熊本市内でエレキギター指導に特化したレッスンを行う教室、LOVE ROCK熊本。
「ブルースという音楽をしっかり理解しておかないと、エレキギターは弾けない」という確固たる信念のもと、技術指導だけでなく、音楽の持つ精神性まで伝える独自の指導方法で注目を集める、同教室の代表、松尾雄一郎さんにお話を伺いました。
教室概要

ーどのような方を対象にどういったレッスンをされていますか?
松尾さん:当ギター教室は、エレキギターに特化したレッスンを行っています。
私は10代からエレキギターを弾いていますが、その中で分かったことは「ブルースをしっかり理解しないと、ロックギターは弾けない」ということです。
この教室ではロックギターを弾きたいという方に向け、レッスンをしています。
教室設立の経緯
ーこの教室を始められたきっかけや背景について教えていただけます?
松尾さん:大学卒業後、熊本市内の某楽器店でインストラクターとして働いていました。
その後サラリーマンになってからも、ロックバンド活動は継続して行っていました。
50代半ばくらいで「そろそろ好きなことをやっていこうかな」と考え、やはりギターしかないと思ったんです。
以前教えていた生徒さんと偶然再会した際に「すごく役に立った」という言葉をいただいて、これを始めようと決意しました。
独自の指導メソッド
ーこの教室の特徴や、アピールポイントについて教えていただけますか?
松尾さん:よく他の教室から転校されてくる生徒さんの話を聞くと、「どんなバンドが好きですか?どんな曲を弾きたいですか?」と聞いて、その曲を教えるという形が多いようです。
私はそういうアプローチはとっていません。
もちろん、自分で練習していて分からないところを持ってきていただくのは大歓迎ですが、ビギナーの方には別のアプローチをとっています。
まず基本的な理論を身につけていただき、その力で自分の好きな音楽を切り開いていけるようなレッスン内容を心がけています。
特にブルースという音楽に親しんでおくと、様々なジャンルの音楽に応用が利くので、このジャンルは必ず体験していただきたいと考えています。
生徒との向き合い方

ー生徒さんに接する際に、大切にしていらっしゃることはありますか?
松尾さん:まず大切にしているのは、人と比べないことです。
難しいことでも、すぐにできる人もいれば、非常に時間のかかる人もいます。それぞれのやり方があるので、比較することは避けています。
また、ギター教室に通えば必ず上手くなるというわけではないということも、しっかりお伝えしています。
ここで伝えたことを、家でしっかり練習して活かすことが大切です。
ギターという楽器は、右利きの人であれば左手でしっかりフォームを決めて押さえ、右手も正しいフォームで弦を弾く必要があり、非常に難しい楽器です。
だから「ギターは簡単ですよ」という言い方は一切しません。
ただし、厳しいスパルタ指導というわけではありませんし、生徒さんの中には独自の工夫で上達し私も見習わないといけない部分がよくありますので、
そんな時は「他の人でこんな工夫をされている人がいます。」という話はしています。
最近は子どもの生徒さんが多く、とても嬉しく思っています。
熊本地震があり、そしてコロナ禍があって、子どもたちの気質も変わってきていると感じます。
LINEでやり取りすると、質問攻めにあうこともありますが、そういった質問にもしっかり応えていきたいと思っています。
また、私と同世代で始める方も多いです。
この年代の方々は、ブルースを感覚的に理解されている方が多いので、その感性を活かしたレッスンができています。
レッスン内容とコース設定
ー実際に提供されているレッスンプランについて教えていただけますか?
松尾さん:カリキュラムは体系立ててはいませんが、初心者の方には、まずギターの6本の弦のどれかを押さえていただいて、音の出し方から始めます。
その先は、生徒さんの様子を見ながら進めていきます。
レッスンは基本的に50分ですが、次のレッスンとの間に最低30分は空けるようにしています。
その時間を使って、私の気が済むまでレッスンすることもあります。その分の追加料金は頂いていません。
今後のビジョン
ー今後、教室として強化されたい点や新たな取り組みについてお考えのことはありますか?
松尾さん:今のペースを維持していきたいと思っています。
コロナ前までは自身のバンド活動も行っており、ライブを見て「教えてください」という方も多くいらっしゃいましたので、できればバンド活動を再開したいです。
それから、「ギターソロ」をとばして楽曲を聴く傾向がリスナーにあると聴きますが、youtubeにギターパートだけをカットしたバッキングトラックが山ほどアップされていますし、MP3音源のギターパートだけカットしたりコピー用にギターパートのみを抽出するアプリが登場しているのを見ると、バンド活動が一番楽しいのですが、一人でも楽しめる時代になりました。
エレクトリックギターにとって決して悲観的な状況ではないと思いますので、引き続きギターの楽しさを皆さんにお伝えしていきたいと思っています。
ロックとブルースの魅力
ーエレキギターの魅力についてお聞かせください。
松尾さん:私は1970年の大阪万博の年に中学に入学した世代です。
その頃はロックの黄金期で、ブルース・ロックの故郷アメリカはベトナム戦争をしており、反戦運動が盛んな時代でした。
そういった時代背景に影響を受けて、ギターを始めました。
また「ロックの基本中の基本」であるブルースは黒人に対する人種差別の中で生み出された音楽であり、カウンターカルチャーとしての側面を持っています。
レッスンでは、そういった歴史的背景も話しながら進めています。
日本では「政治的なことを持ち込むな」という意見もありますが、ブルースやロックの根底にはそういった社会との結びつきがあるのが事実であり、歌詞を理解し感情のこもったギターを弾くためにも大切なことと思います。
もちろん、特定の考え方を押し付ける為ではなく、カウンターカルチャーとしてのロックの本質を理解していただきたいと思っています。
特に、英語の歌詞の曲を教える際には、その歌詞が持つ意味も説明するようにしています。
大人の方は理解されている方が多いですが、子どもたちには特に丁寧に説明するようにしています。
メッセージ
ー教室に興味を持たれた方へメッセージをお願いできますか?
松尾さん:LOVE ROCK熊本に来ていただければ、ロックというシンプルだけれども奥深い音楽の世界を体験できます。
ギターは演奏が難しい楽器ですが、エレキギターを弾きたい方、将来的に他のジャンルに挑戦したい方も、ぜひ一度体験レッスンにいらしてください。
体験レッスンでは、初心者にはブルース・ロックギター演奏で「絶対に外してはいけないポイント」をお伝えします。
当教室の特徴を知っていただければ嬉しく思います。