音楽は人生を豊かにする大切な要素ですが、どの楽器を始めるべきか迷う方も多いでしょう。特にフルートは美しい音色ながら、「難しい」「敷居が高い」というイメージがあるかもしれません。しかし、『クルール フルート教室』の室井有美子先生はそのイメージを覆します。4歳から70代まで幅広い年齢層に対応し、一人ひとりの個性や目標に寄り添った柔軟な指導を行うクルールフルート教室。演奏活動と指導を両立させながら、フルートの魅力と音楽を通じた豊かな人生を伝え続ける室井先生に、教室の特徴やフルート学習の効果、教える喜びについてお話を伺いました。フルートに興味はあるけれど一歩踏み出せない方々に、新たな一面を発見していただける内容です。

3歳より昭和音楽大学付属音楽教室にてリトミックとピアノを、8歳より同教室にてフルートを始める。大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コース卒業。同大学院修了。これまでにフルートを松村容子、中務晴之、中野真理、ピッコロを菅原潤の各氏に師事。在学中、イギリスにおいて英国王立音楽院教授ウィリアム・ベネット氏のインターナショナルサマースクール受講。霧島国際音楽祭にてエミリー・バイノン氏に師事。第50回全日本学生音楽コンクール大阪大会入選、第6回びわ湖国際フルートコンクール入選、第73回日本音楽コンクールセミファイナリスト、第27回かながわ音楽コンクール入選、第15回大阪国際コンクールアンサンブル部門エスポアール賞受賞。また、パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF2002)オーケストラに参加(シャルル・デュトワ指揮の下、ウィーン・フィルメンバーより指導を受ける)、佐渡裕氏による「一万人の第九」ユースオーケストラにおいて第一フルート奏者を務めるなど、オーケストラ奏者としても研鑽を積む。日本演奏連盟主催・文化庁助成にて大阪のいずみホールに於いてリサイタルを開催したのを皮切りに、ソロリサイタル4回(’05、’08、’10、’12)、その他デュオリサイタルやトリオコンサートなど積極的に開催。いずれも好評を博す。2010年には関東在住のフルーティスト4人による「ピエール・ルージュ フルートカルテット」を結成。定期的に公演を行なう。また、NHK-FM「名曲リサイタル」出演、「のだめカンタービレ」のCDレコーディングなどにも参加。
これまでにNHK交響楽団、東京シティフィル、東京都交響楽団、関西フィルなどに客演奏者として出演。現在、関東を中心にソロ・室内楽・オーケストラにおいて活躍中。後進の指導にもあたっている。
最近は「ムジカベベ0才からの音楽会」や「ピーフルーダ・ママン トリオ」のメンバーとして、都内にて生演奏の素晴らしさを赤ちゃんから大人までの幅広い年齢層に伝える活動に力を注いでいる。
進化するフルート教育:幼児からシニア層まで広がる音楽の輪

ー室井先生、本日はどうぞよろしくお願いいたします!まず、『クルール フルート教室』の概要について、どのような方々を対象に、どんな指導をされているのかを教えていただけますか?
室井有美子先生(以下、敬称略):従来は小学校3年生からシニアの方までを対象に指導してきましたが、時代と共に変化してきています。最近では4〜5歳のお子さんからもお問い合わせをいただくようになり、現在は5歳からシニアの方までの幅広い年齢層の方が通われています。特に年齢制限は設けていないのが特徴です。
ー5歳の子どもでもフルートが演奏できるんですか?フルートは重いイメージがあるのですが…
室井:そこが今の時代の素晴らしいところなんです。昔は大人用の楽器しかなく、重さや指の届く範囲から小学校3年生くらいからしか始められませんでした。しかし今は子供専用の小型フルートや、金属ではなくプラスチック製の軽いもの、リコーダーの横吹きバージョンのような入門楽器など、様々な種類が開発されています。基本的な吹き方はフルートと同じで、これらの楽器のおかげで小さなお子さんでも挑戦できるようになったんです。
演奏家から教育者へ:情熱と経験が紡ぐ指導の道

ーフルート教室を開かれたきっかけや経緯を教えてください。
室井:音楽大学在学中から教える機会が多くあり、自然な流れで卒業後も続けてきました。演奏活動をしながら「教えてほしい」というご要望があれば指導するというスタイルで、住まいの移転に合わせて各地で教室を開いてきました。現在の拠点に落ち着いてからは、子育ての状況も踏まえながら少しずつ生徒さんを増やしている段階です。
大学時代は自宅で生徒さんを教えたり、大学の先生から中高生のレッスンを頼まれたりしていました。
ー先生ご自身は何歳からフルートを始められたんですか?
室井:私は小学校3年生からです。
ー教えることの喜びはどういったところにありますか?
室井:様々な生徒さんとフルートについて対話できる時間はとても貴重です。私のアドバイスを取り入れて音色が良くなったり、技術が向上したりする姿を見ると、それが私自身の喜びにもなります。生徒さんの成長が私の成長にもつながっているんです。
自由と個性を尊重する教室:型にはまらない学びの場を目指して
ー他のフルート教室との違いや、『クルール フルート教室』ならではの特徴を教えてください。
室井:多くの教室では年間のレッスン回数や進め方に一定のルールがありますが、私のところは非常に柔軟な対応を心がけています。月に2回から4回まで生徒さんがご自身のペースで選べますし、1回のレッスン時間も30分、40分、1時間、1時間半など、生徒さんの希望や状況に合わせて自由に設定できます。
また、「このテキストをこの順序で」という固定的なカリキュラムではなく、それぞれの生徒さんがどういう曲を弾きたいか、どんな音楽を目指したいかに合わせた指導を行っています。その人に合った個別の教え方ができることが弊教室の強みです。
レッスンの前後のコミュニケーションも大切にしているので、時間に余裕を持たせてゆったりとした雰囲気の中でレッスンを受けていただいています。フルートの技術を教えるだけでなく、音楽を通して人生を豊かにしていただきたいという思いが私の教室の根底にあります。
体と心の調和:一人ひとりの個性を活かす独自のアプローチ

ー生徒さんへの指導で特に意識されていることはありますか?
室井:人それぞれ体の構造、手の大きさ、肺活量などが異なりますので、一人ひとりの特性に合わせた指導を心がけています。「こうすればあなたはより美しい音色が出せる」「このようにすれば豊かな響きになる」といった、その人に最適な奏法を一緒に見つけていくプロセスを大切にしています。
究極的には、楽しく音楽ができるようになってほしい、フルートを通して自分自身を表現できる喜びを感じてほしいという思いで指導しています。
ーフルートを演奏することで、健康面への好影響もあるのでしょうか?
室井:実はたくさんあるんです!まず呼吸法の面で、しっかり息を吸ってゆっくり吐くという動作は健康的な呼吸を促します。特に年齢を重ねると浅い呼吸になりがちですので、フルートの深い呼吸は体にとても良い効果があります。
また、指先を細かく使うことや、見えない指の位置を感覚で覚えながら息のコントロールもするという複合的な動作は、脳の活性化にもつながります。フルートは見た目以上に頭と体の両方を使う楽器なんです。
80歳を超えても演奏を続けられる方がいらっしゃるように、生涯楽しめる楽器です。テニスのように若い頃から老年期まで長く続けられる趣味として、音楽の喜びと健康促進の両面で役立つと思います。
響き合う音色:アンサンブルで広がる音楽体験の可能性

ー提供されているコースについて教えてください。
室井:現在は主にマンツーマンレッスンを中心に行っています。個々の生徒さんに合わせたきめ細かな指導ができるのが特徴です。
アンサンブルコースも設けていますが、こちらはある程度の経験者を対象にしています。フルートは基本的に一度に1つの音しか出せませんが、複数の奏者が集まれば美しいハーモニーが生まれます。2人、3人、4人と人数が増えるほど音の広がりが出て、それだけで演奏する喜びが何倍にも膨らみます。
レッスン中でも生徒さんと一緒にデュエットをすることがありますが、和音が響き合う瞬間は本当に特別です。フルート用のアンサンブル楽譜も豊富にありますので、皆で音楽を作り上げる楽しさを体験していただきたいと思っています。
ー室井先生はピッコロも演奏されるそうですが、レッスンでも取り入れているんですか?
室井:基本的にレッスンはフルートで行っていますが、ピッコロに興味をお持ちの生徒さんには指導もしています。オーケストラの仕事ではピッコロも担当することがあり、フルートファミリーの楽器として広く親しんでいます。
未来への構想:多彩なフルートが織りなす音楽の世界
ー今後、力を入れていきたいことや新たな取り組みについて教えてください。
室井:フルートの魅力の一つはアンサンブルの美しさだと思っています。通常はマンツーマンレッスンの生徒さんでも、発表会などの機会に全員で合奏する場を増やしていきたいですね。
また、フルートには実はピッコロ以外にもアルトフルートやバスフルートなど様々な種類があります。これらの楽器を取り入れた多彩なアンサンブルを教室で実現できれば、より立体的で豊かな音楽体験ができると考えています。まだ具体的な形にはなっていませんが、音楽の広がりを感じられる機会を作っていきたいと思います。
想像を超える親しみやすさ:フルートで見つける新たな自分

ー最後に『クルール フルート教室』に入会を検討している方へ、メッセージをお願いします!
室井:フルートは敷居が高いと思われがちですが、実はそんなことはありません。ピアノのように同時に沢山の音符を見て弾くのとは違い、メロディー楽器ですので一音一音丁寧に読んでいくので、意外と始めやすい楽器なんです。
確かに最初の音出しには少しコツが必要ですが、それさえ掴めれば上達のスピードは早いです。ピアノは鍵盤を押せば音が出ますが、フルートは自分の息と体が楽器の一部になるため、上達していく過程をより身体的に実感できます。初めは出なかった音が徐々に美しく変わっていく体験は、とても喜びが大きいんです。
体と楽器が一体になって音楽を作り出す感覚は、フルートならではの魅力です。年齢に関係なく、音楽を通して新たな自分の表現方法を見つけられる場所として、ぜひ気軽に教室の門を叩いていただきたいと思います。