子どもからシニアまで「心を満たす」体づくり – NPO法人cocofullの今井さんにインタビューしました!

NPO法人cocofullは、幼児からシニアまでの幅広い世代を対象とした体操教室やトレーニング指導を展開しています。

世代に合わせた運動指導と「食」の大切さを伝える同法人の取り組みについて、代表の今井さんにお話を伺いました。

2歳から100歳まで幅広い世代に対応

ー団体の概要についてお伺いさせてください。

今井:主な活動は出張での体操教室やトレーニング指導です。対象者は2歳児から100歳程度の高齢者まで、幅広い世代を対象に活動しています。

ー活動を始めようと思われたきっかけや経緯についてお伺いさせてください。

今井:前任の代表者が、広島で高齢者に特化した体操教室として運営していたものを、福岡に導入したことがきっかけです。当時私はスタジオを所有し、パーソナルトレーニング指導と体のメンテナンス、ボディケアを提供していました。

前任者と共に仕事をする機会が生まれ、理念や考えに共感する部分が多かったため活動を開始し、2021年に代表に就任しました。

「心を満たす」を実践する世代別プログラム

ー実際に行っている活動の内容について、より詳しく教えてください。

今井:子どもたちには、体幹トレーニングを強みとした運動指導を提供しています。道具をあまり使用せず、自身の体を活用した運動指導を行っています。

児童発達支援サービスも提供しているため、運動が得意ではない子どもたちが対象者として多い傾向にあります。

働く世代の方々は疲労を抱えている場合が多く、心身をリラックスさせる運動指導を心がけています。高齢者に対しては、様々なツールを活用しながらコミュニケーションを図り、参加者同士の交流を重視しています。

「cocofull」という名称は「心を満たす」という意味に由来しています。単に運動を共に行うだけでなく、参加者間の繋がりも構築できる活動を目指しています。

幅広い世代を対象としているため困難さもありますが、最も重要なコンセプトは「介護予防」と考えています。幼少期からその意識を持ち、子どもたちに運動が将来的に自身の利益となることを伝えられるよう活動しています。

また、依頼を受けた際にはイベントや講演会を行っています。最近では福岡市の食と健康に関するイベントに招かれ、ウォーキング教室を実施しました。

体操教室などの活動を通じて、実技だけでなく運動理論についての講義を希望する声があれば、講演と実技を組み合わせたプログラムも提供しています。

「食・運動・体メンテナンス」を重視した健康へのアプローチ

ー貴団体ならではの特徴や独自の取り組みがあれば教えてください。

今井:同業者の多くは運動指導やトレーニング指導のみを提供する傾向がありますが、当法人ではセミナー活動において食に関する話題や運動に関連する栄養情報も提供しています。

食生活は日常に密接に関わる要素であるため、食と身体活動を連携させる取り組みを重視しています。食と運動と体のメンテナンス、この3つの要素が重要と考え、それらを効果的に連携させる方法を伝えているのが特徴です。

ー活動に参加する方と接する際に、特に意識をしていることや方針などはありますか?

今井:参加者の方の横のつながりを大事にしています。また、コミュニケーションをよく取り、話をしっかり聞けるような教室づくりを心がけています。

子どもたちの教室では、一方的にプログラムを進めるのではなく、「待つ」ということを大事にしています。

子どもたちは出来ないとモチベーションが下がってしまうので、次々と進めるのではなく、一人ひとりの様子を見ながら進めることをスタッフ間で共有しています。

シニアがシニアを支える次世代型の介護予防モデル

ー今後、団体としてより強化していきたい点や取り組んでいきたいことはありますか?

今井:子どもたちに関しては、運動前の基礎的な体づくりが重要と考え、体幹トレーニングや適切な体の使い方を学べる教室をさらに展開していきたいと考えています。

シニア層については、最近開始したシニアインストラクター養成事業をさらに発展させたいと思います。少子高齢化社会において、シニア層がシニアを支援する取り組みが地域社会に必要になると考えています。

60歳以上の方々がインストラクターとなるためのノウハウを提供し、実際の現場で活躍していただく体制の構築を目指しています。

ー最後に、この記事をご覧になる方に向けたメッセージをお願いします。

今井:運動が得意な子どもには多くの機会がありますが、運動が苦手な子どもが身体活動に参加する機会は限られています。しかし、身体を動かして体づくりを行うことは、心身の健康のために非常に重要です。

コロナ禍を経て、子どもたちの体力低下を実感しています。運動は継続的に行うことが重要です。そのためには運動に対する否定的な感情を持たないよう、専門家だけでなく周囲の大人も共に取り組むことが大切です。

保護者の方々もお子さんと共に運動する機会を持たれることを願っています。