大人の方を対象とした新しいスタイルのそろばん教室「サロンdeわたなべ そろばんレッスン」。
当教室では従来の塾形式ではなく、くつろぎの空間でそろばんを楽しむユニークな取り組みを行っています。
伝統的なそろばんの技術を活かしながら、脳の活性化を目指す代表の渡邉靖子さんにお話を伺いました。
教室概要

ーどのような方を対象にレッスンを行っていますか?
渡邉さん:現在は介護施設へのそろばんの出張レッスンを中心に活動しています。
まだ事業としては立ち上げたばかりで、介護施設での活動は2年目になります。
自宅でのレッスンについては、「サロン」という名前にこだわりを持っており、単にそろばんを練習して終わりではなく、レッスン後にはリビングのソファに移動していただき、歓談のお時間を設けています。
そのため、1回のレッスンは最大2名様までと決めていて、午後からスタートし、1日最大でも2組4名様という少人数制にこだわっています。
1回のレッスン時間は1時間から1時間半で、その後のお話の時間も大切にしています。
全くそろばんの経験がない方でも安心して始められる環境を整えています。
設立の経緯ときっかけ
ー教室を始められたきっかけについて教えていただけますか?
渡邉さん:きっかけは高校時代の珠算部の思い出にさかのぼります。
5年前に部の仲間が亡くなり、その際の集まりで「何か出来ないか」という話になりました。
仲間たちから「何かするなら協力するよ」という言葉をいただき、まず考えたのは本業の旅行業を活かしたインバウンド向けのそろばん体験でした。
英語のホームページも作成し、準備を進めていたところで新型コロナウイルスの感染拡大が始まりました。
国境が封鎖され、インバウンド事業が難しくなったため、方向転換して大人の方向けの教室として再スタートを切りました。
ご縁があって介護施設でのレッスンを始めたところ、予想以上の効果が表れ、今の形につながっています。
特徴とアピールポイント

ー一般的なそろばん教室とは異なる特徴やアピールポイントを教えてください。
渡邉さん:現代は電卓やスマートフォンで簡単に計算ができる時代ですが、そろばんには計算以上の価値があると考えています。
それは日本の大切な伝統文化であり、継承していく価値のあるものです。
特に50代から70代の方々は、子供の頃にそろばんを習った経験をお持ちの方が多く、「もう一度始めてみたい」という気持ちを持っていらっしゃいます。
しかし、現在のそろばん教室の多くは子供向けで、大人の方が新しく始めるには心理的な壁があるように感じます。
そこで私は、サロン形式という新しいスタイルで、ゆったりとした雰囲気の中で、会話を楽しみながら、ストレスなくそろばんを学べる場所を目指しています。
生徒に指導する際に意識していること
ーレッスンで大切にされていることについて教えてください。
渡邉さん:最も重視しているのは、生徒さん一人ひとりに合わせたプログラム作りです。
市販の教材をそのまま使うのではなく、その方の能力や興味に合わせてアレンジしています。
例えば、ゲーム感覚を取り入れたり、独自の教材を作成したりと、楽しみながら学べる工夫を凝らしています。
特に介護施設でのレッスンでは、素晴らしい成果が出ています。
97歳の生徒さんは、1時間のレッスン終了間際でも「もう1問だけ」とさらなる意欲を見せてくださいます。
レッスン開始10分前から席に着いて待っていてくださる方もいらっしゃいますし、生徒さんの「楽しい」という言葉が、私たちの原動力になっています。
今後のビジョンと展望

ー教室として今後強化されたい点や新たな取り組みについて教えてください。
渡邉さん:私たちの目指すところは、収益重視の事業展開ではありません。
本業の旅行業があるからこそ、この活動では「人の役に立つこと」を第一に考えています。
生徒さんお一人おひとりが喜びを感じ、長く続けていただけることが最大の目標です。
生徒さんの様子を見ていると、そろばんを通じて前向きな気持ちが生まれ、新しい目標に向かって取り組む姿勢が育まれていると感じます。
この活動を通じて、より多くの方々の生活が豊かになることを願っています。
メッセージ
ー教室に興味を持たれた方へメッセージをお願いします。
渡邉さん:私たちの教室では、制限時間内にひたすら計算をこなすような従来型の練習はしません。
楽しく、リラックスした雰囲気の中で、自分のペースで学んでいただけます。
「今日も楽しかったな」「次も続けてみよう」と思っていただけることを大切にしています。
また、上達に応じて検定試験にチャレンジする機会も設けています。
級を取得することで新たな目標が生まれ、さらなるやりがいにつながっています。
ぜひ、新しいスタイルのそろばん学習を体験してみてください。