を伝えています。親が子どもを信じて見守ることが、子どもにとって最も安心できる環境になります。
ーボランティア活動の具体的な内容について教えてください。
横山さん:主なボランティア活動には、以下の3つがあります。
- 日本語教育支援
ラオスの少数民族の方にオンラインで日本語を教える活動です。PowerPointやGoogleDriveなどを使って授業を行いながら、ITスキルやコミュニケーション力を育てます。 - Web制作研修
中小企業のDX化支援として、業務可視化やWebサイト制作のスキルを学び、実際にインタビュー・提案・納品まで経験するプログラムです。 - ラオス渡航プログラム
ラオスに渡航して調査研究や教育ボランティアやアクション・リサーチに取り組む海外活動プログラムも開発して提供しています。
ー今後、さらに力を入れていきたい取り組みがあれば教えてください。
横山さん:現在は、「オンライン家族教育コンテンツ」の開発に注力しています。不登校の子どもを持つご家族が、匿名で安心して学べるような仕組みづくりを目指しています。
ライブ配信形式で週ごとにテーマを設け、ジャーナリング(1週間の振り返り)などを通じて習慣改善をサポートするメディア教育プログラムを準備中です。
また、これまで蓄積してきた活動の質を維持しつつ、より多くの方に届くように発信力の強化にも取り組んでいきたいと思っています。
ー活動に関心のある方や支援を検討している方へメッセージをお願いします!
横山さん:はじめての方は不安も多いと思いますが、まずはお気軽にご相談ください。無料カウンセリングやヒアリングから対応いたします。
パソコンやITに興味がある若者や、社会参加のきっかけが欲しい方、勉強や家庭以外の「第三の居場所」を探している方にはぴったりのプログラムです。
ーWeb制作など、Wisaへのお仕事依頼を検討している方へ

横山さん:Wisaでは、Webサイト制作や業務効率化ツールの導入支援(例:kintone、Googleスプレッドシートなど)を行っています。地域の事業者さまからのご依頼で制作実績も多く、特に「教育×福祉×IT」を掛け合わせた活動が強みです。
メンバーには、かつて不登校や引きこもりを経験し、今はITスキルを活かしてフリーランスとして活躍している若者もいます。実案件を通じて社会参加と実践的なスキル習得の場を提供しており、制作物のクオリティも評価いただいています。
Web制作のほか、資料作成や業務改善ツールの設計・構築など、まずは無料でご相談いただけます。社会的意義のあるお仕事を依頼したい方、ITに強いチームを探している方は、ぜひ一度ご連絡ください!