「絵は誰かと比べるものではない」そう語るのは、姫路市の絵画教室「カラフルキッズアートHACHI」代表のHachiさんです。サラリーマン時代の経験を活かしながら、絵を通じて生徒たちの新たな可能性を引き出しています。テレビ番組にも出演経験がある切り絵アーティストとしての顔を持つHachiさんに、教室運営にかける想いを伺いました。
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教室の特徴と指導方針
ー絵画教室の概要について教えていただけますか?
Hachiさん:当教室は子供から大人まで幅広い年齢層を対象とした絵画教室です。単にテクニックを覚えて帰っていただくというよりは、絵を好きな気持ちを長く続けていけるような環境作りを心がけています。
授業の進め方も、学校のように全員が同じことをするのではなく、生徒一人一人の興味に合わせた個別指導を行っています。例えば5人の生徒がいれば、5人とも違うことに取り組んでいます。生徒さんたちは好奇心が強く、「これを描きたい」という意欲的な提案をしてくれるので、それを尊重しています。特に描きたいものが思い浮かばない方には、その生徒さんに合わせた提案をしています。
切り絵アーティストとしての活動
ーアーティストとしての活動について教えていただけますか?
Hachiさん:私は切り絵アーティストとしても活動しており、カッターナイフで黒い紙を切り抜き、その裏側から色紙を貼り付けて作品を制作しています。特に人物の顔をモチーフにした作品を手がけており、フジテレビの「ワイドナショー」に出演し、作品を紹介する機会もいただきました。
切り絵との出会いは大学生時代に遡ります。当時、交際していた女性にサプライズプレゼントとしてジョン・レノンの切り絵を制作したところ、非常に喜んでもらえたのです。その出来事に加え、人物の顔を切り絵で表現している作家が少なかったことも、この技法を選んだ理由の一つです。
教室設立の経緯
ー教室を始められたきっかけを教えていただけますか?
Hachiさん:2012年9月に教室を開設しましたが、それまでは営業職のサラリーマンとして働いていました。実は営業職は自分がやりたくないと思っていた仕事でしたが、あえてその分野に飛び込みました。実際に営業のトップになるなど、成果を上げることができました。
しかし、会社でのパワハラ問題に直面し、心を病むこともありました。その経験から、社会には心の癒しとなるものが必要だと感じ、当教室を設立。
生徒には子供が多いですが、私自身が脱サラして好きなことに挑戦した経験を、生きた教材として伝えていきたいと考えています。
教室の特徴
ー他の教室との違いについて教えていただけますか?
Hachiさん:当教室の特徴的な点は、様々な年齢層の生徒が同じ空間で学べる環境です。それぞれが異なる表現方法に取り組む中で、他の生徒の制作過程を見ることができ、新しい技法への挑戦のきっかけにもなっています。
また、学校や会社では必ずしも活躍できない方でも、当教室では絵を通じて自信を持てるようになることが多いです。これは、一つの場所だけでなく、様々な居場所があることを実感してもらいたいという思いにつながっています。
技術的な面では、現在はYouTubeなどでも学べる時代です。そのため当教室では、テクニックの習得だけでなく、個展の開催方法など、実践的なノウハウも提供しています。
生徒に指導する際に意識していること
ー生徒さんとのコミュニケーションで大切にされていることは何でしょうか?
Hachiさん:一見、特徴的な表現に見える作品でも、そこには必ず制作者なりの意図やこだわりがあります。私は、そういった個性的な表現の中に隠れている本人の思いを見つけ出し、認めることを大切にしています。例えば、一般的な猫の形とは異なる表現であっても、そこに込められた意味を理解し、評価するように心がけています。
コースと料金体系
ーコース内容と料金について教えていただけますか?
Hachiさん:現在、姫路駅前教室と網干教室の2拠点で展開しています。姫路駅前教室では、小学生が月額8,000円、中学生以上が月額10,000円、入会金が5,000円です。
網干教室は、小学生が月額5,000円、中学生以上が月額7,000円、入会金が3,000円となっています。
レッスンは1回60分で、曜日によって第2・第4水曜日や木曜日など、様々な時間帯を設けています。
今後の展望
ー今後チャレンジしていきたいことはありますか?
Hachiさん:3月29日に生徒たちの作品展を開催予定です。今後は年1回のペースで定期的に開催していきたいと考えています。
将来的な目標として、子どもたちの作品を販売する機会を設けることを検討しています。自分の描いた作品に価値が付き、それが対価として認められる体験は非常に重要だと考えています。まずは作品を人前で発表することから始め、段階的にアートと社会との関わりを体験できる場を作っていきたいと思います。
メッセージ
ー最後に、教室への入会を検討されている方へメッセージをお願いします。
Hachiさん:特に大人の方は、絵を趣味にしたいと思いながらも二の足を踏むことが多いようです。しかし、カラオケボックスで歌を楽しむような気軽な気持ちで始めていただければと思います。
子どもたちも、家で一人で描くのも楽しいですが、他の人と一緒に描く環境に身を置くことで、人生の楽しみが何倍にも広がります。そういった経験の場として当教室を活用していただければ幸いです。
ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。一緒に絵画の世界を楽しみましょう。