琉球少林流空手道月心会 名古屋本部は、単なる空手の技術指導ではなく、人生を力強く生き抜くための心の強化を目指す道場です。「最強」ではなく「最高」の人生を目標に、基本を徹底的に学び、相手を敬う心を大切にした指導が特徴です。
親子での参加を推奨し、世代を超えたコミュニケーションを育む同道場の取り組みについて、大河内さんにお話を伺いました。
名古屋市内で親子参加を推奨する空手道場

ー道場の概要について教えてください。
大河内:名古屋市千種区・緑区・東区の3か所で道場を展開しています。対象年齢は5歳から上は制限なく受け入れており、現在は70代の方も通われています。
他の道場と大きく異なる点は、親子で一緒に汗を流す空手道をメインにしている点です。高校生以下のお子さんと一緒に習う場合、保護者の月謝はいただかないシステムを採用しています。
中高生になると親子の会話が減少しますが、空手という共通の話題があることで、道場でも家庭でも会話が生まれます。
イタリアでの指導経験を活かした急成長中の道場
ー道場を始められたきっかけや経緯について教えてください。
大河内:道場は2022年9月に開設し、まだ3年経っていない若い道場です。
それまでは私自身がイタリアで14〜15年間空手の指導をしていました。イタリアではゼロから道場をスタートさせ、現在はミラノに200名弱の生徒がいます。
両親の高齢化に伴い、日本に軸足を移そうと考え2年前に帰国しました。現在も年2回はイタリアに指導に行くスタイルを取っています。
まだ若い道場ですが、すでに80名近くの門下生がおり、「驚異的に成長している」と言われています。
空手は道具、目指すのは「最強」ではなく「最高」の人生
ー他の空手道場にはない特徴や一番のアピールポイントを教えてください。
大河内:決定的に違うのは、「空手を教えていない」という点です。世の中はさらに難しくなり、生きづらくもなっています。そこで自分の幹を太くし、力強く生きていくための心の強化をメインに考え、その道具として空手を位置づけています。
他の道場は「強さ」を求め「最強」を目指しますが、当道場は「最強」ではなく「最高」を目指します。強さではなく充実した人生へとシフトしており、空手はあくまでそのための手段と考えています。
指導内容については、徹底的に基本を丁寧に教え込むことを重視しています。世の中で正しく生きていくためには、人としての基本が必要です。
全国大会では生徒たちが上位入賞を果たすこともありますが、それはあくまで結果論であって、教えているのは「強くなること」ではなく「基本」です。
強さを抑制することで育まれる精神力と他者への感謝
ー生徒さんに指導する際に、意識していることや方針を教えてください。
大河内:空手の技術は、一撃で相手を倒してしまうようなものです。だからこそ「絶対に使ってはいけない」と抑え込むことで、メンタリティが強くなっていきます。
強ければ強いほど、それを抑える力も強くなければならず、そこに精神力が生まれます。
私たちは格闘技ではなく武道を教えています。格闘技は勝敗が大切ですが、武道では勝敗ではなく、稽古をしてもらった相手に対する感謝の気持ちが重要です。
「相手を倒した」ではなく、「稽古に付き合ってくれてありがとう」という感謝の心を大切にしています。
年齢・レベルに応じた指導で基本を徹底
ー教室で提供しているコースやプランについて教えてください。
大河内:現在は1時間目と2時間目に分けて指導しています。1時間目は子ども・親子コース、2時間目は大人または女性・シニアをまとめたコースです。
子供向けのクラスでは、とにかく体をたくさん動かすことを目的としています。現在の小学生は体を動かす量が足りていないと感じるので、全身運動を重視しています。
大人向けのクラスは、武道の真髄や流派の在り方など、空手の大切な部分を丁寧に講義しています。
「生きる力」を育み、自殺を減らしたいという使命感
ー今後、より強化していきたい部分や取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
大河内:私の道場は空手を教えるのではなく、難しい世の中を生き抜いてほしいという思いで運営しています。悲しいことに自殺する人が増えているので、そういう人たちを少しでも減らしたいという思いがあります。
たくさんの生徒が入れば月謝も入るという発想ではなく、多くの人に入門してもらい、元気に人生を送っていただきたいという願いがあります。
「武道」は一生の道、自分に合った道場選びを
ー最後に、この記事をご覧になる方に向けたメッセージをお願いします。
大河内:武道は一生関わっていくものであり、死ぬまで自分の道が正しいかを何度も立ち返りながら追求するものです。他のスポーツとは違い、武道は一度入門したらそこに根を下ろすのが本来の在り方です。
ですから、武道に入門する際は様々な道場を体験し、「ここなら安心」「自分に合っている」と納得してから入ることをお勧めします。とにかく様々な道場を見て、本当に自分に合ったところに入門していただきたいです。